宇宙戦士バルディオス全話レビュー


第15話「いつわりの平和会議」

ストーリー

 ある日、世界放送がブルーフィクサー基地の取材をすることになる。世界連盟のモーガン代表は、月影長官に「うまくお茶を濁してお引き取り願うように。」と話す。やがて、世界放送からの取材陣が到着する。その中には美人の報道局長エミー・ラーティンがいた。月影長官はエミーをいろいろと基地内を案内するが、エミーはバルディオスも見たいと言い出す。マリンはバルディオスの秘密を公開はできないとエミーに対して銃を向ける。その時、アルデバロン襲撃の知らせが入る。バルディオス出動とともにエミーもジェミーの操縦する機体で戦闘シーンを撮影する。
 エミーはアルデバロンとの戦闘を見て、バルディオスは確かに強いが、1体だけではアルデバロンには勝てないと判断し、敵の空母にジェミーと一緒に飛び込んでしまう。そして、アフロディアに対して停戦会議を申し込むのでした。アフロディアは停戦会議を利用して一気に地球の重要人物を消してしまおうと、停戦会議の開催を承諾する。
 世界連盟はこの停戦会議がアルデバロンの罠と断定し、地球の戦力を会場である南極に集結させる。一方、バルディオスチームは要人救出の任につく。やがて、停戦会議が開催されるが、アルデバロン側はいきなり停戦拒否を示すと一斉蜂起する。そして、地球軍が全兵力の3/4を消耗するほどの激しい戦闘が繰り広げられた。そんな中でバルディオスはできる限りの要人たちを救出した。その中には世界放送のエミーも含まれている。
 エミーは平和のためにおこした行動がかえって人類史上まれに見る戦闘を引き起こしてしまったとして自殺を図るが、寸前のところでマリンとジェミーに止められる。マリンに叱咤されたエミリーは再び、人類のためにマイクをとることを決意し、ブルーフィクサー基地を出発していくのでした。

感想

・平和会議
 S1星人の立場になって、ちょっと停戦会議について考えてみました。興味のある方はこちら

・エミー
 世界放送の報道局長でガラガラヘビというあだ名を持つ。切れ者のおっさんかと思いきや、美人のキャリアウーマンでした。これには、ブルフィクサーのメンバーもびっくりですね。あの月影長官さえも、一瞬デレッとしてしまいました。声の増山江威子さんがいいです。大人の女性の雰囲気をだしています。
 一刻も早く平和を取り戻したい一心から、無謀にも敵空母に潜入し停戦会議を訴えるところはびっくりです。普通、あっさり撃ち落されますよ。
 結果的に彼女のしたことは多くの人命を失うことにつながってしまうのですが、ジェミーのいうとおり、彼女のしようとしたことは人間として間違ってはいないと思います。

・マリン
 冒頭で放送が連盟より強いことを知って、地球が不思議な星というマリンが何となく笑っていいような、笑ってはいけないような気になります。S1星では、皇帝がいて、軍部が治安を維持して、そんなところでは当然、放送も規制されているでしょう。そんなところで育ってきたわけですから、本当に不思議に感じられるでしょう。
 そんなマリンですが、放送の重要さを認識したらしく、ラストで自殺しようとしたエミーに対して死ぬよりも他にやるべきことがあると諭すところはさすがに我らが主人公マリンだと思って見ました。

・ジェミー
 エミーのおかげで、へたすれば命を落としかねない行動をするはめになったジェミー。しかし、エミーのしようとしたことを誰よりも理解してあげようとしていたのもジェミーではなかったでしょうか。最後にエミーより香水を譲り受けたときの顔はやはり女の子なんだなと感じさせる笑顔でした。

・ガットラー
 南極での停戦会議では、ガットラーの影武者ともいうべきアンドロイドが。銃で撃つまで、地球人側は気づきませんでした。このアンドロイドをうまく利用すれば、もし暗殺があってもうまくかわせますね。もっとも、アフロディアもどれが本物の総統か迷ったりして。

・アフロディア
 停戦会議を利用して地球側の要人を一気に始末しようと考えたアフロディア。第15話まできて、まだ怖い女を演じています。

・南極での戦闘
 南極であれだけの戦闘をしたら、氷の一部が溶けて地球上の水位が若干あがるのでは?南極大陸はかなり広いから全部が溶けるとは到底思えないが。



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