BACK


<近畿自然歩道・丹後&日本海沿岸ルート>

 後 編 ・・・大阪・箕面公園から福井・敦賀市
期 間:平成16年4月27日から5月9日

 ・・・・・・続 き・・・・・・ 
 第6日目 5月3日(天気 曇):菅原神社先から二王公園
                    (距離25Km)行動7時間30分。
 長老ケ岳へ高度を上げるとシングルトレイルになり踏跡も薄くなる。地図では途中から仏主峠を越えるようだがトレイルは山頂方向に向かっている「分岐点を見落としたかな?」と不安になるがそのままトレイルに従う。
 山頂付近で古い標示杭が下山路を示していたので下る。20分ほど踏跡を頼りに下ると100mほど下方に舗装道が見えたので道路目指してヤブの隙間を下った。
 林道はいつの間にか正規のトレイルに合流し、仏主集落から再度コル越えをして下ると上林川の上流に出た。ここにも町起こしの施設「あやべ温泉」と二王公園がある。早速公園の隅にテントを設営して温泉に入る。
 明日は西舞鶴市に着き京都府内のコースは完了見込み。しかし、雨の予報だから今日の内に2km先の光明寺を往復しよう。この寺は聖徳太子の創建による古刹で二王門は白鳳時代の建立で国宝指定とか。


 第7日目 5月4日(天気 雨):二王公園から七日市町公園
                    (距離21Km)行動6時間10分。
 大雨なら「温泉もあるし停滞しよう」と思っていたが、夜明けには強風だが雨は小降りになったので出発。川沿いの車道は突風で傘も差せないが、1時間も進むと尾根の中に入り風は弱くなる。弥仙山まで標高差700mの登りを「今回最後の登り」と言い聞かせて山道を登る。この山は修験者の信仰の場で、山頂には金峯神社が日本海からの風雪に耐えた風格を持っていた。
 雨は終日止まないようで下山して西舞鶴市内に入っても本降りだ。今夜は是非とも屋根の下に設営したい。前回帰路に入った「光の湯」の近くを通るので、こんな雨の日には再度入浴したいものだ。
 繁華街に近くなれば野営地の可能性は益々なくなるので、温泉方面へ公園を求めて進むと幸い七日市町と云う所に小さな公園があり、日除けの3畳ほどの屋根付き休憩場があり周囲が民家でクレームが付きそうだ。とりあえず荷物だけ置いて10分ほど離れた温泉に行く。
 日暮れて車の通りも少なくなったのでテント内でビールを飲んでいたら若い巡査が2名来て「モシモシ」と状況を問われた。雨で野営出来ない旨話して予定を話すと氏名と住所、生年月日をメモして引き上げた。どうやら近所から電話があって職務質問に来たらしい。
 ともあれ異端な旅だからオマワリも不審に思うのは当り前かも知れない。最近は拉致問題や不法入国者の増加で見慣れない者に神経質のようだ。


 第8日目 5月5日(天気 曇後晴):七日市町公園から西津
                        (距離34Km)行動8時間20分。
 今日からしばらく雨の心配はない。昨日の雨がウソのような素晴らしい天気で、歩きも快調だ。西舞鶴駅から5分待ちの電車で前回の下山地・高浜駅へ向かう。早朝は1時間ほど間隔だから時間を有効に使えた。
トレイルは福井県に入り若狭湾沿いを忠実に進む。若狭国定公園は大小の岬と入江が幾つもあり、リアス式海岸と入江の集落は小さな漁港や海水浴場で民宿のカンバンが目立つが、今はシーズンオフで閑散としている。
 2ケ月前に来た時の日本海は白波を立て荒海だったが、今回は凪で打ち寄せる波も優しげな音を立てている。小浜市で駅に立ち寄り帰路の敦賀からの夜行バスの手配をする。
 40分ほど進んで西津集落にある総合公園にテントを張る。一段落して確認のためキップを調べると、なんと乗車日が今日になっている。購入時に駅員から指定日、行き先等を復唱して受け取ったのに間違えているとは!<兎も角駅へ行って変更しなければ>と疲れも忘れて駅に戻る。幸い同じ係員で経過を覚えていて「スミマセン」と云って正規の日に変更してくれた。それにしても、頭脳へのカロリー不足かボケーツとしていて大いに反省した一件だった。


 第9日目 5月6日(天気 快晴):西津から三方食見
                      (距離29Km)行動6時間40分。
 昨日と同様に岬と入江歩きに終始する。黒崎半島の突端の展望台に来て、後は入江の食見集落まで3km弱だと進むと「この先ガケ崩れで全面通行禁止」と柵止めに遭う。引き返すには10km以上かかる。
 展望台から尾根登山路の標示板に従い半島の背尾根を登り、どうにか食見集落に着く。とんだアルバイトをしたものだが、予定より2日早く行動しているので時間的には余裕がある。でも、気持ちを緩めるとロクなことはないので気合を入れて歩こう。
 今夜も晴だが夜露があるので、自然歩道脇の東屋の休憩所に設営。明日1泊で終了出来そうだから食料の整理をして荷物は一段と軽くなる。荷物が軽いと心も軽くルンルン気分で歩く最高の日々である。昼前にテントを設営したので暇を持て余して2回目の洗濯をする。


 第10日目 5月7日(天気 快晴):三方食見から美浜和田園地
                       (距離26Km)行動6時間10分。
 昨日のガケ崩れに懲りて今日の世久見と海山集落間のシングルトレイルも心配になり、遠道になるが車道216号線を選ぶ。三方湖畔沿いは福井梅の発祥地とかで梅林が続く、土産用として道脇の出店が並ぶ中に「ご自由に試食下さい」と梅ジュースと梅粕の展示があったのでジュース2杯と梅をいただく。歩いていると身体がカツカツして来てジュースの効果テキメン。
 良い気分で五湖のうち三湖の湖畔を進む。看板の説明によると「若狭湾の沈下により凹地部が水面下になり湖となった」そうだ。海に注ぐ久々子湖で散歩中の年配者が「どちらから?」と声をかけて来たので自然歩道の現状を説明。土地の人で昔と比べて「便利になったが住み難い世の中だ」と嘆いていた。
 明日の行動を考慮して美浜町の和田園地に野営する。園地内は整備も良くてテント地としては最適だが「キャンプ禁止」の大きなカンバンが数ヶ所あり、しかたなく隣接した浜辺に自然歩道の休憩所にする。ここには水がないので園地から貰う。


 第11日目 5月8日(天気 快晴):美浜和田園地から敦賀松島町
                      (距離24Km)行動5時間50分。
 本トレイルの最終日は県道33号を歩く。敦賀半島を途中まで行き半島を横断して馬背峠を越えて敦賀湾に出る。美浜と敦賀は原子力発電所で有名だが万一事故でもあれば自然破壊や生活破壊を想像してゾッとする。
 近畿自然歩道の終点地は中部北陸自然歩道の起点でもある松島町で、近くに日本三大松原の一つで「一夜にして出来た」と云われる気比の松原の名勝地である。案内板には「静岡の三保、佐賀の虹、気比の松原を三大松原」とのこと。松原と云えば、前回歩いた天の橋立の景観を思い出す。
 夜行バスはJR敦賀駅には停車しないので2km離れた敦賀インターまで行く。その先の日帰り天然温泉「リラ・ポート」で10時間ほど待ち時間があるのでユックリと湯治した。
 
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

3 あとがき(教訓と所感)
 
 1)思惑通りの好天気が続き雨天は1日だけ。トレイルが明白で案内も完備しており加えて平坦なコースが多かったので、先を急いだ訳でもないが予定を2日短縮。この時期は気候も良く山旅には最適なシーズンを再確認。

 2)このルートは古代から日本の文化の中心であった土地柄を偲ばせてくれた。更に有史以前の弥生・縄文時代の人々の暮らまでも想像を膨らませる景観だった。

 3)道中で銭湯や天然温泉に計5回(園部町、日吉ダム、二王公園、西舞鶴市、敦賀市)の入浴出来て疲労回復に効果があった。今後も「疲れを翌日に残さない」パターンを心がけたい。

 4)これまで歩いた自然歩道で、京都府の整備は最も良くガイドブックも日帰りハイキング用に良く編集されていた。京都府内の日本海沿岸ルートは16、丹後大阪ルートは14、福井県内の日本海ふれあいルートは10コースを日帰り1日コースとして紹介している。


 5)食料・装備について
5−1)切干ダイコンを適量200ccのポットに浸して翌日の行動食にした。
5−2)豚コマを買ってトン汁をした。
5−3)飯に梅酢を少量フリカケ酢飯にした。
5−4)行動食に魚類ソーセージ(細)良好。
5−5)テントの下敷用に周囲の落葉を利用した。
5−6)長時間ライト(LED白色高輝度)は軽量化に貢献。
5−7)公園内の野営は夜灯のお陰でローソクの使用量が少ない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

この続きは・・・・ 概念図&タイム&写真へ  会計&資料へ

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
 TOP BACK