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韓国旅行その7 2002年4月15日〜19日 |
日付 | 内容 | 行き先 |
動機+準備 | 消化試合 | 隣の県など |
1日目2002.04.15 | 不安と期待 | 仁川、金浦、東大門 |
2日目2002.04.16 | 予想以上の充実 | 九宣、新竜山、三成、九宣、新堂 |
3日目2002.04.17 | オーバードライブ | 東廟、三成、蚕室(?)、麻浦 |
4日目2002.04.18 | 心は楽に | 市庁、南大門、明洞、考昌公園、新竜山、明洞、新竜山 |
5日目2002.04.19 | 早過ぎる人達 | 市庁、金浦、仁川 |
4月15日(月) | ||||||||||||||
午前9時に出発なので、8時ごろに起きるはずであったが、早く目覚める。かなり良い天気になった。1点を除けば体調がいいらしい。1点というのは、口内炎だ。2週間前に発症し、懸命に治す努力をして一旦は治ったのに!その数日後、再発したのだった。薬を飲んで少し症状が改善したが、まだ熱いもの、辛いものがしみる。韓国食のほとんどを封じられたも同然である。いまさら改善できるとは思わないが、薬を服用。 シャワーなどを浴びてだらだらとしていたら、9時を過ぎてしまう。食事を途中でとることにして出かけることにした。9時というのもかなり余裕を持って設定しているので大丈夫なはず。車に荷物を積み込んでエンジンをかけ、ビデオに報告。この報告は、ホームページにアップするため、たびたび行うつもりである。時間は9時18分になっていた。高速道路に乗り、走りだすとじりじり暑くなってきた。外の気温は午前中のためか涼しく、MA-1を着て運転していたのだが、もう我慢が出来ない。やむなく、1番最初のサービスエリアに立ち寄り、服を脱ぐ。時間は9時33分。ついでにトイレを済ませ、脱水症状に備え飲み物も購入。車の中が暑いというだけでなく、飛行機に乗るのに水分を取り過ぎて悪いということはない。再度高速に乗る。 走行中、あれだけ不安だった気持ちがなくなっていることに気づく。土壇場にきて開き直ったのかもしれない。しかし、前の旅行(韓国その6)と同じく、覚えた韓国語のフレーズが頭の中から消えていくのにも気づいた。ホテルにチェックインするときに使うフレーズは、空港で持ってきた単語帳に書き入れる予定。 チョさんはどんな人だろう。BBSの発言やメールのやり取りでの彼は知っている。それと彼の兵役時代の写真(当時彼のホームページにあった)で想像することしか、僕に出来ない。友人の体験であるが、こういったネット上での付き合いで実際にオフ会に出席すると思っていた性格と違って驚いた、ということを聞いたことがある。チョさんもそうなのだろうか?予定表はわざと自由時間をたくさん授けた。彼と馬が合えば、ひょっとして成り行き任せでいっしょに行動するかもしれないからである。でも話(性格)が僕と合わなかったらどうしょう?その後の付き合いもギクシャクするのでは?何といっても以前一方的に誤解して彼に不快な気持ちにさせたという負い目が僕に(僕が勝手にそう受け止めているだけかもしれないが)あるのだ。そんな誰も予測できない無意味な思考が頭の中でぐるぐると回った。しかしそれは、こちらも心配なようにチョさんも僕を想像して心配しているかもしれない、という考えに行き着く。 | ||||||||||||||
以前と違う、お決まりのコース | ||||||||||||||
K空港に1番近いインターチェンジの2つ前で高速を降りた。時間に余裕があったのとお金を節約するためである。しばらく走ってトイザラスへ立ち寄る。10時23分。K空港を利用するときのお決まりのコースである。中を一周してみる。が、全く食指が動かない。これは僕が欲しいものが置いてない、というのもあるが、僕自身がおもちゃに対して厳しい目で見るようになってきている事実を表していると思う。これは僕の部屋の容量的にこれ以上買っても仕方がない状況、という現実がそうさせているに違いない。だから自然と「厳選」してしまうのだ。模型雑誌もほとんど買わなくなったし、その模型雑誌の広告も興味を引いたもの以外は無視するようになっていた。ガレージキットの情報にも疎くなっていると思う。 併設のショッピングセンター内のマクドナルドで遅い朝食を取る。僕より朗かに遅く並んだ女性に先に注文されて、少し腹が立ったがすぐに静まる。僕も大人になったものだ。 食事が済み、むらさきさんに電話する。前日電話をしたがつながらなかったので、買ってくるお土産について最後に連絡したかったのだ。いつもなら彼はまだ寝ている時間。しかしなぜかすぐにつながった。彼も昨日の着信が気になっていたのだ。 む「いつ韓国に行くが?」 ぺ「今日ですよ。(爆)今トイザラスです。今から来ませんか?まだ間に合いますよ。(笑)」 そんなやり取りで始まった会話は、お土産として買う具体的な商品を聞いたあと、むらさきさんの激励で終わった。聞いた商品は模型関係で知っていた。しかし、あるかどうか怪しいものに思えた。あったにせよ、何種類かあるかもしれないので、間違えないようにしなければならない。以前と違って一目で判別できなくなっているのだ。 K空港まで後わずか。曲がり角を間違えて往生。久しぶりに来たので単純ミスを起こして30分ほどロスしてしまう。大体あの曲がり角を示す標識があいまいなのだ。空港まで直進か右折かが非常に判りにくい。でも絶対飛行機は遅れるはずなので、午後1時に着いても大丈夫だろう。 | ||||||||||||||
暑い日 | ||||||||||||||
K空港に到着。車を駐車場へ止め、荷物を下ろす。チケットを取りだし、JALのチェックインカウンターへ。あっけないほど簡単に完了。大きなバッグを預ける。機内にはスチルカメラとビデオカメラの入ったリュックを持ちこむつもり。案の定、飛行機が遅れていた。どうして?と首を傾げたくなるくらい定時に到着しない。もっと空中で急ぐことは出来ないのだろうか?スピード違反はないはずだ。 じゅんしぃ(当HPメンバー)に電話。これから出発という報告をするつもりが、大丈夫?と逆に聞かれる。つい先ほど韓国に航空機が墜落したとのこと。乗客全員、160人くらいが亡くなったとか。じゅんしぃは金浦空港だと思っていたらしいが、聞くと違う様子。ただし、落ちて間もないので情報が錯綜、正確なことは判らないらしい。ちょっと信じられない。僕が出発する日に限ってこんな事故が起こるなんて。とりあえず、来る途中に見かけた「いい味出してる」物件について取材しておくように要請して、1度切る。 2階の休憩所で暇をつぶす。僕と同じように韓国に行く人達であろう。何名かが同じ場所に座っている。うーむ、みんな韓国は初めてのようだ。興奮しているのが感じられる。服装は薄い長袖。今日の良い天気に合っている。中には半袖の人も見うけられる。ジャンパーなど着ているのは僕だけである。だが、韓国は寒いはずだ。そう思いつつもさすがに暑く、ここでは脱いで待機。どうせ税関を通るとき財布や時計など金属物を外さなければならないので、脱いだジャンパーに移してX線を通せば、これはこれで便利だと思う。じゅんしぃにもう1度電話。少し墜落事故で進展があり、場所は釜山だったそうだ。以前、メールをやり取りした昴流さん(BBSで知り合った韓国は釜山の方です。)のことが頭に浮かんだ。ここにいる人達は僕より前に到着しているのか、事故のことは誰も知らないようだ。 単語帳に「予約したペルシャたろーですが、チェックインお願いします」と「韓国語自由自在」を見ながら記入。そして「空港」という韓国語を覚える。金浦空港行きのバスを尋ねるときに必要になるからだ。このときはなぜか、カタカナのルビよりも韓国語の文字の方が覚えやすかった。 暑いということで、車が心配になる。僕の車は屋根のガラス面積が大きく、天気が良いとすぐにものすごい温度に達する。車に戻り、専用のカバーを装着する。気休めだが。むらさきさんに事故があった報告とお土産の模型の詳細を聞くために電話。しかし、もうつながらなかった。近くにいないのか、忙しいのか。 | ||||||||||||||
ファイナル・デスティネーション | ||||||||||||||
戻ってしばらくするとアナウンス。飛行機が30分遅れたそうである。出発もそれくらい遅れるのかどうか、微妙なところ。午後1時10分くらいに飛行機は到着したのだが。搭乗時間は2時10分を予定。 ![]() ファイナル・デスティネーションという映画を見たことがある。この映画は、出来事には必ず「予兆」があり、それを感じ取れるかどうかで運命が分かれてしまう。もし予兆を敏感に感じることが出来る人がいたら…という話だ。冒頭、修学旅行で飛行機に乗りこむ主人公が何かを感じ、離陸直前の機内から友人数名を巻き込んで強引に降りてしまう。当然航空会社からクレームがつき、空港に待機させられる。窓の外を離陸していく「乗るはずだった」飛行機。しかし直後、主人公達の目の前で爆発してしまったのだ! 僕は占いや霊を全く信じていないが、旅行に付き合わない友人達、親父の入院、治ったはずの口内炎の再発と、予兆のように思えてくる。そういえば2日前の土曜日も職場でレジの通信中に電源を落とされ、復旧のために帰れなくなるというトラブルがあった。信じたくない。…が、帰りたい気持ちもちょっぴり。 まず車椅子の方の搭乗が行われ、そして2時10分に一般客の搭乗開始。アナウンス通りである。僕はタイミングが判っていたので、1番乗りだった。カメラ入りリュックを持って入る。ゲートをくぐった瞬間、独り旅なのだと実感した。 | ||||||||||||||
新空港 | ||||||||||||||
座席は12A、エンジン前(翼の前)の窓際。全員乗りこんだ状態になったが、どうやら隣人は居ない模様。贅沢にスペースを利用できそうだ。アナウンスが入る。前線の影響で少々ゆれるらしい。すぐ目の前のシートに備え付けられた出入国カードを書く。2時22分、飛行機が動き出した。メモ用紙に感想を書き込んでいく。外を見ると曇ってきた。周りの会話が聞こえるが理解できない。前半分は独り者、または韓国人で構成されているのだろうか? 2時27分、エプロンから滑走路に移動。2時29分、離陸。窓の外は真っ白だ。すぐ雲の中で景色が楽しめない。エンジン前の席に初めて乗ったが、ブーンという音がする。2時40分、ゆれ。シートベルトサインが全く消えない。2時48分、シートベルトサインが消えた。 2時57分、機内サービス。おしぼりが配られ、ついで飲み物のサービス。が、前よりも種類が減っている。僕の好きなスカイタイムがないようだ。コーヒーかビールになっている。せめて紅茶も欲しいところだ。イギリス人用にも必要であろう。そして機内食が配られる。ぬう…、今回の機内食はミニ散らし寿司と200ml烏龍茶のセットだ。僕は烏龍茶を飲むとやたらとトイレが近くなるので避けているのだが、仕方あるまい。食べ終わると、眠気が襲ってきてうとうと。 目を覚まして窓を見ると雲の上だった。一様に広がっているので氷の上を飛んでいるみたい。アナウンスが入る。4時10分ごろ着くらしい。ソウルは曇りだとか。機体中央にいくつかあるスクリーンではNHKニュースをやっている。またうとうと。 次に目を覚ますとスクリーンで、トイレで煙草を吸うと火事になるというアトムのアニメ(機内マナー?)をやっていた。現在JALでは国内線・国際線全て禁煙になっているのだが、トイレで隠れて吸う人が後を立たないらしい。前の旅行(韓国その6)のスチュワーデスの会話を思い出した。 ![]() ![]() 着陸体勢に入る。ここに本当に空港があるのか、周りは剥き出しの地面。「空港上空からの撮影は、防衛上の理由により禁じられております」というアナウンスがあったが、聞こえない振りで撮影。無事に着陸。パイロットの腕前が良いのか、全く衝撃がなかった。逆噴射をして停止する。空港はまだ作っている最中、というのがぴったりな印象。所々に航空機会社の格納庫が見える。飛行機は旅客ターミナルに接近し、通路がドアと接続された。ドアが開き、続々と乗客が降りはじめる。僕はいつもの調子でみなが降りるのを待ってゆっくりと出る。ドアをくぐった瞬間、キムチの匂い(というより、にんにくの匂いではないだろうか?)がして、ああ韓国だ、と思う。 | ||||||||||||||
食い違い | ||||||||||||||
前を行く人について歩く。新空港は広く、きれいだ。動く歩道もついている。通路も長い。まずトイレ。早速、烏龍茶の効果が来てしまった様である。入国審査で並ぶ。ツアーグループの添乗員が注意事項を話していた。段取りと集合場所についてらしい。人数が多く、途中から列を分けて韓国人用のゲートも使うようになる。僕の順番のとき、次の人がぴったりと詰めてきたので軽く注意。ここは1人ずつで、次の人はラインで待機しなければならないのだ。この人は緊張しているのか、初めてなのか。審査を抜け、階段を降りる。手荷物受け取り台が並ぶ1階に出た。
階段を降りてすぐのところ(17番手荷物受け取り台です。)で待つ。何人か並んでいるが、いやに荷物が少ない。まだ早かったのだろうか?しばらくして上の掲示板が気になった。そこには旅行会社の記号が並んでいるのだが、JALの文字がない。あわてて左(18番手荷物受け取り台です。)へ。そこは止まっていて荷物もない。やばい、迷った!また左(19番手荷物受け取り台です。)へ。ここも同じ!判った!隣(20番手荷物受け取り台です。)だ!!人がたくさんいて、掲示板にJALの文字。K空港や機内で見かけた人もいる。車椅子の人。間違いない。ああ、あせった。こういうとき、ツアーは説明があって便利だな、と思う。しかし、これだけ僕が手間取っていたのに、まだ僕の荷物は流れてこなかった。10分くらい待ってやっと出てきた。それを手に税関検査へ。K空港で通ったのと同じ方法で、荷物とジャンパーをX線に出し、自分も金属探知機をくぐる。ほら、何でもない。と、思いきや、荷物を開けるように指示された。大きなバッグの方である。 | ||||||||||||||
リムジンという名のバス | ||||||||||||||
近くの案内板を見る。案内板は韓国語、英語、日本語、中国語で書かれていて、乗り場の位置も表示していた。3Bで乗ればいいらしい。うおっ、思いっきり外れではないか!僕が今いるところ(13番出口付近です。)から、ちょうど対岸(4番出口付近です。)へ行く格好だ。脱力感が襲う。しかし、へたり込んでいてもしょうがないので、遅れた分を取り返そうと、全力で走り出す。荷物が指に食い込んで痛いし、体が熱い。汗だく。 ![]() ![]() ![]() 半田さんは、当HPとリンクしているCRCの「半田あさみ」さんのことです。チョさんと面識があり、韓国語に精通。僕が半田さんと知り合うようになったのもチョさんのBBSでした。以後、J2.Alt.Net.の構想を練っているときに、文章だけでも良いからスタートしては、と励ましてくれたり。(笑) 僕の後ろに何人か並び始めた。ヨーロッパ系の人と韓国の人、それに日本人らしき人が1人。ヨーロッパ系の人も僕のようにスタッフにあれこれ聞いていた。しかし英語じゃないので僕には理解不能だった。人心地ついたのでビデオ撮影開始。税関でのエピソード、バスの料金を報告。手荷物受け取り台で失敗したので、地下鉄に乗り換えが上手く行くかどうか心配になってる心境も告白。 ペ「大きな、間抜けなことをやってしまって、全然荷物出てくるところじゃないところで荷物待ってたり」 周囲も撮影。予定時刻が迫ってバスが到着。大きなバッグの方を車体側面のカーゴスペースに入れてもらって乗車。席に座って撮影再開。僕の隣に韓国女性が座る。撮影しながらぶつぶつ解説をしてるのは変に見えるかなーと思いつつ、車内の時計を見て(腕時計を大きなバッグに入れてしまったからだ。)時刻を報告。 | ||||||||||||||
思ったよりも | ||||||||||||||
![]() ![]() 解説をしながら自分の癖について決意表明。韓国その3のビデオを見ていたら、やたらと僕は「えー」とかいってる。その間に次の言葉を捜したり、選んでいるのだ。それが後で見ると非常に見苦しい。なので、今回からこれを少なくしたいと思う。 5時25分、橋の上に出る。干潟みたいなところがある。やはり埋立地なのだろうか?仁川空港の辺りは。干潟でしょうかねぇ。 やっと独りに慣れた、という感じがしてきた。心が落ち着いてきたのを感じる。5時29分、まだまだ金浦空港は見えない。 ![]() 5時33分、料金所。ニューエアポートハイウェイ、というやつに乗るらしい。むっ…黄色を見るとどうも反応してしまう。黄色い車を撮影。良く見るとただのトラック。また、つまらんものを撮ったか!? ![]() 1階(駐車場と続いているところ)に止まるかと思えば、出発フロアのある2階のほうへ。これは、また体力勝負になるのか?バスは空港ターミナルに寄せて止まった。降りて、カーゴスペースからバッグを出してもらう。運転手の手が空いた頃を見計らって、「金浦空港地下鉄駅はどこですか?(韓国語)」と聞いた。運転手の指差す方向を見ると、50mほど先に地下鉄駅のマーク。同じフロアだった。助かった。楽が出来る、と安心する。お礼を言って走り出す。途中で気がついたが、韓国人のファッション、髪型、特に髪の色が日本そっくりになっている。僕がはじめて韓国に来たときは髪を染めている人は皆無だった。最後に来たときは少し目立っていたくらいであったが、今はかなりの人が染めている。日本人と余り区別がつかなくなったようだ。韓国らしさを感じにくくなって少し嫌な気持ちになる。地下鉄の建物内に入ると、階段とエスカレーターが下へ伸びていた。エスカレーターの方に乗り、財布を取り出す。 | ||||||||||||||
金浦空港地下鉄駅 | ||||||||||||||
エスカレーターを降りた。愕然。駅がすぐあるかと思いきや、通路が遥か先まで伸びていたのだ。先が見えない…。幸い、通路はそれを見越して「動く歩道」が設置されていたので乗る。動く歩道でも立ち止まらずに歩く。 駅に到着。キップを買わなくてはならない。5号線は比較的新しいので、券売機は日本と同じ方式で、お金を先に入れてボタンを押すタイプ。が、辺りを見回してもなぜか券売機がない。仕方ないので、窓口で「東大門(トンデムン。韓国語)スタジアム」といって、1,000W出した。切符とおつりが帰ってくる。目的地まで700Wだった。少し値上がりしたような気がする。ホームへ急ぐ。上りと下りを間違えると大変であるので、表示してある駅名を持ってきた路線図で確認。ホームに下りると、ちょうど列車が出発するところだった。あわてて駆け込む。 ここからが長い、僕の目的地東大門運動場駅は24駅先である。なので、空いていた隅の席に座って体力の回復を狙う。大きなバッグは両足の間、リュックはひざの上に置く。僕が座った席というのは、老人優先の席だ。それが判っているので、僕より朗かに年上が来たら席を譲ろうと思う。若者ばかりだったら、ひょっとしてずっと座り続けられるかもしれない。疲れが出て、うとうとし始める。 寝てはいけない、という気持ちと先が長いのでうたた寝しても良いではないか、という気持ちが戦う。ここから乗ったことがないので、どのくらいかかるか心配であるが。外に出て真っ暗だとどうしょう?はっ、と気づくと乗客が増えている。また意識が遠のく。 目を開けたら、ドアが閉まるところで、目の前には今しがた乗ったばかりと見えるサラリーマン風の人。僕より年上だっ!あわてて立ち上がり、ジェスチャーで席を譲る。が、「いや、大丈夫だから座ってなさい」という感じで、そのまま座り続けられることになった。それにしても、僕の横に座っている若者は、気がつかないのか、全く席を譲ろうとしなかった。韓国の儒教の慣習も日本同様、若者に対して薄れつつあるのかもしれないと思った。韓国ですばらしいことだと思っていただけに残念である。 結局、うたた寝と覚醒を繰り返しながら時間が過ぎていく。まだこの駅かよ!とか、6時を過ぎてしまった…とか、乗り換えたほうが早く着くのではないか?と思ったりした。特に乗り換えについては、乗換駅に着くたびにひどく迷った。 目的地到着。ほとんど7時寸前だった。もたもたしていると地下にいる間に7時になってしまう。チョさんには7時にホテルに着いて電話する、といってある。急速にあせりが出てきた。それにしても、何て時間がかかったのだろう! 案の定、ホテルに1番近い出口を案内図で確認している間に、7時になる。早歩きで地上へ出た。 | ||||||||||||||
24駅先の風景 | ||||||||||||||
驚いた。まだ明るい。思い出した。そうなのだ。日本と違って午後7時でも暗くないのだ。時計上の時差はないが、自転上の時差は体感で1時間はある。右前方に道路を挟んでスタジアムが見える。道沿い左にはコピョンプレヤーが。懐かしい風景。問屋街に行くには北北東方向へ歩けばいいはずだ。腕時計「プロトレック」で方位を確認して、歩き出した。万が一違っていても、道を行く人に聞けばいい。まずスタジアム側へ渡らなければならない。一瞬、また地下道を使わなくてはならないのか?と思ったりしたが、良く見ると横断歩道があった。 オレンジ色のファイヤーパターンが描かれている派手なバイクを前方に発見。韓国の族車か!? 信号待ちをしていると僕の右足に犬が。首輪のたぐいはしていない。プードルで耳の部分が蛍光色で染めてあり、野良犬にしては小奇麗過ぎる。ペットらしい。なでてやりたくなるも、荷物を抱えたまましゃがむと2度と立ち上がれなくなりそうで、出来ない。信号が青に変わる。韓国では、歩行者信号が青になったからといって安心して渡れない。常に車に注意である。僕が歩き出すと犬もついて来る。犬が車に轢かれないか心配になる。かわいいけど、このままついてこられたら情が移ってしまうので困るなぁ。などと思っていると、僕の斜め後ろに飼い主らしいおば様がいた。僕が渡りきって次の信号待ちをしていると、そのまま後ろを通過していく。一安心。 また道路を横断。後はスタジアム脇を通過し、高架の歩道橋まで道路の横断はない。走り出す。途中、順調にいってチョさんに電話できるのは7時10分頃か、と思う。スタジアムに差し掛かる頃から急に屋台が増え、辺りは食べ物の匂いが入り混じる。その屋台とお客さんをかわしながら走るものだから、大変。汗でシャツが濡れ、息があがり、へとへとになる。人の間をすり抜けるたび、荷物が煩わしく感じた。そうだ。こんなに苦しいのは、それだけが原因というわけではない。ジャンパーを着て走っている僕の格好にも原因が。日本だけでなく、韓国も暑かったのだ! コピョンプレヤーの方から大きな音が聞こえてくる。おっ、今日も入り口前のステージでライブをやっているのだな、と耳を澄ます。今はどんな音楽が韓国の若者にうけているのだろうか? ………デスメタルだった。げっそり。 歩道橋を越え、横目に東大門を見ながら走る。しかし、走るというより、もう早歩きになっていた。こんなに一生懸命走ってがんばらなくてもいいじゃないか。日本から来たのだし、遅れても仕方ないよ。チョさんも納得してくれるに違いない、と自分を完全擁護する考えで頭がいっぱいになる。やはり、地下鉄を乗り換えるべきだったか。東大門はなぜかライトアップされていず、暗い。 | ||||||||||||||
チェックイン | ||||||||||||||
水槽通り(韓国その4で命名)を過ぎ、おもちゃ問屋を示す看板を見つけ、通りに侵入。もう店じまいなのか、通りにお客さんの影が少なく、歩きやすかった。ここから上の方を見ると韓国語で書かれたホテルの看板が見える、と聞いていたので頭文字に神経集中。しかし、文字は読めるのだが「G」が見当たらない。この通りから細い通路で連絡しているはずだが。変だな、もっと先だろうか?と思いながら歩くうちに通りの出口まで来てしまった。仕方ない、聞いたほうが早かろう、ということで少し戻って閉店準備をしている店の人に「Gホテルはどうやっていくのですか?(韓国語)」という。最初、僕に韓国語で説明を始めるが、僕が聞いて理解できないことを伝えると、細い通路の入り口まで案内してくれた。お礼をいって別れる。細い通りはYの字に分岐していた。ホテルの前に食堂があるとも聞いていたので、広くなっている道を選ぶ。食堂とバイク屋を見つける。情報通り。 しかしおもちゃ問屋通りと平行に走っている水槽道りに出てしまう。細い通りを通過する間にホテルなどあったろうか?とりあえず、出た道の左右を確認。また尋ねないといけないかも、と思っているとホテル名が英語で書いてある入り口を発見した。ホテル横には荷物の配送会社が併設されている。ホテルは水槽通り沿いだったのだ!!これなら、おもちゃ問屋通りから来たのは遠回りである。時間と体力をまたしてもロスしてしまった。外見は想像したよりくたびれてるなぁ。北京で泊まった格安ホテルみたいな印象。1泊3,500円ならこんなものか、と思う。 ポーチから単語帳を取り出し、ホテル前に立っている男の人に見せる。それを見ると彼は僕を誘導するように受付に。何と!この人はたまたまホテル前にいた人だったらしい。スタッフ、というより管理人というのがぴったりな中年女性が中にいた。男の人は僕の単語帳を管理人に見せながら、韓国語で説明。それを聞いて管理人は僕に韓国語で何か話し始めた。僕が聞き取れないのがわかると英語に変わった。何日泊まる予定か、1人かと聞かれ、次いでパスポートを見せるように言われる。そして部屋のキーを渡された。301号室らしい。もちろんボーイなんて人はいない。日本のビジネスホテルみたいな感じである。荷物を持ち、横にあるエレベータのスイッチを押して待つ。 エレベータが1階に着くまでの間、周りを観察。なるほど、横には階段、後ろ(エレベーター正面)には公衆電話がある。エレベーターが到着し、3階へ。このエレベーターは遅い。3階の廊下で部屋を探す。僕の部屋は通路の端(水槽通り側)だった。 変だな、予約してあったのだからこの単語帳を見せるだけで「ああ、ペルシャたろーさんですね」となるはずなのに。たまたまホテルを探していた旅行者と勘違いされたのではないか?泊まれることになったのだから、まぁ、いいか。 しかしながら、単語帳は正解だった。ここまで来るのに息が切れ、酸欠で頭が回っていない。とても1夜漬けの韓国語では、上手くいえなかったであろう。 | ||||||||||||||
韓式301 | ||||||||||||||
鍵を開け、部屋に入る。むっとした熱気が来た。何だ、エアコンが暖房になっているのか?ドアを内側から見ると、心細い鍵だった。大学時代友人が借りていた安アパートを思い出した。靴を脱ぎ、中へ進入。右手にはトイレと一緒になっているバスルーム。正面にもう1枚ドア。そのドアを開けると大きなベッド。大きなバッグを下し、1歩踏み出すと足の裏に違和感が。 暖かい。この床はオンドルだったのだ!ホテルは今まで利用した洋式ではなく、韓国式だったのである。以前から興味があったのだが、期せずしてが味わえることになるとは、奇妙なものである。好感度アップ。スイッチを入れ部屋の明かりをつけると、照明も明るく、気持ち良い。ロイヤルホテルに見習って欲しいくらいだ。すぐにリュックをベッドの上に投げ、ジャンパーと長袖シャツを脱ぎ、Tシャツになる。まだ、息が切れて、はぁはぁいっている。ビデオカメラに報告。 ペ「はあっ(息切れです。)、何とかチェックインできました。ここが部屋だぁっ。
で、トイレなんですが…、
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電話のかけ方 | ||||||||||||||
部屋のドアをロックしてエレベーターのスイッチを押す。しかし、まどろっこしく感じて横の階段を使う。また息が切れる。管理人にチョさんの電話番号を見せ、「部屋の電話は(英語)どうやって使うのですか?(韓国語)」と聞くとだめだという。管理人は公衆電話を使うようにいった。携帯の番号や市外へは電話できないのだ。携帯はともかくとして、チョさんの自宅は市内のはずだが…。腑に落ちないが仕方がない。公衆電話の使い方も聞く。するとテレフォンカードが必要なことがわかる。 もちろんテレフォンカードは持っていない。買ってこなければならない。「テレフォンカードはどこで買えますか?(韓国語)」と聞くと、外へ出て左へ曲がって、100mほど行く…と、英語と身振りで説明を受けたが、具体的な場所がわからない。それで「ここへ書いてください。(韓国語)」というと、管理人は紙に地図を書き始めるが、どれがどの建物を意味しているのか良くわからない。とりあえず向かってみることにする。 外、というのは水槽通り。左側を100mほど歩いて見回すが、水槽屋以外はジュースやお菓子を売っているような小さな商店と食堂くらいで、とてもテレフォンカードを扱っているとは思えない。これはきっと通りを過ぎた先にある大通りのコンビニのことをいっているに違いない。そう考えて大通りへ。ところが大通りも近くにコンビニがない。 仕方なく戻ってもう1度探索。日本なら「テレフォンカード扱ってます」とか店のどこかに書いてありそうなものだが。ままよ、という気分で小さな商店に入る。中では店のおばちゃんと、その友人らしいおばちゃんが話をしていたところ。「テレフォンカードはありますか?(韓国語)」と聞いた。するとあった。こんな店(失礼な話である。)に。度数5,000Wと3,000Wのどちらにするか聞かれたので、もっと安いのはないかと1,000Wを希望する。どうせほとんど使わないのだ。しかし、そんな安いのはないらしく、結局3,000Wのテレフォンカードを買う。 ここで買い物をしているときに店のおばちゃんの友人に「この暑いのにこんなものを着て!」という感じで、僕のジャンパーを引っ張られた。いや、夜は冷えるに違いないので大丈夫。 ホテルに戻って公衆電話の受話器を取り、テレフォンカードを差し込む。失敗、方向ミス。もう1度いれる。携帯の電話番号を押し、呼び出し音が鳴る。電話は韓国語ですべきか日本語ですべきか。どきどき。ーでた。 ペ「もしもし?(韓国語)」 チ「もしもし。(韓国語)」 ペ「チョ・ジョンミンさんですか?ペルシャたろーです」 チ「ああ、こんにちは。遅くなりましたね」 僕が想像していたよりもずっと日本語が上手く、そして優しい声。遅くなって申し訳ないというと、いえいえ謝らなくとも、とチョさん。 チ「ご飯は食べられました?」 ペ「食べてません。お腹空いています。(笑)」 チ「予定表、見ました。それによると今夜はトイランドに行かれるのですね。それでは明日からにしましょうか」 僕としてはこれから一緒に夕食でも、と思っていたので残念だ。正直言ってトイランドなどおまけのようなものだ。でも良く考えると僕も疲れているし、チョさんの自宅もここから遠い。もっともである。チョさんは、明日9時に僕の部屋へ電話を入れてから来るといったが、この通り公衆電話しか使えない。それで直接部屋まで呼びに来てくれることになった。電話を切り、部屋に階段で戻る。もうエレベーターなんて面倒で待っていられない。階段のほうが健康にも良いはずだ。 | ||||||||||||||
やられた | ||||||||||||||
7時32分、部屋でビデオカメラに電話の経緯を報告。 ペ「初めて公衆電話から電話しましたよ。貴重な体験なんでしょうか?(笑)これは」
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コピョンプレヤーの誤解 | ||||||||||||||
![]() 僕は今までこの建物が東大門で1番高いので「コピョン(巨大。韓国語)プレヤー」なのだと思っていた。初めてトイランドへ来たとき(韓国その3)に参考にした雑誌の記事でも「この辺り(東大門)で1番高い建物」とあったし、トイランドへはその1番高い建物の裏側から入っているものとばかり思っていたのである。 ![]() 僕は予定表に「フレヤタウン」と書いている。だがそれはチョさんが判りやすかろう、という意味で韓国のパンフレット通り表記したに過ぎない。ああっ、初めて誤解していたことがわかった。韓国のパンフレットは正しい。溜め息。今後、きちんと言い分けることにしよう。呼び方は「フレヤタウン」を用いることとする。部屋に戻ったら、パンフレットをもう1度確認したい。 フレヤタウンへ回り込むべく、屋台が連なる通りに入る。フレヤタウン傍の屋台でハンバーガーが売っている。ハンバーガーは韓国語で「ヘムボーガー」というのだったよな、とか思いながら通過。フレヤタウン内に入りエレベーター乗り場へ。スイッチを押して待つが3台のエレベーターはどれも1階から程遠い位置。待ちきれず、エスカレーターで上ることにする。おもちゃ屋以外は衣料品やアクセサリーばかりと思っていたが、8階にゲームセンターを発見。こんなところにあったとは。前にあったろうか?と記憶をたどるが全く思い出せず。トイランドのある9階に着く。意外とこのフロアにお客さんがたくさんいる。日本人はいないようだが、こんなのは初めてだ。ロッカーに荷物を全て預け、ガラスで仕切られてる店内に入る。今回は隠し撮りはなしだ。 ゲートを通過して、以前合体物が置いてあった壁面に向かう。が、そこは教育物のコーナーに変わっており、レゴなど置いてある。レゴの中に20cmほどのダースベイダー(スターウォーズ)を発見。むらさきさんは好きなはずだが、今の禁欲生活で欲しがるだろうか?日本で売ってたらばかみたい(担当でないので僕はレゴに詳しくないのです。)だし、と結局見送る。なぜか教育物コーナーに1/25戦車のプラモデルが置いてあるので不思議な気持ちに。1/6ハーレー(バイク)のプラモデルも置いてあった。韓国メーカーの物ばかり。場違いである。それとも「追いやられて」しまったのか。 | ||||||||||||||
変な日本人 | ||||||||||||||
30分は居たと思うが、トイランドで何も買わなかった。トイレに立ち寄る。窓を見ると僕の宿の方角。地形がわかるのでは、と目を凝らすが暗くてだめ。窓を凝視しているのを後から入ってきた中年の韓国人に見られた。不思議なものを見る目で僕を。ごまかす。トイレで用を済ませてから、明日歩き回るのを考えて、無理にでも食事をとらないといけないと思う。最初、普通の食堂で食べるつもりであったが、面倒くさくなり、同じフロアにあるロッテリアを利用する。ここは24時間営業だった。切羽詰ったら利用できるだろう。テーブルが余りなく、大勢での利用は向いてなさそう。プルコギバーガーセットを注文。注文してから、別のものを頼めば良かったと思う。他にも美味しそうなものがあったのだから。どうも体が韓国ならでは、を求めていたらしい。が、僕が食べていたプルコギとほど遠い味でショック。Y岸(韓国その1で登場)の奥さんが「あれだけは止めたほうが」といっていた訳がわかった。コーラは日本のに比べて炭酸が多く、ポテトにはケチャップ。これは韓国らしくて良い。仙豆(カフェインの錠剤のこと。I川君、命名。(笑)車の運転時に眠くなったとき用に、薬局で普通に販売しています。12錠で500円ほど。)をホテルに置いてくるのじゃなかった、と思う。あれを飲むと眠気どころか疲れまできれいに吹き飛ぶのだ。20分ほどで効いてくるはず。せっかくここに水(コーラ)があるのに。部屋の水は硬水で飲めないかもしれないので、帰りにお茶を買っていこうと思う。 食べながら周りを観察。他の人は皆薄着でジャンパーを着ている者など1人も居ない。例え下がTシャツでも外からわからないので、僕の格好はおかしく見えているのではなかろうか?ロッテリアの前にちょっとしたゲームコーナーがあった。食べ終わって見に行くが、何か古臭く、やる気になるものはなし。8階のゲームセンターはどうだろうか?と興味が沸いた。エスカレーターで下へ。 8階は全フロアがゲームセンターらしい。今まで見たゲームセンターと違って、男臭くない。女性も満遍なく遊んでいる。年齢も若者の街(韓国その5。ガイドさんに言われました。)にふさわしい。テーブル筐体を見るが、バーチャファイター4が置いてない。韓国のプレイヤーと戦いたかったのに。その他の格闘ゲームは鉄拳。あとはキング・オブ・ファイターがある。SNKは以前韓国のメーカーと提携していたので、その名残か。しかしどちらも苦手。興味を引いたのは、三国志の横スクロール型アクションゲーム。ファイナルファイト(カプコン)というよりはセガのゴールデンアックスみたいである。やりたいが、説明が韓国語でわからない。結局デモ画面を見るのに終始してしまう。そのデモ画面にホームページのアドレス(http://www.igs.com.tw)があったので記憶。日本に帰ったら見てみよう。 メダルゲームの壁面は、スロットマシンになっている。一緒にトランプや花札といったギャンブル性の高いゲームが置いてあって、それぞれお客さんがついていた。不思議と麻雀がない。1番ハマるはずだが。日本から持ってこようにも脱衣、という要素が韓国で邪魔をしているのだろうか。そういえば、先ほどのテーブル筐体のほうに囲碁を見つけたが、将棋がない。韓国で囲碁は有名なので置いてあって当然だが、将棋もあるのになぜ置かないのだろう? 帰る前にフロアを一周。プリクラの筐体が目に付くが、驚いたのは体感ゲームの多さ。フロアの半分近くをコーナー枠に用意している。韓国人の健康志向(韓国その6)の現れか。げっ、体の動きをそのまま画面に反映(キャプチャ)する筐体がある!しかも画面に映っているソフトは鉄拳だ!!!最近ゲームセンターに行っていないが、これは日本にないと思う。 下りエスカレーターの横には、ビリヤードの「ゲーム」があった。本式のもあったが、これは1人用。ラシャ面にボーリングのピンが並ぶような穴が開いていて、入ると得点になるようだ。エスカレーターに寄りかかり、外へ向かう。思った以上に疲れているようだ。 doota!前では先ほどと別のアーティストが演奏していた。観客に女の子(中〜高校生風)が増え、盛り上がっている。声援が激しいことからも人気のあるグループだということが伺えた。しかしビデオ撮影する気力がなく、一路水槽通りを目指す。ついにジャンパーを着ている人には1人も出会わなかった。MA-1は失敗か?僕は日本だけでなく、韓国でも変な人になってしまったのだ! | ||||||||||||||
熱帯夜 | ||||||||||||||
歩道橋で煮売り屋台のおばちゃんを恨めしそうに見ておく。やっぱり500Wしか書いてない。 水槽通り角に商店があったので、飲料水を購入することにした。入ってお茶の500mlペットボトルを買おうと話し掛けると、「日本人か?(韓国語)」と聞かれ、そうだ、というと握手を求められる。訳わからずに握手。激しいシェイク。親日家だったのだろうか?「さよなら。(韓国語)」、といってホテルに向かう。韓国語のさよならは見送る方と立ち去る方で使うフレーズが違う。前の旅行(韓国その6)では覚えられなかったので、どちらでも使える「じゃ、またね。(ト・マンナヨ)」を使っていた。しかし、今回から意識的にきちんとした挨拶を心がけるようにしたのだ。 部屋に戻って仙豆をお茶で飲む。これで11時に寝て起きれば、疲れも取れて体調も万全のはず。備え付けの冷蔵庫に残ったお茶を収納。フリーザーが一体で剥き出しのタイプだ。もしかしたら、長時間入れておくと凍り始めるかもしれない。汗ばんだ体が気持ち悪かったので、シャワーを浴びて髪が乾くまでTVを見る。チャンネルを調べるとケーブルTVか衛星TVなのか、かなりたくさんの局が入っている。アダルト局が1チャンネルだけあり、90ch。少し見たが、飽きてリモコンでザッピング。58chのNHKBS1では、ニュースをやっており、釜山の中華航空墜落事故を伝えていた。僕が気に入ったのは、50chのアリランコリア(Arirang KOREA)。韓国の伝統的な踊りを外国人向けに放送しているらしい。英語だが字幕が入るので理解は出来る。例えば、太鼓を抱えた女性が演奏しながら踊っていると「チャンゴーという楽器は、韓国の伝統的な楽器で、肩からのベルトによって支えられている」という風な具合。韓国の踊りは優雅で見とれてしまう。男性も女性も韓服を着て回りながら踊っている。特に女性の韓服は回るたびにふわりとスカートが広がって美しい。回転する踊りを見ている間、なぜ一様に左回りなのだろうか?と気になった。 そろそろ寝なくては。TVのスイッチを切る。部屋のオンドルが利き過ぎて熱い。窓を全開にする。東大門の喧騒が、ホテルが近いにもかかわらずほとんど届かない。いい場所である。そよそよと入る風が心地よく、まどろむ。 ーはっ!目覚めたら1時間しか経ってなかった。11時51分、薬の効果が出てしまったのだ!!失敗続きで少し落ち込む。喉がひどく乾いているので、お茶を飲む。でももの足りない。甘いものが欲しくなり、買いに出ることにした。疲れが体に甘いものを要求しているだろう。外へ出て仰天。すごい雨が降っていたのだ。傘を持ってきていない。明日(もう今日だ。)どうなるんだろう?韓国ならではの気象で、一気に降って一気に止んでくれると助かるのだが。迷ったが、甘いものへの誘惑に勝てなくて走る。水槽通りは真っ暗で商店は閉まっている。さっきテレフォンカードを買うときに大通りで見かけた商店はどうだろう?大通りを南(高架橋側)へ。 | ||||||||||||||
どうしても | ||||||||||||||
良かった。商店はまだやっていた。おばちゃんが店番をしていて、テレフォンカードを買った店と同じように、友達らしき人と話をしていた。ジュースよりもアイスクリームが気になって、店の外にあるフリーザーを覗き込む。僕の大好きな韓国のプレミアムアイス「ナットゥル」は売っていない。代わりにいつから置いてあるのかわからない(失礼な話である。)アイスクリームが入っていた。種類がたくさんあって選べるのはいいが、どれも1つずつくらいしかないのが余計「売れ残り」を感じさせる。比較的美味しそうなクリーム系(シャーベット系でない方)のストロベリー味に決めて店のおばちゃんに渡す。目に入った1.5lペットボトルのオレンジ100%ジュースも買う。「全部でいくらですか?(韓国語)」と聞いてお金を払うときに足元に2匹の猫がいることに気づいた。1匹は白と茶のブチで、もう1匹は黒。どうしても触りたくなってしゃがむ。特に黒猫の方。カメラを持ってくるのだった。飼われているせいか、警戒しているようだが逃げない。お腹を触り、なでながら「かわいい。すごくかわいい。(韓国語)」というと店の人はにっこり笑った。名残惜しい。よし、明日カメラを持ってここへ来るぞ、と決意してホテルに戻った。 アイスを食べる前に用心のため、猫を触った手を洗う。TVをつける。BS1では世界天気予報という番組で、16日のソウルはひどい土砂降りになるという風にやっていた。その次の日からも曇りが続くという。ついてない。ビデオカメラにアイスクリームを買ってくるまでの経緯を報告。午前12時20分。食べる前の状態を撮影。
ペ「とりあえず、スプーンもらえなかったんで、ちゃんとJALの機内食のスプーンを使わずに持ってきたので、これで食べようと思いまーす。後で食後の感想、いいますね」
12時23分、2口くらい食べて撮影再開。…50円(500Wでした。)のアイスというのはこんなもんなのだろうか?(笑)何か変質してしまったのか、パッケージのとは違って、ふわっとした感じでなく、ものすごく甘いシャーベットである。 |