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【130】出題日時 2004年 5月14日(金)13時30分 この100年で、地球の気温は1度近く上昇したと言われます。そして今後100年で6度前後の上昇を予想する学者もいます。いわゆる地球温暖化現象ですが、両極の氷が溶けることで海面が上昇し、世界規模での気候大変動が起こるなど、生活環境としての地球は大変な状況になるだろうと考えられています。では、その主原因とされているのは何でしょうか? A 太陽の黒点の変化 B 二酸化炭素の増加 C 窒素の増加 D 酸素の減少 |
ただいま、地球温暖化の未来を描いた映画が話題になっていますが、現実にはその防止に関して、京都議定書をロシアが批准するかどうかが焦点になっています。しかし、原因物質の排出大国アメリカが、署名撤回をしていますので、京都議定書が発効してもなお、アメリカの批准が求められるのは変わりません。
さて、その原因物質は、一般に「温室効果ガス」といわれます。その主たる物資は空気中に普通に存在する二酸化炭素です。この二酸化炭素は熱(正確には地球が放射する赤外線)を吸収する性質があり、そのおかげで地球は快適な温度に保たれてきました。もし地球に大気がなければ、地表は−18゚Cになるだろうと計算されています。しかし、二酸化炭素などの温室効果ガスがあるため、地表の平均気温は15゚Cに保たれているわけです。ところが、自動車の排気や産業活動により、大気中の二酸化炭素濃度が増加傾向にあり、そのため熱を吸収しすぎて、宇宙空間への放熱が妨げられてしまうわけです。
100年後には海面は1メートル近く上昇すると予想されていますが、世界の大都市の大半は海岸沿いにあり、その多くが水没したり、水害が頻発することになります。モルディブやツバルやキリバスなどの小さな島国は水没してしまい、国土がなくなる恐れもあります。砂漠化が一層すすむ一方、降水量の増加が各地に水害をもたらすことも心配されます。地球規模の気候変動で、植生が大きく変わり、農業などにも大きな影響がでますし、熱帯の風土病が拡散することも予想されます。
かつては、北極海を大養殖場にしようなどという気楽な考え方もされていましたが、北極・南極の氷山や氷河が氷解して海面の上昇がもたらされてしまうのですから、気楽に構えているわけにはいきません。相次ぐ氷山の崩壊を伝える昨冬の新聞報道でも、「今回の崩壊規模は面積にして大分県ぐらい」などという記事もありました。想像もつかない巨大な氷河が崩れ始めているのです。
「不況の折、産業活動を抑制させたくない」「温室効果ガスを大量に出してきた先進工業国の尻ぬぐいをさせられてはたまらい」「排出量が増加傾向にある発展途上国こそ協力すべきだ」などなど、国際的な意見対立があり、総論賛成各論反対の典型的な例といえるのですが、私たちもまた自動車の利用を控えるべきなのになかなか実行できなかったりします。このままでは、ある程度強力な規制を受け入れざるをえなくなるかもしれませんね。映画を観られる方は、その辺も一緒に考えていただければと思います。
ということで、正解は「B」です。
※参考・・・・【170】京都議定書