日本史を語る

10.日本武尊と神功皇后(2)

 日本武尊と神功皇后が架空の人物であると前回書きましたが、それでは成務天皇と仲哀天皇は実在したのでしょうか?
 
 成務天皇は景行天皇の子で、日本武尊の兄弟です。日本武尊が実在していなくても実在の可能性が高い景行天皇の子供であるから、成務天皇もまた実在するのでしょうか?
 成務天皇の業績は記紀に載っていますが、先3代の業績の焼き直しに終始しており、実際の記録は無いと言っても良いほどです。
 
 さらに、名前も7世紀頃天皇に付けられた名前と同じ付け方です。「ワカタラシヒコ」という名前なのですが、「タラシヒコ」は修飾部分であり、それを除くと「ワカ」しか残りません。
 父景行天皇が「オオタラシヒコオシロワケ」となっており、「オシロワケ」という名前は他の応神天皇・履中天皇等と同じ付け方です。これは、記紀編纂時に成務天皇が創られたからではないでしょうか。
 仲哀天皇も成務と同様です。さらに架空の人物である倭建命の子で架空の神功皇后の夫です。もはや彼も実在の可能性が低いと考えて良さそうです。
 では、景行天皇から応神天皇はどういう繋がりがあるのでしょう?
 そして架空の夫婦から生まれた応神もまた架空の人物なのでしょうか?
 実は、応神天皇は景行天皇の孫娘を妻にしています。このあたりにヒントが隠されているようです。
2000年作

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