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時の話題2009-3
LAST UPDATE 2010-03-11
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◇印は《日々雑感新掲示板》より転載
ネット表現の問題と、大人の責任(09/3/27〜6/4) ◇北朝鮮ミサイル発射騒ぎ(09/3/27〜4/4) ◇在日外国人生徒交流会の意義(09/3/20) ◇教育行政のセーフティーネット(09/3/19〜23) ◇学校サポーター(09/3/17) ◇笹川総務会長暴言(09/3/16) ◇ファーストフードネイション(09/3/9) ◇企業の社会的責任(09/3/5〜09/3/8) 


【ネット表現の問題と、大人の責任】vol.524《日々雑感より》
◆奈良県教委も高校でのケータイ使用禁止を打ち出すようだ。何度も指摘してきたが、単なる禁止ではなく、使い方の指導をきちんとしてもらいたい。(1515、09/3/27)
◆間違いなく氷山の一角だろうが、利府高校の野球部員にせよ、朝日新聞の校閲部員にせよ、ネット上の差別表現が敵意の衝動からいとも簡単に書き込まれ、人々の目に触れるかの例である。特に後者は、表現上の問題点を正す仕事をしているプロによる部落差別・精神障害者差別として、許し難い事件だ。ネット上の人権文化創造に、今後も取り組んでいこうと決意している。(1520、09/4/1)
◆近頃よく思うのだが、「表現学習」がまだまだおろそかにされているように思う。「聞く・読む」という学習も大切だが、自己を適切に表現するスキルを、現在の情報環境のもとで育む必要がある。もちろん、コミュニケーション能力の未熟さ、つまり「表現下手」であっても構わない。むしろ、そうしたコミュニケーション能力の未熟さを排除の対象とするコミュニケーション環境こそが問題だと思っている。問題は、表現したいのに、聞いてもらえない子どもたちが多いのではないかということ。家庭においても、学校においても、職場においても、誰も真剣に話を聞いてくれないとしたら、ネットの向こうに期待を寄せるしかないではないか。聞いてもらえない悔しさや寂しさに傷ついた子どもに「人の話を聞きなさい」といったところで、素直に心を開いて聞こうとするはずがないではないか。まずは、「大人が子どもの話を聞く」ことから始めなければならないと思っている。(09/6/4加筆)[→3月目次]


【北朝鮮ミサイル発射騒ぎ】vol.523《日々雑感より》
◆北朝鮮のミサイル発射に過剰な用語が飛び交っているように感じるが、つい先日の米軍艦の青森寄港に核の脅威が何ら叫ばれなかったこととのアンバランスが不自然だ。拉致問題の煽りで朝鮮学校生が減少しているが、今回も含めて北朝鮮がらみの政府の姿勢は、国内の関連機関の抑圧が企図されている気がするのだが。(1515、09/3/27)
◆北朝鮮のテポドン2号発射問題は本当に迷惑な話だ。独裁体制の克服を国際的な対話の場で粘り強く交渉していくしかない。日本もまた、交渉に就けるだけの戦争責任・戦後責任を示さねばならない。しかし、まず今回の騒ぎにかこつけた軍備増強や在日コリアンへの暴言暴行が心配だ。拉致問題報道以降、朝鮮学校の生徒が減り、奈良県に唯一あった朝鮮初中級学校も昨春、閉鎖に追い込まれた。何を問題とし、誰と連帯すべきかを見極めるには、隠された偏見をあぶり出し、克服することが必須だろう。(1523、09/4/4)[→3月目次]


【在日外国人生徒交流会の意義】vol.522《日々雑感より》
県外教在日外国人生徒交流会があり、22名の外国人生徒と14名の教員が参加。みんなで鍋をつくり、ビデオを観たりして、今回はじっくりと意見交流。渡日間もないころに、日本人生徒に心無い言葉を浴びせられた悔しさや、その時どうすればよかったか、今後どうしていけばいいか、子どもたちは本当に真剣に話し合う。こうした場やつながりがどれほどのエンパワメントになるか、県外教が大切にしていくべきことは何か再確認した1日だった。◆「外国人生徒が集まるのは反対です」という、ある教員の言葉がいまだに脳裏に焼き付いている。「どうせ日本の悪口を言っているんだろう」という次元で反発しているのだろうが、当然反発や悔しさを吐露もするだろう。しかし、外国人差別が厳然とあり、言葉で言い返せないもどかしさを、こうした場で出し、同じ立場の生徒たちがそれに共感しつつも、その先にどんな共生を展望できるかを共に考える場が交流会だ。その意義をアピールしていくのも県外教の役割だ。分かってくれない人に分かってもらうというのは、そうたやすくはない。しかしそれに取り組むのが県外教の仕事。外国人のみならずすべての人の豊さ、多様性を認め合う居心地の良さを、築き上げよう。(1509、09/3/20)[→3月目次]

【教育行政のセーフティーネット】vol.521《日々雑感より》
◆勤務校でも終業式と合格者説明会があり、昼下がりは、物品購入でごった返した。高校は公立でも授業料や教科書代が必要で、その他の諸会費や必要経費に通学定期を加えると、相当な額になる。家計が急変した家庭も少なくないこの春は、本当に厳しい背景が察せられる。子どもたちが安心して学べる環境を用意する責任は、家庭にのみ課せられるわけではない。教育行政は、福祉国家は、子どもたちの最善の教育環境をこそ、十分な予算措置をもって保障すべきと考える。(1508、09/3/19)
◆無保険の子どもたちの生存権保障がしばらく前に盛んに取り上げられたが、その背景には「病院に行かせる金がない。日銭を稼いで暮らしているので仕事を休んで病院に連れて行く余裕がない」という実態があり、その結果、保健室が病院代わりとなり、学校から通院しても、治療費は学校が立て替えざるをえないという、この国の厳しい経済状態があることをご存じだろうか。子どもの責任ではないし、その家庭だけの責任でもない、構造的な社会問題だ。子どもの健康と人権が搾取されていると言っても言い過ぎではないだろう。給食費未払い然り、授業料未払い然り。ずるい奴は確かに一部いるだろうが、そこだけに焦点を当てることは、問題の深刻さを矮小化し、責任の所在を当事者に押しつける、悪質なすり替えに他ならない。生活保護もまた同様だ。「自己責任」というまやかしが、社会的責任を無自覚にさせ、連帯を阻害し、やがては自らをも縛りつけるということに、はっきりと気づかなければならない。(09/3/23筆)[→3月目次]


【学校サポーター】vol.520《日々雑感より》
◆奈良県教委が新年度から「学校サポーター」を導入するという。小中高校に35人、県教委事務局に1人を雇用創出ということで募集するようだ。暴力行為やいじめ対策として、校内巡視や悩み相談にあたり、県教委学校教育課生徒指導係では、悪質なネット書き込みの監視の手伝いをするらしい。わずかな新聞記事からしか判断できないが、いろいろひっかかる。児童生徒の問題行動には様々な背景があり、プライベートな事情も多く含まれる。そうした個人情報を現場の教員と共有するには様々な課題がある。県教委も当然そのあたりを十分検討しているだろうが、期待と不安が入り混じる。ネット監視についても、石川県教委の監視路線への批判をどうとらえているのか、大変気がかりだ。くれぐれも外部の力を頼った管理強化という方向に進まないようにしてもらいたい。悪意の書き込みは、命をも奪いかねない罪でもあり、一定厳しい指導も必要なのだが、教育的対応としては、書き込んだ子どもの屈折した悲鳴や人権尊重意識の不十分さをどう受け止めるかが大切になってくるし、実際的にもそうでないと解決には向かわない。当然、採用後のサポーターにも研修が課せられるだろうが、26日に行われる選考の際の面接では、人権尊重の意識を重点的に判断していただきたい。(1507、09/3/17)[→3月目次]

【笹川総務会長暴言】vol.519《日々雑感より》
◆笹川総務会長がまたまた暴言を吐く。先の「えひめ丸で内閣沈没」も本質をはぐらかした上に関係者を大きく傷つける問題発言だったが、あの謝罪は、政治家によくありがちの「誤解を招いた」という程度の、表面的で決して本当には反省していない仕方なしの言い繕いでしかなかったようだ。今回は、「うつ病で休む教員が多いが、国会議員には一人もいない。気が弱かったら務まらない」、雇い止めや解雇についても「雇用は必要だ。ブラブラ遊んでいたら必ず犯罪は伸びる」と発言。うつ病に対する誤解と、職場のメンタルヘルスについての無理解、雇用問題の責任転化(嫁)と、失業者への偏見があまりに露骨だ。厳重に抗議する。教員の資質についても偏った位置付けがうかがえる。それに自死した政治家の苦悩などまったく意識できないようだし、政治家自身をも縛る言葉でもあり、それは一般庶民に跳ね返ってくるのだ。こんな政治家は税金で雇用すべきでない。(1506、09/3/16)[→3月目次]

【ファーストフードネイション】vol.518《日々雑感より》
◆インクレイター監督の映画を二晩続けてレンタルで観る。妻が選んできたのは、「スクールオブロック」と「ファーストフードネイション」。どちらも面白く、告発的だったのだが、よく撮れたなと感心したのは後者。賛否両論があるのもよくわかる。食品衛生面でも労務管理面でも「よく言った」という賛辞から、業界防衛の中傷まで、議論沸騰だっただろう。kurochanは顧客管理も屠場労働も説明不足を感じたし、環境問題への提起もお飾り過ぎたと思うのだが、逆に捉えれば、もっと議論しようという仕掛けだったのかもしれないとも思う。それ以上に、このような、社会について考えさせる映画が広く提起されることが期待される。(1500、09/3/9)[→3月目次]

【企業の社会的責任】vol.517《日々雑感より》
◆西松建設に関しては、小沢との関係解明もいいが、中国人強制連行訴訟後の不誠実をこそマスコミは大きく取り上げてほしい。(1497、09/3/5)
◆政治家への企業献金は利益誘導と選挙対策の取引に他ならないというのが大方の構図だが、社会貢献としての献金ならぬ基金づくりをもっと構築できないか。例えばトヨタが内部留保のわずか1%を拠出するだけで約1300億円。年収200万円をリストラされた解雇なら65000人に相当する。100万なら13万人になる。派遣法と政財界の関係を、本気で清算すべきときではないのか。多文化共生フォーラム奈良のサイトも参照されたい。(1499、09/3/8)[→3月目次]



























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