遺言の必要性について
我が国の民法は、相続の順位や相続人の相続分を定めています。ただし、この規定は、あくまでも一般的な家族関係を想定したものであり、個々の家族にはそれぞれの事情があるため、民法に定める法定相続の規定を適用することが、かえって不公平・不都合を生じることがあります。また、相続を巡って親族が不仲になってしまうこともあることから、被相続人の判断能力がしっかりしている生前中に、個々の家族の事情に合った遺言書を作成することで、こうした不都合を防ぐことができます。生前中に遺言書を作成し、相続や遺贈について具体的に決めておくことは賢明と言えるでしょう。
遺言が必要なケース
特に遺言書が必要と思われるケースを挙げてみます。
1.子供、養子がいない場合
2.法定相続人以外の人にも財産を分けてやりたい場合
3.内縁の妻に財産を分けてやりたい場合 (婚姻届を出していない夫婦)
4.財産の分散を避けたい場合
5.相続人の実情に合せて相続させたい場合
6.相続人が全くいない場合
7.相続人の中に行方不明者や未成年者がいる場合
8.団体等に寄付したい場合
遺言の方式について・・・ いずれの方式も法律の定める方法により行う必要があります。
普通方式として次の方式があります。
| 公正証書遺言 |
後々のトラブルが少なく、最も確実な方法です。 詳しくはこちらをご覧ください。 |
| 自筆証書遺言 |
1人でいつでも作成できますが、トラブルを招きやすい方式といわれます。裁判所の検認が必要 |
| 秘密証書遺言 |
実際にはほとんど用いられていません。 |
特別方式として
| 危急時遺言 |
病気などで死亡が危急に迫っている場合。 |
| 隔絶地遺言 |
伝染病などで一般社会と隔絶した場所でする場合。 |
遺言によってできる行為・・・ 10項目あります。

@ 認知
A 後見人の指定、後見人監督人の指定 (子供の後見人等の指定)
B 相続人の廃除、廃除の取り消し
C 相続分の指定、指定の委託 (相続分の割合指定・法定相続分を変更する)
D 遺産分割方法の指定、指定の委託
E 遺産分割の禁止 (相続開始後5年間まで遺産分割を禁止することができます)
F 相続人間の担保責任の指定
G 遺贈の減殺方法の指定
H 遺言執行者の指定、指定の委託 (認知・遺贈の場合は遺言執行人を指定)
I 遺贈、寄付行為
公正証書遺言の手続き・・・ ● 後日のトラブルが少なく、最も安全・確実な方法です。
● 証人 (公証役場に同行し、立ち合ってもらえる人) 2人以上が必要です。
● 本人が遺言の内容を口頭で述べる。 (あらかじめ内容を整理しておくこと)
● 公証人が遺言内容を本人と証人に読み聞かせる。
● 本人と証人が遺言書の内容を確認し、署名押印(本人は実印、証人は認印で可)する。
● 公証人が署名押印する。
※ 公正証書遺言の原本は遺言者が死亡するまで公証役場に保管されますから安心です。
※ 公正証書遺言は、相続が開始した場合の裁判所の検認の手続が不要です。
自筆証書遺言の作り方・・・ 自分独りで作成できますが、以下の方式に従って作成することが必要です。 
以下の事項について、必ず、遺言者本人が遺言書の全文を手書きすること。
〇 遺言の全文、日付(年月日)
〇 遺言者の氏名、押捺 (印鑑は認印も可)
〇 相続させる財産を明確に特定すること。
〇 相手を明確に特定すること。
〇 相手が相続人の場合は「相続させる」と書く。
※ 方式に従わない遺言書や訂正は無効です。
※ 自筆証書遺言は、相続が開始した場合に裁判所の検認が必要になります。
遺留分について・・・ 法定相続人に一定割合の相続財産を留保しようという制度です。 
〇 相続人が配偶者・直系卑属の場合 ・・・・被相続人の財産の1/2
〇 相続人が直系尊属のみの場合 ・・・・・・・被相続人の財産の1/3
※ 個々の遺留分は各相続人の法定相続分によります。
※ 兄弟姉妹に遺留分はありません。
遺留分減殺請求権について
| 〇 |
遺留分権利者は、遺留分を侵害された場合に、減殺請求により自分の遺留分を取り戻すことができます。 |
| 〇 |
減殺請求は、相続の開始、贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年以内にしなければなりません。 |
| 〇 |
減殺の順序は、遺贈から先に減殺し、それでも満たない場合は贈与から減殺します。
遺言で減殺の順序に定めがある場合はそれに従います。 |
| 相続や公正証書遺言のことならお気軽にご相談ください。 |
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