その8
6月10日木曜日
 またもや全身の筋肉痛で目覚める。浴槽にお湯を張り、風呂に入る。今日はお土産を買いに出ることにしていたのだが、つい、ベッドでだらだらと過ごす。後、事前に得ていた情報で、地下鉄4号線「412倉洞」に中古CD屋が集まっていると聞いていたので、そちらも調べてみたい。食事がまだだが、食欲もないので仕方なく、「栄養ドリンク」に頼ることにした。辞書を調べつつ、薬局ですぐ買えるように文章化。
10:57撮影。
玩具・文具横丁傍の薬局で購入。
3種類くらいの価格を提示されるが、
1番高いほうが効きそうだったので、それを選ぶ。
それが写真のドリンクと、トロリとした液(ロイヤルゼリー?)の
組み合わせで4千W。
思った以上に安い。安すぎだ。怪しい。
その場で飲むように促されたので、飲んで地下鉄駅へ。
栄養ドリンクは値段の割りに良く効いて、体が楽になった。

11:00撮影。
朝の東大門。今日も天気が良い。

11:05撮影。
地下鉄4号線東大門駅ホームで発見。
このポスターはトゥームレイダー2のときのもので、
韓国公開は2003年7月25日だ。

チョさんによると不況の影響で、地下鉄の広告主が減り、
今は観光客の多い(人の目に付きやすい)路線を中心に
広告が施されているらしい。
なので、この古い4号線は「放置」されているのだ。

11:05撮影。
放置されているポスターはまだ良いほうで、
ほかの広告スペースは白い空間が広がっているだけである。


11:36撮影。
途中から「地上鉄」になり、倉洞駅到着。
ホームから降りてすぐの場所左の風景。

11:36撮影。
右の風景。どちらも良さそうな雰囲気だったが、
右を最初に調べることに決定。左側はこの地点に戻ってから
探索しよう。

11:44撮影。
しばらく歩いて、プラモデルを置いている商店発見。
幸先が良い。
見たことのないアイテムだったので、4つ購入。

11:46撮影。
ガチャガチャを発見したので、ここも!と思ったが、
おもちゃの類は置いてなかった。

11:47撮影。
マンションも近付いてきたので「併設商店」を目当てに
どんどん進む。
それにしても中古CDを扱っている店が
まったく見当たらないのはどーした訳か?
左側だったのか?

11:52撮影。
外見が怪しかったが、やはりおもちゃはない。
興味の向くままに地図なき道を歩く。
もう、元の場所(倉洞駅)に戻るのは絶望的な雰囲気に。

12:00撮影。
大通りで案内板を見つける。
現在地を見るも、どちらに進んだら目的のものに出会えるのか判らない。
地下鉄駅の表示もない。かなり離れてしまったのか?
今は「道峰路」という道を進んでいるらしい。

12:04撮影。
100円ショップで有名な「ダイソー」発見。
韓国のダイソーは、
500W〜2,000Wまでの商品で構成された
ディスカウントショップという感じで、「均一」ではないらしい。

12:05撮影。
おもちゃ系が置いてありそうな怪しい店は何件か見かけるものの、
実際はまったくない。途中で中学校らしき建物があったのだが、
この場所は今までと勝手が違うようだ。

12:24撮影。
すかいらーく発見。

12:28撮影。
日本ではリーズナブルな価格で長居出来て便利なファミリーレストランは、
韓国では高級な場所だという。

地下鉄「スユ駅(414)」を見つけた。2駅も歩いてしまったのか。
すっかり栄養ドリンクの効き目が切れ、もう1本補給せねば、と考える。
この駅傍にEマートがあったが、疲れで入る気にならず。
近くの薬局で例の紙を見せ、栄養ドリンクを注文。
「C.E.O.(最高経営責任者ご用達、という意味か?)」というドリンクを渡される。
3千W。あまり効いた気がしない。

帰ろうかどうか迷ったが、毒食らわば皿まで!と、
もう1度倉洞駅へ。左側を見ずして帰っては必ず後悔する!





中古CD屋など結局どこにも見当たらず、
情報の間違いであった。この行動に後悔。
ホテルに1度戻る。途中、420番の「ヘファ駅」で降りるかどうか迷う。
僕の好きな映画「イルマーレ」のロケ地だったからだが、
疲れに負けて実行しなかった。


東大門駅傍で「デジタル競輪」を目撃。
競馬以外にも賭博が広まっているようだ。

部屋でシャワーを浴び、再出発。


地下鉄2号線「江辺駅」へ。初日にチョさんと訪れたバスターミナルを調べる。
確かにおもちゃ屋が2件入っていたが、
申し訳程度に置いてあるだけで、僕の興味を引くアイテムはなかった。

バスターミナル前では、夜は見かけなかった
傷痍軍人のための募金活動が行われていた。
痛々しくて見ていられない。

テクノマートへ。8階でチョさんに公衆電話で連絡をする。
お別れの挨拶だったが、あわよくば今日到着しているはずの
あさみさんに会えるのでは?というもくろみも
あった(あさみさんは友人とともにこの日、チョさんと合う予定になっていたのだ)のだが、
あつかましいかな、と思いなおし、挨拶だけにとどまる。
小銭が少なかったせいもある。
僕が2年前に買ったテレフォンカードは
使えなくなっていた(まだ度数があるのに!)し、
近くのテナント店員に頼んでも両替できなかったからだ。

直後、DVDとか買えば小銭が作れるよな、と思いながらテナントへ。
DVDコーナーを見ると、イルマーレの豪華版発見!
即、購入候補に入れる。

イルマーレだけでは面白くないので(内容が判っているだけに)、ほかにも買いたい。
どれも日本語字幕なしなので迷うが、結局
スキャンダルにした。

映画の紹介をしていたチャンネルで面白そうだった「シルミド」や
「太極旗を翻して(ブラザーフッド)」はまだDVD化されてない。

「チューブ」でも良かったかもしれない。
アクション物なので字幕にあまり困ることはなさそう。

一応、同じフロアのほかの店の価格も調べる。最初の店が1番安かったことが判明。
レジで会計中、店員がセキュリティのケースを外す勢いが余って、
スキャンダルを床にたたきつける格好に。
即座に店員は「大丈夫、大丈夫」と、商品のコンディションをアピールしたが、
僕の心の中は「交換してくれよ!」でいっぱいだった。
残念ながら疲れからくる面倒くささと、単語力不足で何も言い出せず。

そのままエスカレータで地下のロッテマートへ向かう。
1階でゲームセンターを見つける。
両替機の存在に、ここで両替する手もあったな、と思う。
1階にはフィギュア・プライズ商品中心の店と、
おもちゃを置いている店があったが、どちらも今ひとつだった。

ロッテマートに到着。定番のキムチを購入後、ロッテリアで食事。
ここのロッテリアも温度がぬるい。
次回からロッテリアを利用するのは考え物だ、と思う。


ホテルに荷物を置きに戻り、これからの行動を思案。予定がまったくない。
仕方なく、1番印象に残った永登浦市場へ再度向かうことにした。
出掛けに朝立ち寄った薬局で栄養ドリンクを補給。
今度はデジカメの画像を見せて、間違いなく「効いた」ドリンクを指名。
しかしトロリとした液、付かず。そのためか効き目もほどほど。(泣)


5号線に乗換えでホームに立っていると、
僕より年上であろう、労働者風の男2人組に地下鉄の行き先を尋ねられた。
聞かれた意味は判ったが、上手く返せない。

情けないが、日本人なので判らない、と答えた。
今から一緒の方向に乗るのに。

そうすると男の1人は、
英語で学生か?韓国は長いのか?とか聞いてきた。
英語がもっと苦手の僕は、
学生じゃなく、会社員で短期間だけの滞在だ、と答えると、
お互い、がんばろうな、という妙な具合になった。
どうやら僕が仕事で短期単身赴任してきた者と思ったらしい。

地下鉄車内でどんどん疲労が激しくなってくる。
無理もない、今日、食事らしい食事はロッテリアだけなのだ。


永登浦市場駅に到着。
ホームで話しかけてきた2人も一緒に降りた。目的地も同じだったのだ。
ますます最初に僕が返した「日本人なので行き先が判らない」という反応が、
おかしくなってしまった。
お互いに妙な縁だと顔をあわせながら階段を移動する。

地下鉄5号線は「深い」ので、地上まで長い。
疲れで体が地上まで持ちそうにない。思い切って
英語で話しかけてくれたほうに
「ものすごく疲れてるんですけど、何かいい栄養ドリンク知りませんか?」と
聞いてみた。労働者風、そして
韓国生活が長いようだったので、
良いアドバイスを受けられそうな気がしたのだ。

すると、あるよ!と、即答。
一緒に商品名も言ってくれたのだが、聞きなれない発音だったので、聞き取れない。
ペンを渡すと紙に書いてくれた。
効き目は最高だと大きな身振りで力説してくれる。
薬局で簡単に買えるらしい。

3番出口を出るとすぐ、彼は辺りを見回して薬局を探してくれた。
お礼を言って道路を渡った先にある薬局へ向かった。
彼らは3番出口からさほど離れていないところが作業場だったようで、
ポケットから軍手を取り出して仕事にかかりつつ、
僕に手を振ってくれた。


薬局で紙を見せると、ない、と即答される。

気落ちしながら、薬局を出て、
まだ僕のほうを見ていた彼らのほうを向くと
買えたのか?と、聞いてきたので、事情を説明。
すると彼は俺が買ってきてやるよ、と
僕の財布から1万Wを取るとさっきの薬局へ。

戻ってきた彼の手にはドリンクと錠剤が。
おつりを見るとどうやら価格は5〜6千Wくらいらしい。

これだけ親切にしてもらって名前を聞かずに帰れない、と思い
名刺交換を申し出たが、彼は名刺がなく、
僕の名詞に名前と住所を書き込んだ。

何と、彼は中国人だった。
中国から韓国に出稼ぎに来ていたのだった。
何度もお礼を言って別れた。
親切が身に沁みた。

実は大学時代に貧乏旅行した中国で嫌な目に遭った。
それ以来、僕は中国人に対して良いイメージがない。

どの国にも良い人と悪い人(合う人と合わない人)がいる。
国、人種じゃなく人格を見ようと思っているが、まだ僕には偏見がある。
その中でこうした経験をすると複雑な気持ちになる。
(理屈と感情が一致せずに混乱するからなのか?)
こういう気持ちになるたび、

異文化人(僕の「外人」の定義だ)との付き合い方に
ついて考えてしまう。
僕は良い付き合い方ができているだろうか?


ドリンクと錠剤は、しばらくすると覿面に効いてきた。
夕方から夜までの市場を余裕を持って見学できるほどに。

昼、にぎやかだった屋台はややおとなしくなり、
変わって小奇麗な飲み屋、カラオケ屋が会社帰りの会社員でにぎわいだす。
龍山と違って夜でもしっかり市場は生きている。

昼間は見れなかったパフォーマンス(?)も見れた。
歩道で奇妙な化粧をした(篠原ともえ系)おばさんが、
大音量で演歌を歌う。何人かの仲間も一緒に踊っている。
プロの営業なのか、商店街のイベントなのか判らないが、
お金のかかっていない様子が、侘しさを感じさせて、なぜか風情がある。

そしてここで初めて車椅子の障害者の姿(民間人)も目撃した。
これまでの韓国(ソウル中心だが)旅行から得た経験では、
韓国と言う国は障害者に対して日本以上に厳しい国だと思う。
厳しいからこそ、人目に触れない。
この場所では、そのソウルの都会的な冷たさが幾分和らいでいるかに見えた。

この市場を知り、来て本当に良かったと思う。


ホテルに戻り、ドリンクの写真を撮る。
21:20撮影。

21:22撮影。
安いのに
タウリンが2,000mgも入っている。
次から疲れたらこれ!

TVでアニメをやっているが、「あたしンち」と言う日本のアニメだ。
しばらくするとコニシキをモデルにしたと思われる「すごいよ!コニ」
と言うアニメが入る。
これは日本で見たことないので韓国のアニメではなかろうか?

「コニ」は、とにかく「すごい男」で、なんでも解決してしまう。
力持ちでやさしいがちょっと抜けている。おにぎりが大好物な様で、
いつも着ている服にはおにぎりの絵が入っている。
何話か見たが、近所のお兄さん、と言った感じで相撲取りではなさそうだ。
それに元気な女子中学生とお色気女教師(コニにべた惚れ)、
宇宙人が絡んでどたばたのコメディ。
なかなか楽しんで見れた。

ビデオカメラをつないで録画するべきだったか?(笑)


明日の空港までのバス乗り場を確認に。

22:47撮影。

22:53撮影。

22:55撮影。
ロッテリアの前で判りやすい。
平日なので朝の通勤ラッシュも予想される。早めに出よう。


次の日になってしまった。00:11撮影。
ついでに散歩でも…で、立ち寄ったCDショップ「アリアミュージック」。
場所はロッテリアの並び。
写真ではシャッターが下りているが、午後11時くらいまで営業している。
お店のハン・ウースク(Hamm Woo Suk)さんは日本語がほぼ通じるので、
東大門〜チャンシンドン辺りで便利なお店だと思う。
価格もテクノマートほどではないが、明洞よりはリーズナブル。
日程に余裕があれば取り寄せ(仕入先が近いので早い)も可能とのこと。

ここで猟奇的な彼女、イルマーレで有名な
チョン・ジヒョン主演「僕の彼女を紹介します」のO.S.T.を購入。↓


ひたすら夜景撮影に精を出す。
00:22撮影。

00:23撮影。

00:24撮影。

00:24撮影。

00:26撮影。
結構手ブレしていてがっくり。三脚を持ってくるのであった。
このうち1枚は現在、
僕のメインPCのデスクトップになっている。


調子に乗って「現場」見学。
00:30撮影。
ここは以前高架橋があった場所。
道路の真ん中である。

00:31撮影。

00:31撮影。
このように「河」は掘られているのであった。
この工事のおかげで東大門名物の屋台が排除されたらしい。
その屋台も「企業型屋台」と呼ばれるもので、
主に税金対策だったようだが。


東廟前の交差点。警官が展開している。
大学生くらいの男が通るたび呼び止め、IDをチェックしている。
何か事件があったようだ。
西側からの人だけ止めているので、東大門方向か?
こんなに緊迫した状況に出くわすのは初めてだ。
不安になる。

00:42撮影。
チャンシンドン東側。もう少し行くと東廟。
ここで左方向(北側)が見たくなってしばらく歩く。

北側は東大門方向と違って
街灯が少なく、寂しい通り。営業している商店、
屋台もまばらだったが、お客さんは意外と入っていた。


ホテルに戻り、冷蔵庫に残ったジュース類を消化しつつTV。

ニュースで伝えられる景気の悪化。
市場のインタビューー中心で、盛んに「IMF以来」と言う字幕が入る。
投売り価格の衣類に群がる人々。

3人の犯罪という再現番組。
強盗に入ると必ず口封じのために殺人という手段を用いて、
何人もの命を奪ってきた3人組の犯行を紹介している。
動機となった借金の額の少なさに唖然となった。
安易すぎる。

荷物整理の後、就寝。
それにしても1日で栄養ドリンクを4本も飲むとは。普通だったら鼻血が出ている。


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