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紙芝居で子どもをひきつける

   読み聞かせの技術をあげるためのページです
             千葉昌之 HIP


1.紙芝居「場」の設定
 紙芝居は、学校にもたくさんあるでしょうし、図書館でも借りることが出来ます。少々大きいのが難ですが。私が紙芝居を行った時は、まず「場」の設定をしていました。

 子ども達を床に座らせる。(バラバラに)教師は机の上に紙芝居を置く。
紙芝居が見えるように、前に来て、床に座りなさい。

 こう言います。さらに、「『2つの約束』を守るのなら、友達と一緒に座ってもいいこと。」「前にある机にも座っていいこと」などの指示を加えます。「見えない子」への配慮をしてあげたら、場づくりは終了です。

2.開始時の「盛り上げ」

 第1回目の時、何も言わずに紙芝居を両手で持ち上げ、机に打ち付けます。「パン・パン・パン・パン・・・」と10回程打ち付けた後にこう言います。

この音に合わせて、拍手をしてください。

 イメージとしては、「拍子木」の音です。「パン・パン・パン・パン・・・」と徐々に早く、音は小さくしていきます。そして、最後に紙を大きく持ち上げて「パン」と大きな音。これから、紙芝居が始まります。2回目からは、紙をたたくだけで、子ども達が拍手をしながら、座るようになります。拍手はまばらですが、だんだん大きくなっていきます。最後の「パン」で全員が拍手をし、集中することになります。この拍手の長さは、場の設定の時間に合わせて、変えると良いでしょう。

3.読んでいる途中で

 紙芝居をやったことがある人ならわかると思いますが、子ども達の集中は「読み聞かせ」以上です。視覚と聴覚に訴えかけているからでしょうか。教師の顔が紙に隠れているので、つい早口になってしまいがちです。たまに次のことをしましょう。

紙の上(横)から、子ども達の様子をのぞく。

 子どもたちの集中具合がわかりますし、子どもの真剣なまなざしを見るのも心地よいものです。のぞいていると、「あっ、先生だ」という子がいます。面白い顔をしたり、手を振ってあげると、子ども達は喜びます。あまりやりすぎると、紙芝居からは離れてしまうことになりますが。
4.少しレベルの高い話でも紙芝居なら可能

 「読み聞かせ」の時には、2学年ぐらいレベルを落として読んであげると集中しますよ、という旨のことを聞いたことがあります。「難しい話なので、これでおしまい」と話を読み聞かせの途中で読むことを終らせたことも何度かあります。しかし、紙芝居では、そんなことはありません。以前、2年生に「安寿と厨子王」の上下巻の紙芝居を行いました。「難しい話だけど、大丈夫かな」と思いましたが、集中していました。やはり、視覚に訴えかけると集中するのでしょう。「図書館の使い方」なんていう、読み聞かせではちょっと、説教じみた話になってしまうのも、紙芝居では集中して聞いています。

学年の発達段階よりレベルの高い話、表現の難しい話、道徳じみた話などは紙芝居で行う方が良い。

 「紙芝居、道徳シリーズ」なんていうのも使ってみると面白いです。低学年では、よく「民話」の読み聞かせをしました。民話シリーズは紙芝居ではたくさんあるからです。「だんごひょいひょい」「つんぶくだるま」「しりやのめいじん」「おににさらわれたあねご」「あんもちみっつ」など、私の知らない話もたくさんありました。

紙芝居で行った本を図書室で借りるようになる。

 これも、子どもの傾向です。「民話」を読ませたかったら、紙芝居で紹介するのが1番かなと考えます。
5.終了時に

 終了時にも「パン・パン・パン・パン・・・」と打ち付けます。そして、最後の「パン」で終了の合図です。子ども達はそれぞれ、机に戻ることになります。

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