宇宙戦士バルディオス映画版レビュー


第2回「クーデター」

ストーリー

 ガットラーを中心としたS1星軍部はクーデターをおこす。ガットラーの親衛隊長であるアフロディアは、寝室で休んでいるS1星皇帝の暗殺に成功する。
 アフロディアの弟のミランも科学者が集まる研究所を襲撃する。放射能濾過システムの実験が成功を喜ぶレーガン博士であったが、このミランを中心とした兵士達の襲撃により全て無と帰した。そして、レーガン博士はミランに撃たれ致命傷を負う。そこへ駆けつけたマリンはミランに銃を向けられるも、とっさにそばの鉄片をミランに投げつけ、ミランは首にそれが刺さったため、その場で絶命する。
 マリンは倒れている父であるレーガン博士を介抱しようとするが、そこへアフロディアが駆けつける。アフロディアはミランが死んでいるのを知ると、弟の仇のばかりにマリンに銃を向ける。マリンは自分に銃を向ける女性の顔を見て愕然とした。なんと、あの燈台で寂しげに汚染しきった海を見ていた女性ではないかと。マリンは絶体絶命の危機であったが、襲撃の影響で天井が崩れ落ち、そのために何とか軍の手から逃れることが出来た。
 軍の中心人物であるガットラーは自ら総統と名乗り、国民に新しい星を提供することを約束して、亜空間要塞にてS1星を離れる。
 マリンは父といっしょに脱出を試みるが、最期と悟ったレーガン博士はパルサバーンの格納庫のそばで、マリンを突き飛ばすと、出入り口を封鎖し、マリンに後を託す。マリンは父の遺言に従ってガットラーを追いかけるが、重力波に飲まれてしまう。

感想

・アフロディアの声
 TV版のレビューをやってきて、ここで映画版を見るとアフロディアの声に違和感が。特に軍服姿の時が。今回は挿入歌もあるので、経験のある戸田恵子さんが選ばれたと思っていますが、軍服姿でマリンと対峙する時の声は神保なおみさんのイメージが固まっているためで、やはり違和感が。

・ガットラーの声
 映画版のガットラーは柴田秀勝さんですね。TV版の青野武さんと一概に比較はできませんが、何となく凄みがあるように感じます。総統としての貫禄は柴田さんかな。でも、アフロディアに言い寄るところは青野さんか。

・レーガン博士は青い海、空を見たことがある?
 最期を遂げる前にマリンに対して言ったセリフから、レーガン博士は昔、S1星にて青い海や空を見たことがあるように解釈もできます。逆にいえば、このセリフがあるからこそ、地球=S1星ではないという観点でしばらく見ることになるわけでもありますが。

・ミランの死
 ミランも一応、立派な軍人です。軍人であるから、戦闘時には死はつきもの。まあ、今回の研究所襲撃で死ぬとは思ってなかったでしょうが。アフロディアも弟が軍人である以上、いつでも覚悟はできていないと(その後、最高司令官の職務をこなしていたから、ある程度の覚悟はできていたかな?)。

・皇帝暗殺
 これが、燈台で寂しげに海を見ていた女性なのか。何のためらいもなく、時の皇帝を暗殺するとは。ガットラーに忠実とはいえ、平気でやってのけるとは、まさに二面性を持った女性です。

・TVよりは信頼されていた(?)科学者達
 TV版では、皇帝からも最後通告を受けるほどだったレーガン博士達科学者だったが、映画版では皇帝の死の直前に語った言葉によれば、相当信頼が厚かったと思える。実際にレーガン博士も1年半でS1星をきれいにできるぐらいまでにシステムを完成させていたみたいだし。これからすると、ガットラーは早まったまねをしたような気が。




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