「そこにだけぽつんとあるように」
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キャターズアイ。
裏切りの使徒の証。
破壊を司る神秘の石。
猫の目のような光を放つ。
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すべての引き金となった魔力の石は、そこにあった。
まるで瓦礫が石を避けたような形で。
帝国は滅び、
かつて賢者とよばれていた男も亡く、
暗黒神は闇に返った。
けれど。
戦いは終わっても
すべてが元通りになることはない。
静寂の中、
かえらぬ姉の名をつぶやいた時、
魔力の石に、濃い影がゆらめいたように見えた。
はっとした。
・・・次の瞬間には、
魔力の石は先ほどと変わらずあった。
現実の光を反射して、
そこにだけ、ぽつんとあるように。
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02のプロローグの後に、今度はいきなり最終決戦後と、
話の流れは全く無視です。
不親切ですみません。
ぽつんとあるもの〜、と考えてたら、
決戦後のキャターズアイを拾いに行くユーシスが浮かびました。
ユーシスとミザールはもう「哀しい」というイメージがばっちりくっついておりまして。
ユーシスはミザールに比べて、登場時には、
なぜ姉があのような行動をとったのか、理解できないような、
少し子供っぽい、というか若さのようなもの、を感じるのですが、
戦いの後、彼女の苦しみ・哀しみは姉の後を継いで天使長となったころより、
業や運命が深く感じ取れるような、大人っぽくなったような気がするんです。
しかし、ユーシスでなくて、キャターズアイが主役なんじゃ?
この絵。