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コミティア61 レポート

02/9/1(日)
 東京流通センター 第2展示場1Fにて開催

最終更新 02/9/2






えっと、





唐突ですが......











ご結婚おめでとうございます。

お二人のご多幸を心からお祈りいたします。








ビックリしました?



神有屋もビックリでした(^ ^

でも、思い返せば兆候はあったのですね。

前回のコミティアで仲良く並んでおられた方がきっとそうだったのだろうなあ〜、とか。

観察力と洞察力の無さがわかるというものです。




さて、本題に入るとしましょう。


 残暑厳しい中で開催されたコミティア61。

 日陰での体感気温が32度という事実にくらくら〜(―_―
 そのうえ入場前から自販機に並ぶ行列を目撃してしまい、ちょっと腰が引けた神有屋でしたが、会場内の暑さはそれほど酷くありませんでした。

 とはいえ某サークル様の机に”冷却水”というジュースがででん!と置いてあったりして、同人の皆様の苦労のほどが偲ばれましたが。
 あと、和風コミックを手がけておられるサークル様のお弁当が、
”栗ごはんオニギリ”だったのが神有屋的にヒットでした(^^)

 

 今回は、日程として夏コミ直後ということから、夏コミから余勢をかって雪崩れ込んできたサークル様や、夏コミ落選の挽回にと気合いを入れたサークル様が多かったようです。
 「ティア初売り!」というPRカードを張り出したサークル様、ペーパーに「夏コミ抽選漏れ云々...」という言葉の踊っていたサークル様がいくつあった事やら....(^^;





 前置きが長くなり過ぎましたね。

神有屋的ベスト3の発表に移るとしましょう。


「」内が誌名、()内がサークル名と同人作家さんのお名前です。
また、
金賞該当作の作家様には勝手にイラストを進呈することにしています。
 (イラストのアップロードはVIPルーム内なので、見る見ないは先方様の自由という事で


今回の金賞


「言霊(ことだま)の森」

Smoky Mountain、草下ねずサマ)

B5版70ページ、表紙本文とも一色。02/4/7発行。

 少々きな臭くなってきた世界。凍てついた北の地を訪れた若者達の、冒険物語です。
 神有屋は、欧州の童話のようなタッチと描線に惹かれて購入しました。 


 未熟だけど憎めない若者たち。

 謎多き同行者。

 冷たく厳しい、北の風土。

 人を寄せ付けぬ迷いの森。

 久遠の時を生き続ける魔術師。

 邂逅、そして....



 「言霊の森」は冒険物であると同時に、詩的な作品でもあります。タイトルそのままに、台詞は時として表層以上の意味を含み込み、難解な箇所もあります。正直、神有屋もすべて理解したとは言いかねます。
 また設定よりイメージの描出を優先したためでしょうか、一部の名詞や表現に違和感を覚えたのも事実です。キャラ間の友情表現も多くないので、終盤の行動は少々唐突に感じました。


 でも神有屋は好きです。


 特にエピローグの最後の最後。

 若者がひとり焚き火を見つめ、友の剣をかき抱いて眠るその表情.......


 これで、金賞に決まりました。





銀賞はこちらです。


「ぱなぱな 3」

すたひろBOX、すたひろサマ)

B5版オフセット54ページ、表紙フルカラー本文モノクロ


 天使の輪っか○○! さらに○○○!

 ついに明かされるガラモン先生の謎!

 恐るべき夏ちゃんの実家!

 恩先生と幸太郎先生が○○○!

 「女帝〜レディース伝説〜」 同時上映(w)!

 そして毎度おなじみ、


操先生絶体絶命!!
(しかもスペシャル版!)


 と、今回もイベント盛りだくさんの「ぱなぱな」第三巻。

読み始めて2ページでランクイン確定です(^ ^

 とっても楽しませていただきました〜!




あ、そうだ。


山ちゃんのご冥福をお祈りいたします...(―_―;



銅賞はこちらです。


「春のてのひら」

郷民-サトミン-、朋田のえサマ)

A5版36P、表紙一色本文モノクロ

 原稿にキャラを彫り込むような線で描かれた、戦争の回想譚。少し硬めの絵柄が物語とよく調和して、回想シーンを浮ついたものにせず、全体を地に足のついたものにしています。


 かつて街を襲い、多くの人命を奪った空襲から数十年....

 今日は「空襲の日」。

 今年もまた、お祖母ちゃんは慰霊碑へお参りに行きます。

 その姿を見かける、お祖母ちゃんの孫娘。

 孫娘は、ずっと前にお祖母ちゃんから教えてもらった、「あの日」の不思議な出来事を思い出します....


 戦時下、空襲という設定の存在から、悲惨な光景もでてきます。

 けれど、登場人物の心の結びつき、その温かさと強さがしっかり伝わってくるので、読後感は重くなく、むしろほっとできるものでした。

 技術的な点では、空襲による爆音と喚声が、「出会い」の場面と同時にかき消えていく、という演出が、非常に効果的だったと思います。いつかマネしたる
 もう一つ。描くのが難しいお年寄を、作家様がきちんと描いておられたのも好印象でした。これはマンガ描きでないとわからない心理かもしれませんが...(^^;




・・・・・・・と、以上が今回のベスト3でした。


 神有屋から皆様にお願い。

 この評価は神有屋のインスピレーションと作品のインパクトに依拠しています。要は神有屋の好みかどうかという、とっても身勝手な基準に基づくものです。作品本来の価値とは全く無関係である事を、ここに明記しておきます。
 またインパクトに比重を置いている事により、初見の同人作家さんほど有利であり、いつも買っている作家さんは不利な判定になります。まぁ、こんな辺地で金だ銀だと言った所で、誰も気にしないですが(^^)

 ともかく「ベスト3じゃないから良くない」とだけはお考えにならないで下さい。

 創作者の一人として真剣で真面目にお願いします。



さて、次に今コミティアの注目作品に行きましょう。誌名の五十音順です。


・「1992」(サークルENKO、世多サマ)...A5版コピー誌、本文モノクロ。
 ご本人曰く”やっちまいました”との事で、タイトル通り10年前に描かれた作品のお蔵出しでした。
 以前の”カコボン”と合わせて読むと、なんだか作家様のルーツを辿っているような感じがしてきます。

 以下、ネタバレありの私的印象につき、反転処理します。

 今回の物語は、主人公のよくある一日をピックアップしたかのようなもの。

 ですが、「捨てたくても捨てられない物を捨てられるべく修行中」の青年にとって、この出会いは「よくある」出来事ではありません。
 むしろ「よくない」出来事と言えます。
 人が人である限り、切り捨てることの出来ないしがらみ。主人公はそれらから解き放たれたいと願っているのに、人だけが持ち得る"知的好奇心"を刺激するヒロインと出会ってしまったのですから。

 言葉をも捨てて、ひたむきに美と向き合おうとする主人公。

 ところが人は、言葉なくして考えることが出来ません。そして考える事をやめた人間は、社会的存在としての人間では有り得ません(生きているとは言えません)。

 言葉を、すなわち人であることを切り捨てても、主人公が得たいものとは何でしょう。
 まさか、見た物をただストレートに転写できるようになるのが目的、という事はないと思いますが(それはそれで凄いことですが、カメラと何ら変わりません)。
 第三者の視点にある神有屋に、主人公の内面はわかりません。でも、ヒロインの子が主人公の絵を見て漏らしたコメントは、主人公の本質を鋭く突いていると思います。

 この物語において、自らの目的が揺らいでしまった主人公は不幸ですが、人としての主人公は幸運だったのだろうと、神有屋は思うのでした....



・「座布団係/電波講」(phase gregaria、無脊椎まだるサマ)...A5版オフセット、表紙カラー本文モノクロ。

 とても楽しい四コマ連作集、その第二弾です。新キャラが登場して大講義室はますます盛況!肩肘張らずに楽しめます。


・「反逆のピエッタ」(月刊製作委員会(仮)、霧恵 昌ノブサマ)...B5版コピー誌、表紙カラー本文モノクロ。

 前作「電波塔の魔法使い」参照リンクで、アフタヌーン夏の四季賞 佳作を受賞された霧恵 昌ノブ様の新刊です。今回は3〜8ページのギャグ短編集。
 パラパラめくっているとすぐに終わってしまいますが、あとがきを読むと、テーマや演出について突っ込んだコメントがしてあり、いろいろ参考になります。
 ギャグで笑ってあとがきでちょっと勉強という、「一冊で二度美味しい」短編集でした(^ ^


・「FUNNYMONSTERS complete!」(あとりえそもれ、とみたひさよしサマならびに富田仲次郎サマ)...B5版ページ数たくさん、表紙カラー本文モノクロ。

 とりあえず一言。


 お疲れ様でしたーっ!!


 ドタバタはちゅめちゃギャグコメディの総集編がついに登場です!

 しかも豪華にテーマ曲入りドラマCD(これが凝ってるんですよマタ!)、超横長ポスター付き!!

 気合い入りまくってます!!!


 本編はただの再録に留まらず、ほぼ全編にわたって加筆改稿されました。

 初稿版の、他に類を見ないコピー誌の形式も味がありましたが、オフセになって見開きも追加され、より綺麗な印刷で、見やすく楽しくなったと思います。


カイ子「テメエラ全員ブッコロォォスッ」


神有屋「あははははははははは!!」


 やられました。

 まさかこれほどの超ドアップで来るとは思いませんでしたよ(^^;


 制作期間中、多々ご苦労があった事と拝察いたしますが、今はひとまず、ゆるりとお休みくださいませ....



一口メモ

青ラジヲ...今回は12ページコピー誌(表紙、裏表紙、タイトルなし!)でした。本当に予測できない作家様です(^^;
 次回からサークル名を猫ラヂヲ社に戻されるそうです。


・雑文1...今回のコミティアでは、シリーズ物(になる予定)の作品をいくつか入手しました。
 どれも期待したい作品ですが、シリーズとして定着するかどうか不明なので、レポではまだ触れないことにします。
 神有屋も同罪ですけど、同人では商業誌にも増して、完結しないまま消えてしまうシリーズが多いので.....


・雑文2..."ご新規サークル様重視"と決めて一般参加したわりに、今回のレポでもご新規様が少ないですが、実際に購入した作品はご新規様が6割を超えています。
  ベスト3にもご新規様が入ったことですし、目標はいちおう達成と言えるでしょう(?)
 購入した作品全てに感想つけていたら死にますしね...



 今回のレポートは以上です。

 ここまでお読み下さいまして、ありがとうございました〜m(_  _)m


次回のコミティア62は02/11/7(日)、東京ビッグサイトで開催予定です。


おしまい


  

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