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クイズ【170】
京都議定書
LAST UPDATE 2005-03-03

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【170】出題日 2005年 2月23日(水)
 2005年2月16日午後2時(日本時間)、京都議定書がついに発効しました。地球温暖化防止のため二酸化炭素やメタンなど6種類の温室効果ガスを排出規制しよう、という内容ですね。さて、排出量取引に関する「京都メカニズム」が本格的に動き出すわけですが、その中で、先進国間で排出量を売買することをさすのはどれでしょうか。
 あ CDM  い ET
 う DVM  え JI
応募締切 2005/3/2(水)午前6時 難易度・・・・★★★★

正解者・・・・フーセンの羊さん、Kubocchannさん、neko.さん
じゃいママ▽・。・▽さん、ケムンパスさん→4ptゲット
(得点表)

解説と解答
数値目標
−8% EU各国等ヨーロッパ諸国
−7% 米国
−6% 日本、カナダ、ハンガリー、ポーランド
−5% クロアティア
0% ニュージーランド、ロシア、ウクライナ
+1% ノルウェー
+8% オーストラリア
+10% アイスランド

 地球温暖化は、深刻な地球規模の環境問題であり、それを防止するための国際的な取組みがすすめられてきましたね。

 1992年5月に「気候変動枠組み条約」が採択され、94年3月に発効しましたが、「温室効果ガスを、2000年までに1990年レベルに戻す」という努力目標にすぎず、それ以後の取り決めもなく、実効性の薄いものでした。

 そこで95年4月に、ベルリンで開催された第1回締約国会議で、2000年以降の数値目標を法的文書として採択することが決められ、さらにその法的拘束力が第2回締約国会議で合意されて、1997年12月の第3回締約国会議、つまり温暖化防止京都会議に至るわけです。


 京都会議では、各国・各地域の「事情」が交錯しますが、結局「先進国は全体として、2008〜12年までに温室効果ガスの総排出量を、1990年に比べ5.2%削減する」という京都議定書が採択され、上表のように各国の削減数値目標も具体的に設定されたわけです。そして、
55ヵ国以上が批准し、批准した先進国の1990年段階での二酸化炭素排出量合計が先進国総排出量の55%以上」という条件と、「この条件が満たされて90日後に発効」するということが定められたのです。

京都メカニズム
排出量(権)取引(ET) 先進国間で排出量を売買
クリーン開発メカニズム(CDM) 途上国と共同で行った事業の削減分を先進国に繰入
共同実施(JI) 先進国と共同で行った事業の削減分を投資した先進国に繰入
 また、「京都メカニズム」と呼ばれる国際協力システムも策定されました。これについては左表をみてください。正解は「い ET」です。

 ここでいう「途上国」とは締約168ヵ国のうち約130ヵ国をしめる国々ですが、第1回締約国会議で、「地球温暖化の責任の大半は先進国にあり、温暖化対策に必要な資金も技術も不足している途上国には義務は課さない」と決められていて、まずは先進国が大幅削減に取り組み、途上国へは資金・技術支援をしていくという共通認識があるわけです。

 ところが、1990年段階においても世界最大の排出国であったアメリカ(36.1%)が2001年に離脱したため、批准国排出量合計55%という条件を満たすためには、未批准の先進国ロシア(1990年17.4%)が批准するしかなくなっていたのです。1990年先進国排出量(137億トン)に占めるこの2国の割合は53.5%であり、他の先進国がすべて批准しても46.5%にしかならないからです。

 そのロシアが2004年12月に批准したので、ついに京都議定書が発効されるに至ったわけですね。ロシアには、目標実現に余裕があり、ETでの売却やJIでの投資呼び込みというねらいがあると言われていますが、ともかくこの議定書がスタートしたわけです。

 ただし、問題点も多々あります。世界最大排出国アメリカが加わっていないこと、排出量世界第2位の中国や第5位のインドに削減義務がないこと、50〜80%の削減でなければ温暖化防止の効果がないという科学的分析にはほど遠いことなど、地球温暖化防止のためには、まだまだ大きな課題があります。2013年以降にはさらに進んだ国際的な取組が求められていると言えますね。

 ※参考・・・・【130】地球温暖化