Rock'n Roll Car Jack - vol.5(July)
6回シリーズの5回目は、7月〜8月。梅雨も明けて、真夏の海へ!山へ!太陽を一杯に浴びる、私の大好きな季節の到来なのだ!イェイ!
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登場人物紹介
圭介
音楽は「表現」だといつも思っている、ベーシスト兼作曲家兼アレンジャー。
小学6年生で最初のロックバンド結成以来、無数のバンド活動を経て現在に至る。
仲間から生き字引とまで言われる70年代〜80年代のロックについての知識は、彼の作曲に多大なる影響を与えている。
えり
音楽は「はあと」だといつも思っている、コマーシャルの音楽プロデューサー。
幼少の頃からピアノや作曲を学び、ヤマハ音楽教室の講師を経て現在に至る。
聴く音楽のジャンルは幅広く、その事が彼女の仕事に大いに役立っている。
電話のベルが鳴っている。 |
M- 1 SURFIN' BIRD / THE TRASHMEN
(1964) サーフィン・バード / ザ・トラッシュメン 直射日光が眩しすぎる。眩しいのも俺は嫌いだ。 「コイツ等、実はサーフィンを一度もやったことがないんだよ。」 「はぁ?でも、サーファーバンドなんでしょ?」 「うん。でも、海のないミネアポリス出身のインチキサーファーバンド。」 「陸サーファーって言うより、山サーファーだねぇ。」 「一度トライしてみたものの、やっぱり出来なくて帰っちゃったらしい。」 「えーっ!笑える!」 「ベンチャーズと比べると、ワイルドでしょ。」 「う〜ん、パンクかな?コミックパンク。」 |
M- 2 YUMMY YUMMY YUMMY / OHIO EXPRESS
(1968) ヤミー・ヤミー・ヤミー / オハイオ・エクスプレス 我慢できなくてサングラスをかけた。それにしても暑い! 「あっ!出ました!オハイオエクスプレス!」 「こーゆー曲、えり、好きでしょ。」 「うん!楽しくなっちゃう!」 「やっぱりね。」 「どーゆー事?」 「いや、実はこの曲、"おいしい、おいしい、おいしい"っていう意味の、子供用の曲だから。」 「・・・つまり、どーゆー事?!」 |
M- 3 THE TIDE IS HIGH / BLONDIE (1980) 夢見るNo.1 / ブロンディ 渋滞につかまってしまった。日射しは相変わらず強い。 「元々はパンクバンドだったんだよ。」 「ふ〜ん・・・。でも、私はポップな曲の印象の方が強いなぁ。」 「ディスコサウンドやら、レゲエやら取り入れて、どんどんBIGになっていったんだ。」 「そういえば私、この曲と、"コール・ミー"の2曲をCMプレゼンテーションに出した事あるよ。」 「ブロンディの曲が最近、車やドリンクのCM音楽で使われてたりしたのは、俺達の努力が今になって実ったって事かな。」 「私がやりたかった!」 |
M- 4 THE HARDER THEY COME / KEITH
RICHARDS (1979) ハーダー・ゼイ・カム / キースリチャーズ クーラーを最強にしても、追いつかない。でも、えりは元気だ。 「あれ?この曲、カバーじゃない?」 「その通り!ジミー・クリフの曲。今やプレミアムが付いている貴重盤!」 「私、プライベートではあんまりレゲエって聴かないなぁ。」 「俺も実はそう。でも、キースのこの曲が、俺にレゲエというジャンルを意識させたんだ。」 「そういうパイロット的なバンドっているよね。」 「この曲は、ストーンズが活動休止中にファンサービスの為にリリースしたシングル。」 「なんで活動休止してたの?」 「カナダで捕まってた。」 |
M- 5 DRIVIN' AROWND / RASPBERRIES (1972) ドライビン・アラウンド / ラズベリーズ 遂に目的地を変更。こんな暑い日に渋滞なんかマッピラだ。 「ラズベリーズって、最近エリック・カルメンがソロを出したんだよね?」 「ジェリーフィッシュから遡ってチープトリック、そこからまた更に遡ってラズベリーズ。 そうやって再評価されて来て、俺はうれしいよ。」 「あ、そのラインは私、ぜ〜んぶ好き!!」 「ラズベリーズの曲って、クラシックっぽいのと、UKロックっぽいのと、この曲のようにビーチボーイズっぽいのと、 3つに分けられる。曲はいいけどルックスはダサかった。白いスーツだったし。」 「圭介って、結構ルックスにこだわるよねぇ?」 「・・・・・。」 |
M- 6 HEY DEANIE / SHAUN CASSIDY (1977) ヘイ・デニー / ショーン・キャシディ 渋滞の列は、海や山へと繋がっている。 「この曲は、エリック・カルメンがショーン・キャシディの為に書き下ろした曲。」 「ショーン・キャシディって、カバーも多いよね。」 「うん。キャシディ家は、ハリウッドの芸能一家で、父はプロデューサーだし母は女優だし兄はミュージシャンだし。」 「お兄さんって、デビッド・キャシディだ! 」 |
M- 7 SUNDAY / BUSTER (1976) すてきなサンデー / バスター イントロが始まると同時にえりが手拍子の準備を始めてしまった。 「名曲です。」 「うん。私もそう思う。」 「お金を貯めて、この曲の権利を買うのが俺のユメです!。」 「いくらぐらいするのかなぁ?」 「二足三文だと思う。」 |
M- 8 WE MADE IT LAST SUMMERTIME / PAT
McGLYNN'S SCOTTIES (1977) |
M- 9 I GO TO PIECES / RACHEL SWEET
(1979) アイ・ゴー・トゥ・ピーセス / レイチェル・スイート 郊外の裏道をすり抜ける。民家が立ち並ぶ細い道を何度も曲がって走る。 「"悲しき街角"の、デルジャノンの作曲で、後にピーター&ゴードンがヒットさせた曲なんだよ。」 「かわいい感じの声だね。」 「当時は彼女も16才。顔もかわいかった。」 「アイドルだったの?」 「レイチェル・スイートがいたレーベルは、彼女以外はパンクかニューウエーブだったのに、いきなりアイドルが出現した。 いや、ホント、かわいかったんだよ。」 「圭介って、やっぱりルックスにこだわるよねぇ?」 「・・・」 |
M-10 SCHOOL'S OUT / ALICE COOPER RICHARDS
(1973) スクールズ・アウト / アリス・クーパー 「あ!遊園地だ〜っ!」 いきなり見えて来たこの遊園地には、でっかいプールがあって、本物の海よりもリゾート的な気分を満喫できる施設が整っている。 とにかく俺は、あちこちに砂が付くのが嫌なんだ。 「夏休みだ!学校終わった!っていう曲。この人の歌詞は学園物が多い。」 「アリス・クーパーと言えば、やっぱりメイクが浮かぶなぁ。」 「元々は、"アリスクーパー"っていうバンドの名前だったんだよ。」 「何だか、ロッキーホラーショウを思い出しちゃう。」 「"シアトリカルロック"とも言われてたしね。あと、"グラムロック"又は"ホモホモロック"」 「シアトリカルロックならば、私は"キッス"か"スパークス"だな。」 「キッスに近いステージのやり方をする人だね。」 |
今回のテープを聴き終わった後で、えりがバスターのCDが欲しいと言い始めた。
俺としてはプレゼントしてやりたい気持ちは充分にあるんだけど、残念ながらCDになっていない。 スコッティーズにしても同じ事が言える。 日本においてこのあたりの洋楽曲は、とてもとても重要な役割を果たしているのに、CDになっていない。 みんな、実際に通って来た道の筈なのに、その事を何故か隠している!コレクターズアイテムのジャンルからさえも抜け落ちている。 だから、かなり努力をして探さないと見つからない。 俺なんか関東だけじゃなく、関西や九州の中古レコードショップを回り歩いた結果 、こうやってえりを満足させる事が出来た訳なんだけど、出来ればどっかのメーカーから、オムニバスでもいいから発売して欲しいもんだよ。 何枚売れるかは保証出来ないけどね。 とにかく今日は帰ったらシャワーでも浴びて・・・。ギターの手入れでもやるとすっか! |
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