その9 2006年3月13(月)〜17日(金) |
■動機 |
JALが北陸から撤退する。それが1番の理由だった。貯めたマイレージを有効利用するために旅行しないと損だ、という気持ちが働いた。 実のところ、今回は韓国でも台湾でもどちらでも良かった(台湾の場合は名古屋セントレア発になるが)。むしろ韓国のほうが気が進まなかった。理由は 1.すでに8回行っていること。 2.最後の韓国旅行が失敗ばかりだったこと。 3.両替レートが非常に悪くなっていること。 特に3番目は大きい。韓国は昨年暮れからヘッジファンドに狙われ、韓国内の実際の経済にかかわりなくW(ウォン)が高騰し続けているの(銀行の介入方に問題あり)である。以前1,000円をWに両替すると1万Wになったものが、現在は8,000Wにしかならない。2割引だ。これでは問屋で3割引で買えた!と喜んでも実際は1割しか得してないことになる。日本の量販店で買ったほうがまし、ということも十分に考えられるのだ。 しかし、欲しい商品ができたことと、一緒に行ってくれる友人のおかげで今回の旅行が実現した。 Dあに君は、モデラーD兄弟の兄のほうである。僕より6歳年下。塗装のプロ。僕の勤務地のお客さんで、生粋のガンダムモデラー。僕はプラモデルが好きでたまらなく、自分でも狂っていると思うが、Dあに君はどうであろうか?いろいろ話をしているうちに物静かな彼が、実は心に熱い思いを秘めていることがわかってきた。15年前に1度修学旅行で韓国を訪れている。そのとき自由時間はロッテワールドの室内部分のみで、南大門も車中から眺めただけだという。韓国語はまったくわからないレベル。 僕は前述のとおり韓国が今ひとつの気分だったので台湾もどうか、と勧めてみたのだが、彼の強い希望で韓国旅行に決定。どうしても欲しいものがあるらしい。その欲しいものとは「ガンガル(ガンダムの紛い物。超絶プラモ道参照)」。面白い旅になりそうである。ミーティングを重ね、彼のしたいこと、行きたい所、食べたいもの、買いたいものの希望を聞いてスケジュールを組む。僕は在来市場にはまっているので、前回の反省も生かし、1/5000地図で場所をチェック。「サンガ=商街」を目標にめぼしいところをファイルに綴じた。 ネットで商街を検索していてとんでもない数の模型店が見つかった。約30店(住所まで判明しているところ。電話番号のみを加えるとプラス20店)。「LUTS」も入っているところを見ると資料は2年以内のもの(それ以前ならLUTSはアイデア模型という店名のはず)なので信頼性は比較的あるはずだが、実際どんなところなのかは行ってみないとわからない。閉店しているところもあるかも。 6時間ほどかけてひたすら翻訳→1/5000地図で場所の特定→1週間がかりでスキャン→最寄地下鉄駅チェックの繰り返し。苦労した。30店すべてが8時間営業だとすると実質3日間で一体どのくらい回れるのか?残念ながら絞り込まねばなるまい。 今回新しい試みとして「eチケット」を利用してみた。電子チケットなので実物がなく、控えとパスポートのみで飛行機に乗れてしまう。何か頼りない感じがする。そして韓国の交通システムで「T-moneyカード」を購入するつもり。定額制から距離制へと変わった地下鉄、T-moneyだと駅で相当時間が節約できるはずである。 |
2006年3月13日(月) |
前日まで天気が良かったのになんだこの雪は。隣の県にあるK空港のあたりはどうだろうか?飛行機が遅れませんように。11時30分に僕の近所の本屋で待ち合わせ。今回は彼のスポーツカーRX−8で出発である。車内で1つ1つ持ち物をチェック。僕のバッグはぎっしりである。中はチョさんに頼まれたフィギュアが4つ入っていたからだ。それを除けば最小限の装備。 高速道路に乗り、隣の県に入るころには日が差してきた。この分なら飛行機の遅れはないかも。 昼食をT光サービスエリアで摂る。暖かぶっかけうどん。そして手袋を買いに100円ショップへ。韓国は天気予報によると最低気温は氷点下。夜も出歩くはずなので必要な装備。僕は持参していたが、Dあに君は持ってきてなかったのだ。ところがこの100円ショップは春物コーナーに変わったばかりで丁度良い手袋が残っていなかった。Dあに君、気合で耐えることを決意した模様。僕は用心のため、使い捨てカイロを買った。その後コンビニでDあに君は缶コーヒー、僕は500mlペットボトルポカリスエットを購入。サービスエリアを出るとき雪がちらほらと降り出してきた。気流が悪いのを見越して酔い止め薬を飲む。 空港到着。無料駐車場へ車を止め、国際線乗り場へ向かうころ吹雪。遅れる、絶対遅れる。 JALのチェックインはすでに始まっていた。eチケットは初めてなのでチケット販売のスタッフに聞いてみた。控えとパスポートで出国できると思っていたのだが、実際はチェックインカウンターで控えとパスポートを見せ、搭乗券をもらわなければならなかった。これでは通常の航空券と同じではないか。Webチェックインは何のためにしたのか疑問に思えてくる。Dあに君はネットで格安航空券を手に入れていたので、僕と席が離れていた。座席に余裕があったので、隣同士にしてもらう。 手荷物をもって2階へ。今回も時間を節約するためにすべての荷物は機内持ち込みである。搭乗時間まで売店をのぞく。後はトイレに行ったり、単語の確認をしたり。待合室は時間とともに人が増えてくる。雪が降っているのに不思議と飛行機は遅れていないようだ。 搭乗開始。僕は金属探知機で引っかかったほうがジュースをおごることにしよう、と賭けを持ちかけた。Dあに君承諾。果たして、僕はリュックの中のニッパーが。 検「工具入ってますね」 ペ「爪切りです」 Dあに君はベルトで引っかかり、なぜか靴も脱がされていた。「ヘビメタ」だといえばよかったのに。賭けはドロー。さすが地元の空港より厳しい。 まったく待たずに機内へ。免税店は商売上がったりじゃないか?(笑)B767−300は10分遅れで離陸した。 |
■狂う予定 |
D「怖えぇ〜、怖えぇ〜」 本気で怖がっていないようだが、Dあに君の反応が面白い。予想通り雲を抜けるまでは気流が悪く、飛行機が揺れる。機内食はなし、代わりにドリンクサービス。僕はスカイタイム、Dあに君はコーヒー。おつまみが付いている。
Dあに君は機内カタログショッピングの日本酒を見て興奮。プレミアが付いているので手に入れば旅費がまかなえるとか。残念ながらアジア路線で販売はない。それを知ってがっくり来るDあに君。 入国審査。仁川空港は人数が多いと外国人でも韓国人用ゲートを使わせてくれるのを知っているので、すぐ隣の列に並ぶ。ここでちょっとしたハプニング。僕たちの右側でアラブ系と思われる人物がとめられ、どこかへ連れて行かれた。時節柄、ありうる光景とはいえ、目の当たりにしてびっくり。仁川空港のセキュリティは世界トップクラスと聞く。 また、入国審査は撮影禁止の場所であるのだが何者かによるフラッシュが。検査官に緊張が走り、一瞬空気が凍りついた。どういう展開になるのかどきどきしながら見守っていたのだが、そちらは特に何も起こらなかったみたいだ。 出口4Bから外に出る。あたりは薄暗く、地元より気候が寒い。東大門行きは602番バスなので5Bへ移動。バスは8,000W。5Bは上流なので空港内で歩いた分むしろ良かった。空いている。荷物とともに座席に移動。バスは下流で1度停車してから走り出した。しばらくするとDあに君の前の人が断りもなく座席を深く倒してきたのでムッとする。文句をいえない自分が情けない。 |
■ペルシャさんって何者? |
Dあに君の模型購入予定量を聞いたチョさんは、自分も日本に旅行するとき40リットルくらいのリュックを持って行くので、今度から100リットルくらいのリュックを買っては?と薦める。100リットル!と僕とDあに君、爆笑。 行動開始。僕はデジカメとハンディカムにウエストポーチ、Dあに君はデジカメを持ち、リュックを背負う。チョさんは大荷物になってしまっているので、僕の部屋に荷物を置いていくことにした。地下鉄6号線東廟前駅へ歩く。歩道にチャングム(大長今)のチラシが落ちてる。拾うかどうか考えているうちに通り過ぎた。最近事故があったロッテワールドの話題。 階段を下りる。6号線は深度が深い。Dあに君は初地下鉄にきょろきょろ。切符売り場でT-moneyにお金をチャージ。
ペ「たしかチュンジョンプッタケヨ(充填お願いします)でよかったですよね」
地下鉄構内。 チ「今回の旅の目的はまたプラモデルと……」 話に夢中になり、635新堂で2号線に乗り換えのはずが通り過ぎてしまう。634青丘で5号線に乗り換え。540往十里で2号線へ復帰、211聖水駅で下車。またDあに君、改札で手間取る。以後、しばらく改札を通るたびDあに君に緊張が走り、僕とチョさんはそれを心配そうに見守る、という状態が続く。 駐車車両のワイパーにはさまれていたパチンコのチラシ。 大ヤマトと海物語か? こちらも違法。 蚤の市情報を発見。前回僕が記念にもらってきたものだ。それを聞いたDあに君は手に取り、リュックへ入れた。 |
■まず確実なところへ行って安心せよ! |
食料品後回しでおもちゃ売り場へ。
僕たちが購入を決意しだしたので、チョさんはカートを取りに行ってくれる。その間、隣の本コーナーへ。 ペ「何だこれ。尻だしてるけど。(笑)」
タイトルの文字は読めても意味が判らない。漫画なのだが、中をぺらぺらとめくっても内容が把握できず。きっと学校から帰宅してたら急に模様して家まで間に合わず、野糞を決意したら見られて大変だーっ、てな内容だよとDあに君と勝手な想像で盛り上がる。(帰国してタイトルを翻訳した感じでは検便の話ではなかろうかと。) その左には、
これまた何だこれは、てな表紙。チョさんがカートを押して戻ってきたので、タイトルを訳してもらう。……すげえ。こういうものが児童向け(おそらく)漫画になってしまうとは。日本では考えられない(トイレット博士くらい?)。僕の家も大学生の頃まで汲み取り式だった。お土産に買おうと思ったが、3巻だけだったのであきらめた。全巻揃っていたら買ったのに、惜しい。きっとチョさんは「どうしてペルシャさんはこんな変なものにばかり注目するのだろう?」と思っているに違いない。(笑)まあ、少なくともスカトリストには堪らない漫画ではなかろうか?お薦めです。(爆) 3階へ。韓国のMP3プレーヤは優秀だと聞いているので、見学。でも品数と価格を考え、竜山で見ることに。ペット売り場は場所が移っていた。前はまるで金魚でも売るようにフロアと混在していたのが独立したらしい。 続いてお菓子売り場へ。僕はロッテのポッキー「ペペロ」を捜す。あっ、パッケージが変わっている。さすがに著作権が厳しくなって、あからさまな偽者は韓国内で姿を消し始めているそうだ。一応購入。 ロッテのパイ。赤い箱に情という漢字があしらってある。Dあに君、食いつく。 インスタント麺のコーナーへ。これもお土産用。「辛ラーメン」が幅を利かせてる。僕は最近「韓国でおしゃれ」だといわれる味噌ラーメン(チョさんによると辛いのに飽きはじめて味噌ラーメンが出てきたそうだ。)を。Dあに君はちゃんぽん麺を選ぶ。ともに袋タイプ5個入り。 Eマートをあとにする。これから食事でも、と思っていると時間がないことが判明。気が付いたら11時を回っていた。チョさん、終電の危機。僕の部屋に荷物を置きっぱなし。取りに戻って家に帰れるのか。妙なサスペンスが生まれる。 |
■アルコールを入れる |
梅酒はまったくアルコールの嫌な匂いがしない。レモネードに10%くらい混入したが、梅風味くらいしか感じない。下戸の僕にぴったり。それでも5分位するとてきめんに肌が赤くなってきた。チョさんから地下鉄に間に合ったという電話が入る。心配をかけたのでは、というチョさん。すみません、実は買った品物に夢中になっていてすっかり頭から抜けてまして……。(反省) このままではいかん、ということで解散。Dあに君は509号室へ。午前2時前、就寝。 |
|