Home<
時の話題2004-4
LAST UPDATE 2004-05-02
総目次 タイトル索引 テーマ別索引 先月
今月の目次
◇印は《日々雑感》より転載
イラクでの日本人人質事件(04/4/10〜26) ◇靖国参拝違憲訴訟福岡地裁判決(04/4/7) ◇強制連行訴訟新潟地裁判決(04/4/4〜7)


【イラクでの日本人人質事件】vol.192《日々雑感新掲示板レスより》
◆イラクで日本人3人が誘拐され、自衛隊撤退を要求するビデオテープが送りつけられ、日本政府の対応が注目されている。小泉首相は今日、被害者の家族との面会を拒否した。ひたすら米国にこび従い、財界の要望にしか応えない日本政府が、国民保護ではなく「国体護持」の自衛隊(元統合幕僚会議議長の栗栖裕臣著「日本国防軍を創設せよ」に明記)を指揮しているんだから、たまったものじゃない。誘拐された高遠菜穂子さんのサイト掲示板も閉鎖に追い込まれたとか。「危険を承知でよけいなところへ出かけるな」との批判もあるわけですが、それはそのまま米軍や自衛隊に向けるべき言葉です。むしろ「危険を植え付けに行っている」んですから、被害者3人とは正反対に罪な侵略軍です。イラク人が連日殺されている事はろくに報道されず、流血米兵などの都合良い(?)シーンばかりが繰り返し流されることにも、意図的なものが感じられます。(ようちゃんへのレスに加筆)(494、04/4/10)
◆イラクで人質にされていた日本人3名が解放された。ともかくやれやれだ。3人がどんな人間であるかが武装グループに通じたに違いないと信じたい。心身ともに疲れも激しいとは思うが、できれば真相を語って伝えてほしいものだ。引き続き、ご家族の皆様は様々な喧噪に包まれるだろうとは思いますが、まずはおめでとうございます。(497、04/4/15)
◆自作自演などという見方もあるようですが、それはブッシュにこそ向けるべき言葉でしょうね。三人がまもなく解放されるという見通しですが、何があったのか、本当のところを知りたいですね。三人には的確に表現する力があると思いますし、伝える責務もまたあると思いますから、何が起こったか、何が起こらなかったか、三人の報告・告発を待ちたいと思います。(なずなさんへの掲示板レス、04/4/11)
◆黄色いハンカチや靴下なんかの「無事帰還祈願」運動もまた所詮自衛隊のプロパガンダ。役場に協力させたり「人道復興支援」と言ってのけたりうさんくさいこと甚だしい。そのまんま「いつかきた道」じゃないか!って思います。このところの国家主義的な教育現場への介入も、戦争ができる国作りにみえて仕方ないしね。今回の被害者とその家族批判も「非国民」という排他的思想統制の助走にも見えなくない。(なずなさんへの掲示板レス、04/4/16)
◆なぜ解放されたのか、何があったのかまだよく分かりませんが、3人の命が救われたことに僕も感謝です。気掛かりは今後彼らやその家族をとりまくマスコミの在り方ですが、その前に引っ掛かっていることがあります。僕が見落としているのかもしれませんが、あの3人が誘拐された時、彼らを乗せていた車を運転していたイラク人ドライバーもまた行方不明になっていることです。そのイラク人の安否はどうなのか?アメリカは自国民のことしか考えないとよく批判されますが、同じことがここでも言えるんじゃないかと思っています。(ようちゃんへの掲示板レス、04/4/16)
◆今日は陸上競技協会の審判講習会。オリンピックイヤーはあまり改正がないのだが、それでも様々な項目が並ぶ。某来賓がイラクの人質事件を引き合いに出して「スポーツマンはあんなふうにルールを破るようなことはしない」と挨拶したのには怒りを覚えた。さすが教科書改悪に熱心な議員である。そもそもルール破りの侵略軍に憲法破りの協力をしたのは誰だったのかな?(498、04/4/18)
◆月収の100倍もの報酬を払うなんて話が現実的だとは思えませんが、それほどの怒りが渦巻いているのは容易に想像できますね。逆に米英側も情報提供に報奨金をちらつかせているでしょうから、罠も裏切りもあるでしょうし、人心は疑心暗鬼に包まれているのかもしれませんね。戦は世を滅ぼすものだと改めて思います。当のドライバーの安否が気掛かりですが、「山に煙を見れば炭焼き人の苦労を思え」の視点を大切に、見えない人の願いや苦しみをも想像することを心がけたいと思います。(ようちゃんへの掲示板レス、04/4/19)
◆日本人の人質については5人とも解放されて、正直やれやれなんですが、「自己責任論」を叫ぶ人もいて、そこに典型的な「非国民懲罰」のファシズム意識台頭を感じる僕です。たかがしれている外国人犯罪を大げさに騒ぎ立て、強権的な回れ右!への静かな疑問にも神経を尖らせる、昨今目に余る異質排除の社会的風潮に、民主主義の危機を感じる人も多いはず。報道という権力がジャーナリズムをかなぐり捨てて大本営発表と堕するとき、いつかきた悪夢が再現してしまうと本当に心配になります。(RAさんへの掲示板レス、04/4/22)
◆高遠さんらに198万円もの航空運賃を払わすという。あんまりではないか。日本政府は事の異常さに気付くべきだ。国際的な物笑いの種にもなろう。タカ派の思うがままの政治状況を覆せない選挙民もまた異常だと言いたくなるではないか。(500、904/4/26)[→4月目次]


【靖国参拝違憲訴訟福岡地裁判決】vol.191《日々雑感より》
◆小泉首相の靖国神社参拝は憲法違反だとする判決が福岡地裁であった。明らかな公的行為で政教分離原則違反というわけだ。損害賠償請求は棄却されたが、画期的な判決だといえよう。首相が憲法違反を侵して何ら反省していないのだから、同時に憲法尊重擁護義務違反でもあることは明らかだ。しかし改憲勢力の反発が心配である。憲法をないがしろにしてきたことの方こそを改めるべきなのに、主権在民が徹底されていない面があるものの世界的にもきわめて理想的な日本国憲法を力の論理で解体しようとする者たちにとっては、「そんな憲法こそ間違っている!」という大合唱の契機にするに違いないからだ。「司法の独立」など望むべくもないと思われていた日本の司法にも、反動勢力のあまりの暴走ぶりに保身に甘んじてばかりいられないという決意が拡がっているのだと期待したい。こうしたさまざまな動きをジャーナリスティックに報道すべきマスコミがあまりに無批判に過ぎることが、民主的な民意の維持醸成を妨げていると思えてならない。(492、04/4/7)[→4月目次]

【強制連行訴訟新潟地裁判決】vol.190《日々雑感より》
◆3月36日、新潟地裁が中国人強制連行訴訟で画期的な判決を出した。これまでの戦後補償訴訟では、すでに解決済みであるとか、時効により請求権が消滅したなどという判決が多く、また門前払いも多った。一部、民間企業の責任を認める判決もあったのだが、国の法的責任を認めるのは今回が初めてである。強制連行し強制労働させた労務者の安全管理義務違反というわけだ。また、敗戦後、強制連行や強制労働の証拠を隠滅するために、膨大な関係書類が焼却されているが、奈良でも、奈良公園の飛火野で数日かけて燃やしたと内務省の役人だった奥野誠亮が証言している。彼は後に法務大臣も務めるが、歴史を歪曲する数々の発言で、歴史の真実をも焼却しようとしてきた人物である。今回の判決は、政府が敗戦後に関係書類を証拠隠滅の焼却処分にしたことをも、不誠実であるとして、これまで政府の責任逃れに利用されてきた国家無答責の論理を適用しなかった。国や被告企業は控訴するようだが、高裁は一審判決を維持してほしいものだ。(491、04/4/4、04/4/7若干語句修正)[→4月目次]


























<アンカージャンプ用の画面余白です>