はじめに
裁判員裁判の裁判員を体験したことを、何人かの友人に話しました。でも、たまたまそんな話題になった時に話すくらいで、意外とそういう話題にはならないものなのですね。
忘れている事柄もあって、「また何かの機会に」と言いながらそのままになってしまうこともあるので、少しまとまった文章にしてみました(時間の経過と共に記憶が曖昧になっていて、当時の資料を引っ張り出したりもしました)。
ところが、話題になった時にこの文書をサッと出すなんてこともできないので、いっそのことHPにアップしようと思いました。
HPにアップしたりして、守秘義務違反にならないの?と思われるかも知れませんが、拡大解釈される傾向にあり、守らなければならない〔秘〕の事柄はそんなに大きくないのに、「そんなこと話していいんですか」みたいな反応が多いようです。司法当局も、裁判員の体験談が広まって、「そんなに恐れおののく必要はないですよ」というメッセージを発出してほしいと考えているようにも感じます。
もともと守秘義務は「誰がどんな発言をした」が漏れたら、例えば暴力団の関係者が被告でその関係者に「よくもウチの組の者の量刑を厳しくしてくれたなぁ」とお礼参りに来られたら困るというような趣旨だったはずです。日弁連は「守秘義務を緩和すべき」と法務省に提言しているそうです(2011年8月「朝日新聞」河津弁護士)。そこでは今のところ「評議の経過や意見の多少を漏らす行為、量刑の当否を述べる行為など、広く禁止事項が定められていること」を批判されています。
そういう観点からしても、以下の備忘録・印象記には、そのようなことへの言及はしていません。
もちろん、取材レポートではありませんから、誰かに確かめたりしていませんので、私の思い込みとかもあるでしょうから、ご了解下さい。
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