その8
6月11日金曜日
 8時ごろにチェックアウト。宿泊料金は1日当たり3万2千Wだった。バス停までは事前に調べているので、あせりもない。荷物が手に食い込む。バスは10〜12分間隔で運行とある。

 バス停で待っていると、市内バスが頻繁に通るものの、空港バスがなかなか来ない。8分くらいたって不安になった頃、ようやく到着。

 バスに7千W払って席に落ち着くと、すぐに通路を挟んだ席の西洋系の男に話しかけられた。英語だ。

男「今、何時か判りますか?」自分の腕を指差す。
ぺ「8時20分ですよ」腕時計を見せる。

男「このバスはどのくらいで空港に到着するのか判りますか?」
ぺ「1時間20分くらいだったと思います」
男「まずいなー。ぎりぎりですよ!寝坊してしまったんです」と、ジェスチャーを入れて僕に状況説明。旅行しているのに腕時計1つ持っていないのは、本当にあわててホテルを出てきている証拠(忘れてきた可能性大。笑)だろう。青年旅行者風で、僕はなんとなくディスカバリーチャンネルの「イアン・ライト」のようで親近感が沸いた。
ぺ「どこから来たんですか?」
男「オーストリアです。飛行機は1便しかなくて、これで帰れないとまずいことに…」困った顔もどことなくユーモラスだ。あまりに面白くなってきたので、ニヤリ、としながらこう言ってみた。

ぺ「ユー、サスペンス!!!」
男「ノゥーーーーーッ」

 彼とちょっと仲良くなった。その後、バスは各停留場を周り、新村の辺りで警官が中に入ると乗客に注意始めた。僕も注意の対象だ。意味が判らずにいると、かのサスペンス男にシートベルトのことだよ、と教えてもらった。これから高速に入るので、注意に来たのだった。到着時はなかったサービス。

 仁川空港到着。思った以上に早く着いた。サスペンス男も安心した、と言って僕に挨拶をしながら、急いで去っていった。僕はといえば、飛行機は午後2時発なので、1時間前に入っていれば十分なところ。早すぎて暇になる。ロビーで時間をつぶすか、出発手続きを済ませて免税店で時間を過ごすか迷うが、結局後者を選んだ。

 免税店めぐり。ロッテ免税店が、ヨン様ことペ・ヨンジュンをイメージキャラクターに起用していて、どこもかしこも彼のポスターでいっぱいだ。日本語でキャッチコピーがあるのは、明らかに日本人観光客をターゲットにしているのだろう。等身大のたて看板などは記念撮影にもぴったり!…もっとも、僕のいる間にそんなことしている人は見かけなかったが。

 本屋に入る。ここでも韓国人向け日本語テキストを探す。あった。これはいけてる。購入決定。あとは他のお店でかわいかったぬいぐるみ「マシマロ」と「太陽電池キーホルダー」を購入。ドル建てなので買うときは意識しなかったが、円に換算すると怖くなった。

 そういえば「バーガーキング」に入っていなかったな、と店の前で立ち止まるが、なんとなく胃がもたれた感じがして断念。残りの時間をインターネットでつぶす。街のPC房よりかなり割高。カードが渡され、そのカードに書かれている番号を登録すると一定時間PCが使えるようになるのだ。日本語フォントが入っていなくて、苦労する。あさみさんの掲示板にチャンシンドンで発見したドールのお店の情報を書き込む。ちゃんと見てもらえるのかな?

 搭乗が始まる。僕の隣は韓国人のお婆さんだった。ちょっと話してみると、孫の家に遊びに行くのだという。天気も心配なようだ。お婆さんは、持ち込んだお菓子を僕にくれた。話し相手が出来たのがうれしかったのかもしれない。


あとがき

 楽しい部分もありましたが、前回の旅行に比べると「負けた感」の強い旅行でした。敗因はリサーチ不足でしょう。毎回模型中心で回っているのですが、僕の欲しい物はすでに模型誌の広告の範疇を超えているのです。事前に予想を立てて、ここに「残っている」のではないか?と、探して行く有様で。問屋・市場ルートに狙いを付けた今回は、的外れであったと言っていいでしょう。次回があるなら、もう1つ予想を立ててあるので、そちらを試してみたいと思っています。そして初めての6月の気温。歩いて探す旅行にはまったく向いていませんでした。失敗も、経験しなければ判らない、といっても悔しい気持ちがありますね。

 また、前回に引き続き、食事も敗因でした。独りだと面倒くさくなって食事をしなくなってしまうので、気をつけていたのですが、今回もやってしまった、という感じです。気温の影響が強いのですが、辛い+熱いというイメージで、韓国食を避けてしまいました。石焼じゃないピピンバや冷麺もあったのに…。実は、国鉄「京義線」に挑戦して、北の町を訪れる、という用意もしていたのですが、疲れてしまって果たせませんでした。こうして文字にしてみるとますます情けなく。

 韓国語、結構がんばったつもりでしたが、会話になりませんでしたね。(泣)表現の幅は確実に増えたのは進歩したと思いますが、まだまだですね。

 韓国に行くたび気持ちが複雑になります。知れば知るほど当然ですが、良い面だけでなく、悪い面も見えてきます。知らないことが多いな、と感じます。それは、「事実報道」がお互いになされていないのが、最大の問題だと思います。ネガティブな事実が「奇妙な配慮」という形でゆがめられたり、報道されなかったりします。事実を知るためになんでクロスワードパズルまがいのことをしなければならないのでしょう?(笑)これは区別しているのではなく、差別でしょう。平等ではありません。情報が少なければ、判断・考察も正しく出来ないと思います。巷ではドラマ「冬のソナタ」で韓国という国を「意識」した人が多いと思います。冬のソナタの報道でもそういった傾向が見られました。

 おかげで余計に「隠したい物が表面に露出した」感じがしました。この騒動(個人的に「韓流ブーム」ではなく、「韓流騒動」だと思っています。笑)で、互いの国が何をしているかを知るきっかけになれば良いかな、と思います。来年は友好年、だそうですが、本当の意味で友好を迎えれる日がくるといいですね。

 個人的に気がかりなのは、料金システムが定額から距離制に変わった地下鉄です。利用者に評判が悪いようです。治安も確実に悪くなっているようなので、そちらも気がかり。後、あのおじいさんは家に入れたのでしょうか?まだ外に角材を持って立っていたりして。(笑)

04/08/26


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