宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第17話「裏切りと暗殺の旅路(前編)」

ストーリー

 世界連盟の幹部達はブルフィクサーが必要以上に力をつけるのを恐れて、バルディオスに対抗するメカとしてガムジャードを完成させた。月影長官はガムジャードの性能を認めつつも、それを乗りこなせる人間がいないという理由でアルデバロンには勝てないと断言する。
 一方、アルデバロンでは幹部の一人であるデグラスが、マリンを仲間に引き込む作戦をたて、ガムジャードを利用することを企む。アフロディアは「マリンが仲間になるはずがない。」と強く反対するが、ガットラー総統もデグラス案に賛成したため、その作戦は実行に移される。

 やがてアルデバロンの攻撃は再開され、それを迎え撃つためにバルディオスチームは出撃準備に入る。しかし、世界連盟からガムジャードを出撃させるとの報が入り、そのため急きょ、バルディオスは出撃不要とされてしまう。そして、その時からガムジャードの快進撃が始まる。ガムジャードの想像以上の活躍で、世界連盟はこの時とばかりにブルーフィクサーの規模縮小案を出す。

 マリン達は、世界連盟に自分達の力を再認識させようと月影長官の許可無く出撃し、ガムジャードの眼前でアルデバロンを蹴散らす。ところが、それが裏目に出てマリン追放命令が出てしまう。デグラスが地球の占領地の四分の一を返却する条件にマリン追放を盛り込んだためであった。

 マリンはやけをおこしそうになるが、クインシュタイン博士の忠告により、グッとこらえる。そして、月影長官の案で、表向きはブルフィクサー基地より追放だが、時がくればブルーフィクサーに戻れるようにと隠れ家行きを決意する。だが、隠れ家に向かう途中、正体不明の敵に襲われる。マリン必死の反撃により敵の中の一人を捕らえ、誰の差し金かを問いただす。その結果、暗殺者の口から出た名前は意外にも月影長官であった。マリンは気が動転し、その隙をつかれて暗殺者に射殺されそうになるが、それを救ったのは敵であるデグラスであった。

感想

・デグラス
 一歩間違えれば、即、死刑のアルデバロンの中にもデグラスのようなナルシストがいたんですね。しかも、バラまでつけて。ところで、TV版のデグラスの声は神谷明氏なんですよね。「北斗の拳」のケンシロウとかを演じられてて好きな声優の一人ですが、そのお方がデグラスとは。今、あらためて声をきくと・・・。
 しかし、デグラスの作戦だが、マリンを仲間に引き込もうとしなくても、マリンが自分を暗殺しようとした首謀者が月影長官と聞いて動揺したときに射殺すべきだったのでは。恐れるものがバルディオスのみなら、なおさらです。無理に仲間に引き込もうとしたから後編で・・・。

・世界連盟
 今回の話をみると、世界連盟はアホの集まりのように思えてしまう。確かに、一つの組織が力を持ちすぎるのは確かに危険というのはわかる。だが、今は非常事態。せめて、バルディオスとガムジャードが協力して戦うとかすべきでは?それに敵の戦いぶりがおかしいことに気づかないなんて。困ったもんだ。でも、実際、自分達が侵略されるという危機にさらされても、権力や手柄争いが展開されるんだろな。
 まあ、ひとつには異星人であるマリンを今ひとつ信用できないというのもあるんだろうけど。

・アフロディア
 マリンという男がどういう行動をとるか、一番理解しているのがアフロディアということでしょうか。マリンに対して復讐の炎を燃やす一方、男としての器を認めています。どんなに地球人にひどい仕打ちを受けても、決してそれに屈してアルデバロンにつくような男ではないと。

・ガムジャード
 マリン引き込みのために、アルデバロンに利用されるガムジャード。当話では、表向きは無敵ぶりを発揮し快進撃を続けますが、実はアルデバロンが手を抜いているためのもの。踊らされているガムジャードがかわいそうに思えます。


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