宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第16話「悪夢からの脱出」

ストーリー

 マリンは悪夢にうなされていた。それは、父やアフロディア、クインシュタイン博士、果てはS1星での戦闘の最中に殺してしまったミランまでもが、マリンを人殺し呼ばわりするものであった。その影響なのか、アルデバロンとの戦闘中に手が動かなくなってしまう。オリバー、雷太の活躍でかろうじて難を逃れるであった。
 戦闘後、クインシュタイン博士の診断を受けるマリン。その結果、罪意識が強く、今のままでは元のように両腕が動くようになる見込みがないことが判明する。そのため、クインシュタイン博士は脳波探査装置を使ってマリンの意識に入り込み、「あなた一人の命ではないのですよ。」と罪の意識で両腕が動かなくなっているマリンに諭す。
 やがて、再びアルデバロンの攻撃が始まり、マリンたちは出撃する。当初はマリンの腕が動かないままで戦闘に不利ではと思われていたが、クインシュタイン博士の言葉を思い出したマリンは見事に立ち直り、アルデバロンの攻撃を退けるのであった。

感想

・マリン
 ミランを殺したことには多少の罪意識があるのではと思っていたのですが、夢の内容を見ますとS1星での戦闘で殺してしまった兵士に対しても罪意識があるようにも思えます。今までのマリンの戦いぶり(亜空間に逃げた敵を倒したり、透明円盤を握りつぶしたり)から考えると、矛盾を感じなくもないのですが。目の前で直接殺してしまうのと違って、パルサバーンやバルディオスで殺すのは感覚がマヒしてしまい、それで発病が遅れたんでしょうか。
 ミランに対する罪意識があると思ったのは、第11話「情無用の戒律」でアフロディアにとどめを刺さなかったことや、第21話「甦った悪魔(後編)」でマリン自信がアフロディアに言ったセリフでわかると思います。

・ジェミーとオリバー
 マリンが罪意識のために腕が動かないままかもしれないと知ったときのジェミーは、思わず泣いてしまいました。それをつらそうに見るオリバー。また、基地内の展望室でマリンと二人きりで話すジェミーを見て静かに立ち去るオリバー。この話でも一方通行の三角関係が描かれています。極めつけはマリンがいきなりオリバーの部屋に入って、ジェミーが好きかと質問するシーンです。バルディオスという作品の見方によっては、マリンとジェミーが相思相愛と思った方もいらっしゃるのでは。しかし、ここでもマリンはあくまでもジェミーをいっしょにアルデバロンと戦う仲間扱いです。オリバーの心境はいかに。

・地球=S1星の伏線
 マリンがいきなりオリバーの部屋に入ってきたシーンでの会話の中で、お互いに同じ教義の宗教の話が出ます。内容があまりにも酷似しているためにオリバーは地球もS1星も同じ神を信仰しているみたいだと語ります。これは地球=S1星の伏線ということになっています。

・スタジオZ5
 当話の後半部分はスタジオZ5の作画です。本放送時はというか最近まで、どの話が誰の作画かは意識していませんでした(それでもひどい絵だなあと感じながら見てたときはあります)。皆様からの話を聞いて、今後はそこら辺の所もチェックしようかと思います。

・最低の視聴率
 この「悪夢からの脱出」の本放送時の視聴率は最低だっだと聞いています。関東圏では、途中から日曜日の早朝に放映時間が変更されましたが、それを含めても最低視聴率だったんでしょうか?そして何パーセントぐらいだったんでしょうか?
 私の記憶が正しければ、この「悪夢からの脱出」が放映されていた日は外出していたため途中から見ました。しかし、視聴率調査対象ではないので関係ないですね。失礼しました。
 ところで、何で視聴率が最低になってしまったんでしょうか?直前の数話を見るとバルディオスが敵メカと激しい戦闘するシーンは少ないか、またはない話が続いたし、ストーリーも子供向けとは言い難い面もあるし。そこら辺が原因なんでしょうか?



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