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学年(学級)文庫を作ろう

   読み聞かせのちょっとしたアイデアのページです
           千葉昌之 HIP


1.読書好きにする環境

 「本がまわりにある」「本がいつでも借りられる」という環境を作ることは大切なことです。子どもは「いつでも、本が自由に読める」環境にあると、本を読むようになると考えています。現在のクラスでは、「朝自習の時に」「テストが終了した時に」「作業が終った時に」読書をすることになっています。図書館まで借りに行かせることも1学期に2度程ありました。しかし、「いつも図書館で」というわけには行きません。そこで、学級(学年)文庫の存在が大きくなってきます。今年度は、「学年文庫」という形をとっています。オープンスペースの中間に本棚を置いています。学年の80名がいつでも本を読んでも良い環境になっています。
2.まずは50冊そろえる
 『子どもを本好きにさせる』94頁の中で深澤氏は、こう言っています。

 まず、50冊(100冊)はそろえよう。

 これは、学級文庫のことです。私はこれを読み、「まずは、50冊」を目標に児童書を揃えました。
 現在は、右の写真のようにかなりの冊数があります。ここだけで500〜600冊あります。妻にも分けてあげたり、自宅においてあるのを含めますと、800冊以上の本があるのではないかと考えます。この800冊をどのようにしてそろえたのかを述べます。
3.自分で購入する
@月刊誌を購入する

 現在、購入している月刊誌は『たくさんのふしぎ』と『英語であそぼう』です。前者は人気が高い本です。この本は7年以上は購入しているので、100冊はあると思います。「ちりも積もれば山となる」です。『大きなポケット』も以前、購入していたことがあります。4月に1年契約ということで、お金を払ってしまいます。この時は少し出費が痛いですが、毎月送られてきますので、自動的に月に1〜2冊ずつ増えていくことになります。

A自分で求める

 書店で求める。通信販売で求める。インターネットも最近ではありますね。「これが、本を揃える、最も納得する方法」かと考えます。人からすすめられたり、書評を見たり、インターネットで検索したり・・・と様々な方法で本の情報を知ることが出来ます。要は「自分で選んで購入する」という事です。

4.子ども達から借りる

 子どもが持ってくる場合としては、「本をある期間だけ、かしてもらう」ことが考えられます。私は、かつて、学級文庫がまだ50冊もなかった時代に、子ども達にこういいました。

 みんなが読める本をたくさん教室に置きたいので,「貸してもいいよ」という人だけ、家から本を持ってきてくれませんか。

 3点についてはきちんと子どもに確認しておく必要があります。「貸してくれる人だけでよい。強制ではない」こと。「家の人の了解を得てから持ってくること。勝手に持ってこない」こと。「借りる人は教室内で読む。もって帰らない」こと、の3点です。しかし、この方法はあまり薦められません。「あっ、ぼくの本、破れている」「私の本が汚れている」などといった声を聞くことがあります。こうなると教師がひたすら「ごめんなさいね。」と誤ることになってしまいます。教師の本だったら、こんなのことはないと思いますが。
5.保護者からいただく

 保護者に「いらなくなった本を下さい」と呼びかけた事はありません。しかし、「先生、この本を学級文庫にしてください」と本をいただいたことはあリます。地域には○○文庫という地域文庫が必ずあるでしょう。何千冊もの本がそろっています。しかし、その文庫も閉鎖してしまうことがごくまれにあります。その閉鎖した文庫の本をいただいたのです。「先生、この中から本を選んで持っていって下さい。」と1000冊もの本を前にして言われた時には、うれしくて体が震えました。300冊近くいただきました。こんな機会はめったにないでしょうが、一生懸命に「子どもに本を読ませる」努力をしていれば、こういういいことがあるのかなと思っています。先日ある子が転校する時にも「これを読んで下さい」と7冊もの新刊をクラスにプレゼントされました。早速、「○○ちゃん文庫」と名前をつけたラベルを貼り、学年文庫に入れておきました。

6.図書室から借りる

 低学年だと、移動文庫の制度がある学校もあるでしょう。図書委員の子が100冊近くの本を学級文庫として教室に運んでくれるのです。しかも、1〜2カ月ごとに、本を入れ替えてくれました。「これはすばらしい制度だ」と感心したものです。中・高学年になるとそういう制度はありませんが、図書室から借りるのも良い方法だと考えています。ただし、同学年と図書の先生には断っておく必要があると思いますが。

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