2004年 よみうり文化センター町田 1月特別講座:すでに終了しました。

 NEW!!!! 2004.01.26 25日の講座内容を紹介/追加

 2004. 01. 19 講座の授業風景を追加↓

 描いて考える骨と恐竜

 骨の絵を描くことで恐竜の不思議や復元について考えるという内容で2004年 1月11日、18日、25日に 授業を行いました。時間は日曜日の10:00~12:00、参加費は3回トータルで中学生までが4725円、一般6300円です。他、教材費が525円(これは北村が用意したテキスト代金です)。

 よみうり文化センター町田の詳細はこちらを参考にしてください^^)

  

 講座の授業風景

 2004年1月11日:バシリスクとオオトカゲの骨から、受講した人に復元図を描いてもらいました。もちろんみんなバシリスクもオオトカゲも知らないから想像で描いたのですが・・・。そうしたら案の定、歯がむき出しの復元図。そこで実際の生きている写真を見せて、実はそうはならないという話に持って行きました^^)

 

 その後、ワニの頭骨をスケッチしてもらうことでティラノサウルスの頭骨とワニの頭骨の同じ部分ってどれよ?という話を展開。さて、ティラノのこの骨はジャーガルという骨だけど、じゃあワニのジャーガルはどこだー?ってクイズ形式にして出題。受講生は全員子供だけど、どれがどれだって探していましたね。まあ、授業というのはこういうものか?。

 

 2004年1月18日:

受講生の子供達にオオトカゲの頭骨をスケッチしてもらい、ワニと相同の部分はどこでしょう?、という話をしました。プレマキシラはどこか?、ジャーガルはどこか?、などなど。2時間という講座の時間は長くてときどき子供達の集中力が途切れがちでしたが、ワニのオレンジに塗ってもらった骨と同じ部分はオオトカゲではどこだー?って問いかけると、うーんどこだろう?ここかなあ?、と探していましたね^^)。

 そこで実はここだよという話をすると、やった当たった^^)という子供や、ああー間違った(><)/という子供も。反応はそれなりによかったですね。

 首長竜の話がメインだったのでさらにアルザダサウルスの頭骨も色塗りをしてもらいました。どこがワニのオレンジと同じだろうって問いかけて、子供達が考えるアルザダサウルスのスクアモーサルやジャーガル、クアドレートジャーガルを塗ってもらいました。でももちろん塗ってもらったパーツはあくまで暫定的。実際の骨がどこにある(あるいはどこにあると考えることができる)のかは、パキプレウロサウルスとピストサウルスの骨を塗りわけることでより細かい議論が可能です。

 

 2004年1月25日:

 18日の授業ではパキプレウロサウルスとピストサウルスの頭骨の塗り分けまでいかなかったので、そこから授業開始。意外とすんなりと進んでマキシラ、ジャーガルと塗り分けを進めました。クアドレートを塗ったところでこれらの動物のクアドレートジャーガルが退縮しているか、さもなければなくなっていることを説明。

 そして、

 1:クアドレートジャーガルが小さくなっている

 2:目の後ろの穴が開いている

 以上の特徴が共通することからオオトカゲと首長竜(パキプレウロサウルス、ピストサウルス、アルザダサウルスなどなど)はかなり近い仲間ではないかというアイデアを紹介。また、アルザダサウルスの頭ではスクアモーサルが大きく発達していること、それはパキプレウロサウルスやオオトカゲとくらべることで分かることを説明。

 おかしな頭しているんですよ、首長竜は^^)。参考はこちら→ 

 

 この後は北村が持っているオルニソポーダの頭骨をスケッチしてもらって、はたしてジャーガルはどこか?、ラクリマルはどこか?。そしてこの動物は一体なんの仲間なのか?。という話をしました。

 この頭骨、保存はすごくいいのですが、かなりあちこちが割れています。そのため頭を構成しているパーツのつなぎめと、割れ目の区別がつきにくい。実際、ある部分に関していうと、そこが割れたジャーガルの一部なのか、あるいはラクリマルなのか判断をしづらい。

 でっ、その部分の解釈によっては、この頭骨がどの動物に近いのかという答えまでが変わってしまいます。もしかしたらイグアノドンに近いかもしれないし、あるいはもっと派生的なハドロサウルスの仲間に近いかもしれません。

 子供達のなかにひとりスケッチのうまい子がいて、彼は骨のパーツのつなぎめと割れ目をそれぞれちゃんと描いていました。

 だからどこがラクリマルだろう?って北村が問いかけると、他の子供達は配付したテキストに載っている北村のスケッチの方に色を塗っていたけど、その子は自分のスケッチの方に色を塗っていましたね(逆にいうと塗り分けができる程度にはちゃんとスケッチできているってわけ)。彼の考えと北村の考えではラクリマルの解釈が違っていたのは面白い限りです。もしかしたら彼があたってるかもしれないし、あるいは北村があたっているのかもしれません。さて、はたしてこの動物のラクリマルはどこかなー????。

 北村のラクリマルの解釈では、この動物はイグアノドンよりも派生的で、ハドロサウルス類に比較的近いのではないか?、と思えるのですけどね。さて、どうでしょうねえ?。 

 参考としてはこちらをどうぞ→  

   

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