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◆長男二男と甥っ子を連れて、奈良県外教なら国際こどもフォーラム2009夏に参加。日本人の子どもも少しいたが、様々な国や地域にルーツを持つ子どもたちが約60人、保護者や教員等を入れると140人以上が、多文化ゲームや民族楽器、多国籍手作り料理などを楽しんだ。子どもももちろんだが、親同士のつながりもできたのではないだろうか。次回は11月22日のサンウリムだ。(1597、09/6/28)[→6月目次]
【移住連全国ワークショップin福井】vol.536《日々雑感より》
◆自治労奈良県本部・奈良県地方自治研究センターが主催する第11回「時代(とき)の広場」に参加する。テーマは「いよいよスタート裁判員制度〜冤罪事件から考える、司法への市民参加とは何か〜」。狭山事件の冤罪被害者である石川一雄さんが妻の早智子さんとともに来てくださり、午前中の講演、午後のパネラーをされる。歳を聞かれたら、「狭山と同い歳です」と答えるkurochanだが、「狭山」とは狭山事件のことだ。1963年5月、埼玉県狭山市で起きた女子高生誘拐殺人事件で、警察は身の代金を受け取りにきた犯人を取り逃がすという失態を演じる。5名の自殺者が出て、その中に真犯人がいたと思われるが、4月にも同様の警察の失態があったばかりで、翌年の東京オリンピックを控え日本の公安への信頼を取り繕うため、国家公安委員長が「何としてでも生きた犯人を見つけ出す」と国会答弁。近隣の被差別部落への差別見込み捜査が強行され、アリバイがないなどの理由で4人の青年が取り調べを受けることになる。石川一雄さんはその一人で、巧妙な罠にはめられた石川さんは自白を強要され、起訴されるのだ。一昨日釈放され、時の人となっている足利事件の菅家さんもそうだが、裁判では真実を認めてもらえるという期待は裏切られることとなる。菅家さんは44歳から17年半もの人生を獄中に奪われたが、石川さんは24歳から31年もの人生を奪われ、しかも仮釈放であるため、不当な制約「見えない鎖」を科せられたままだ。狭山事件・狭山差別裁判の不当性や石川さんの生き方などから、学び論ずべき点は多々ある。マスコミの差別報道もそうだし、それに絡め取られた世論もそうだ。文字を奪い返し、感謝の気持ちと反差別への強い意志をもって闘い続ける姿勢もそうだ。鎌田慧著『狭山事件』をはじめ、関連書籍も無数に出ているので参考にされたい。◆午後のパネルディスカッションでは、あの吉田智哉さんがコーディネーターを務められたが、始まる前に、「ときどきあなたのブログを見ているけど、忙しすぎませんか」とねぎらっていただいた。もう本当に恐縮である。パネルディスカッションの最後には平場から発言も続いたが、吉田さんの指名もいくつかあり、kurochanも最後に指名していただいた。また、石川さんとお連れあいの早智子さんは、集会終了後すぐに廊下に出て、参加者にかたい握手をされていたが、kurochanも握手していただく。仮釈放後に現地調査にも行ったことがあるkurochanだが、生の石川さんに会うのは初めてで、感激の言葉を交わすことができた。高校入学後、「石川青年を返せ」という看板の意味を知ろうと、学校の図書館でマンガ『差別が奪った青春』を読み、これは大変な事件だと、佐木隆三著『ドキュメント狭山事件』を買い求めて読んだのを今も覚えている。◆裁判員制度について、冤罪事件に取り組む弁護士の方からも多くを学ぶことができた集会だったが、集会資料で初めて知ったことがある。狭山事件があった63年に、米国統治下の沖縄で陪審制度が始まり、沖縄の人も陪審員に選ばれているのだ。「さすがアメリカ」とは言いたくないし、米国の巧妙な沖縄政策かもしれないのだが、そこには国籍条項はなかったのである。翻って、今年始まった裁判員制度は外国人も多くの障害者も排除している。むしろ、「何をするか分からない」という偏見やそれを煽るマスコミ報道が、かれらを犯人視させている現実がある。制度そのものの問題とあわせ、意識(向き合い方)もまた問われるということを念頭に、裁判員制度についても、外国人差別についても、ケータイネットの問題についても、考え実践していこうと決意させてくれた集会だった。(1577、09/6/6)[→6月目次]