アメリカ漂流記〜4〜(Kubocchann)
LAST UPDATE 2001-06-22 11:35

投稿日:2001年1月18日(木)

 1999年 5月 2日(日)

 9時出発のオプショナルツアー。3名という話を聞いていたが,ガイドが迎えに来るなり,私に「すいませんが,前に乗ってください。」と言う。言うとおり前に座ると,何と後に一家族4名乗っているではないか。『Mめ,またしても。』まっ,少し涼しいが天気もいいことだし,頑張って行こかいな。

 ところが,車が走りは始めてしばらくすると,後のおっさんがドクター中松のような声でしゃべり始め,1時間のドライブ中ほとんどの時間一人でしゃべっていた。プリマスに着いて,まずは農場見学。UK(英国)を逃れたピューリタン教徒が,最初に上陸した土地らしく,その当時の農場を復元した観光名所になっている。入口で説明を受けたあと中へ入ると,轆轤で器を作っている女性が目に付き,ガイドが他の説明をしている間そちらを見ていると,あのおっさんの長女らしいお姉ちゃんがやってきて,ペラペラの英語で質問を始めるとおっさんまで首を突っ込み,10分近くやりとりを聞くことになってしまった。母親と妹は呆れ返っていた。その後,農場を8割方見終わったところでガイドが,「あっー,今日はやってるよー。」と言って,うずくまったので前方へ目をやると『夜中に交通事故死したらしい』鹿が皮を剥がれて逆さ吊りにされているではないか,なんとも思わずそばによって仕事人に,Deer? 尋ねると,そうだと答えた。その横で鳥と何かの肉を串に刺して焼いているので,鳥の方を指して「Goose?」「No,it's duck.That's deer's heart.」『アヒルと鹿から取り出した心臓らしい』そんなやりとりをしていると,あのおっさんがそばにやってきて鹿の心臓の説明を始めた。

 その後,私が「Goose?No,it's duck.って言いましたよ。」と言うと,「gooseには,肛門に指を突っ込むという意味もあるんだよ。英語っておもしろいね。」それから,しばらく歩いているうちに,このおっさんがとんでもない人物らしいことが分かってきた。今回の旅行はハーバード大学の同窓会のようなものに参加するために来たらしく,そのついでにここへ寄ったとか… 阪大卒業後ハーバード大へ10年間招かれ,その後帰国して現在は大阪府内で外科医を開業しているらしい。『お嬢様の英語ペラペラも納得ですネ』

 ガイドの指示により早めに昼食を摂ることにして,サンドイッチで軽く済ませる。食後,売店をうろついていると,おっさんがまた寄ってきて,「実はあの人(もう一夫婦の旦那)と話をしてたらね,同じ年齢でやはり阪大を出て,大阪で外科医を開業してるらしくて私の知ってる医者仲間の名前をほとんど知っているんだよ。驚いたねー。奇遇も奇遇だよ。」と話してくれたが,「ああ,そうですか。」とくらいしか,返事のしようがない。

 農場を後にして,海岸へと行き,彼らが乗ってきたというメイフラワーU世号の見学。久々に潮のにおいをかいで,なんとなく心が安らいだ。見学後は,1時間のドライブでボストンの街へと戻る。ホテルまで送ってくれる予定だがなぜか街中が込んでいる。夫婦の方は飛行機で移動するらしく,ガイドがすまなさそうに私に「もし,ここからホテルまで分かれば歩いていただきたいのですが?」と言うので,「ああ,いいですよ。」で,皆さんにお別れを言って,ホテルへ戻った。

 しばらくして,街へ歩いて出てみることにした。ダウンタウンの近くのようで地図で見て感じるほど距離がなく,すぐに繁華街へ出る。デパートのブランド品店の並んでいるところを[Tiffany]を探すが見つからないので店員に聞くと,そこだった。だが,必要なものがないのでしかたなく,さようなら。再び,街を歩いて,アイスクリームをいただき,夕食の調達にと食品街へ入るがあまり気に入るものがない。でも,あちこち片づけ始めている。ふと,時計を見ると17時近くなっている。『そういえば,今日は日曜日だワイ。』仕方なく,またもサンドイッチを調達してホテルへ戻る。

 なんとなく,ここ2日間平和である。そういえば,[Account]はどうなっているかなと見れば,今日も朝食料金がついている。よし,チェックアウトの  時は勝負だ。

写真は順に、【メイフラワーU世号】【ボストン(以下同じ)】(写真撮影:Kubocchann)

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