エジプトのピラミッドは王の墓ですが、古代エジプトでは、魂(カー)の復活に備えて肉体をミイラにして保存したというのは有名なお話ですね。
復活するためには、死後の世界の入口でオシリス神の面接と身体測定にパスしなければなりません。その面接のための、いわばカンニングペーパーが「死者の書」です。そして、そこでも使われていたのが神聖文字(ヒエログリフ)です。エジプト土産にも、パピルスに神聖文字が記されたものがあったりしますね。
さて、それを解読したのがシャンポリオンであり、ロゼッタストーンの碑文コピーを手に入れた彼は、本物があるイギリスに先んじようと解読に取り組んだというお話もまた有名です。
ナポレオンはエジプト遠征で、対イギリスの軍事戦略だけではなく、文化的な功績もあげて名声をあげようと、多くの学者を同行させましたが、アレクサンドリア市近くのロゼッタ村で城塞を修築している時に、兵士が黒い玄武岩でできた縦横約1メートルもあるロゼッタストーンを掘り出したのです。三種類の文字が刻み込まれ、上から神聖文字・民用文字(デモティック)・古代ギリシア文字が記されており、古代ギリシア語に通じていたシャンポリオンは、3種類の文字で同じ内容が記されていると考え、解読に成功したのですね。
さて、そのロゼッタストーンはエジプトで保管されていましたが、フランス艦隊がイギリス艦隊に壊滅させられたことからナポレオンが急きょイギリスに戻ってしまい、エジプトに残ったフランス軍はイギリスと講和を結ばざるをえなくなり、エジプトはオスマントルコ帝国に返還されます。実は、この撤退に立ち会ったイギリスが、ロゼッタストーンを持ち帰ってしまったんですね。しかし、フランスはイギリス側にロゼッタストーンを渡す前に、碑文のコピーを取っておいたんです。シャンポリオンは、このコピーを頼りに解読に燃えるんです。ということで、正解は「B」です。
最近、戦時利得文化財の返還が世界各地で叫ばれていますが、ロゼッタストーンもエジプトに返還されるべきですね。それにしても、入場無料の大英博物館の前まで行きながら、入ることが出来なかったのが悔しいkurochanでありました。(ヨーロッパ旅行記 第7章ロンドン参照)