校長のためのコンピュータ入門(その13)

校長のコンピュータ活用術C

ワープロ入門 参

機械音痴?

 岩波新書の『新・コンピュータと教育』(佐伯胖著)の中で、機械音痴のことについてふれている。なおこの本は、コンピュータの活用教育のありかたを考えるだけでなく、これからコンピュータを始めようとする方、初心者の方、また、コンピュータを指導する人にとっても、大変役に立つ本だ。
 私は技術科の教師だから、機械や電気などのことについて一応普通の人より知識もあるし、分解や組立もできる。
 しかし、実は、テレビ番組のビデオを取るときは、妻か、75歳を越える母に頼むことになる。この前、息子が、MDウオークマンを買ったので使おうとしたのだが、訳が分からない、息子にさんざん馬鹿にされてしまった。カメラの日時の設定や、ビデオカメラについてもまったく人任せである。今は使っていないが、いろんな機能のあるデジタル時計の設定にも難儀したくらいだ。私も性格的には、かなりいい加減で、十分に機械音痴の仲間だ。
 こんな私が、コンピュータのことを書いているわけだから、皆さんの信用をすっかり失うかもしれない。コンピュータを使うことができるようになるということは、結局、操作手順を身につけることに他ならない。ところが、その操作手順を作った人がいるわけだ。その人たちの設計思想が問題になる。初めてコンピュータにふれる人にとって使いやすいものになっているかどうかが、決定的だ。もう一つは、コンピュータを使って何をしようとするのか、使う人の目的にそって、または、何をしようとしているのかをはっきりさせて、コンピュータの操作手順を学習いていくプログラムが必要だ。
 これから、全国の小中学校に、マルチメディアコンピュータがどんどん導入されていく。教員全部がコンピュータを使えるようにしなくてはいけないわけだ。機械音痴の教員に、どうしたらコンピュータが使えるようにできるのか、これからが正念場だ。機械音痴の人が、機械音痴の人にコンピュータを教えること、そうなることが一番かもしれない。校長がそうなれればいいなあ。

お奨めの便利な機能

 ワープロソフトは、文書(文章)を作るのが目的だが、そのために色々な機能がある。それを使いこなすのも楽しみだ。私がよく使っているとくに便利な機能を紹介しよう。
・画面の字を大きくできる
 実は最近、私は、頓に目が悪くなってきている、近眼の上に、老視が進行している。コンピュータの画面の小さい字は実に読みにくい。ところが、最近のソフトでは、画面の文字の大きさを自由に変えてくれる。これは、何よりもうれしい。子どもたちに使うときにも大いに歓迎できる。

・いろんな書体が使える
印刷する文字の大きさも自由に換えられる。書体も実に豊富だ。文章は内容が大切には違いないが、文字の大きさを変えたり、書体を換えることで、文章の表現に変化を与えることができる。説得力もでてくるかもしれない。

学校経営方針案
学校経営方針案
学校経営方針案
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・読んでくれる。
 これが実に良い。使う前は半信半疑だったが、今は、私が文章を作るときに欠かせない機能になっている。ワープロで打った文章をコンピュータが読んでくれるのだ。自分が、一度書いた文章を他人が読んでくれるわけだ。校正や、文章の手直しには欠かせない。特に、式辞や、朝礼の講話など、話し言葉で文章を作るときに大いに役に立つ。この機能を使うことで、子どもに話すのが少し上手になったような気がする。声は、男性、女性どちらの声でも良い。

・文法の誤りを指摘?
 ・助詞「の」「で」「が」  「を」の連続を指摘する
 ・「見れる」などのら抜き表現 を指摘する
 ・わかりにくい否定表現を指摘 する
 ・文章中に否定表現が連続して 現れ、わかりにくくなっている 個所を指摘する
 というようなことをやってくれるのだ。これは自動的に、画面に赤い文字で、でてくるので、びっくりする。なるほどと思って自分の文章力のなさを嘆いたりすることになる。しかし便利だ。

・インターネットの文書が使える
 文部省のインターネットのホームページには教育課程審議会の中間報告など、学校関係者には欠かせない、情報の「原典」が掲載されている。かなりの分量だ。でも、その文章も、一太郎などのワープロソフトを使って、たちどころにコピーができる。こうしておけば、それをわかりやすく印刷できるし、自分の作る文書に引用もできる。実に快適なのは、長い文章でも、適当なキーワードで文書の内容を検索できることだ。全文を読まなくても、関心のあるところを先に読むことができる。

・ファックスの送信ができる
 ファックスモデムという装置が必要だが、コンピュータの画面で編集した文書を、そのままコンピュータからファックスを送ることができる。これもまた便利だ。ファックスの文書をいったん印刷する必要がない。インターネットで送ればもっと便利になる。
 学校どうし、または校長室がインターネットでつながれば、全国の校長室がつながるんだけどなあ。夢を現実にしたい。そのためには、校長がコンピュータを使えるようになるのが条件だが。