月
Moon
月齢21
2014年、11月14日 2:30~6:30にかけてスケッチした月
日付が変わる前日13日の正午における月齢は20・2
スケッチの時点における月齢は20・8〜9
完全な半月としてスケッチしてしまいましたが、実際には画面右(月の方位で言うと東)にややふくらんだ状態でした。半月を意識して描いたら、ほぼ半月が半月になっちゃった状態。とはいえ、地形の位置関係はおおむね正確です。
月齢21はほぼ半月の月で、雨の海の周辺地形や、南のクレーターが見頃です。
以上のスケッチは雨の海(マレ・インブリウム/ MARE IMBRIUM)と、その放出物の関係を観察したものです。ほぼ中央にあるクレーター、ボスコビッチはちょうど日没を迎えました。
ボスコビッチの近辺に細い糸のような地形が見えます。これはヒギヌス谷(Rima Hyginus)と呼ばれるものです。
以上の南ではクレーター、アグリッパが日没を迎えていますが、そのさらに南までくるとかなりクレーターの形がはっきりしてきます。ここまでくると雨の海の放出物はかなり薄くなったらしいことが推測できるでしょう。
しかしよく見ると、例えば、クレーター、ヒッパルコス(Hipparchus)とその周辺に刻み目のような影があるのが分かります。向きからすると雨の海から飛んできた物体に削られた溝なのでしょう。こういう地形はヒッパルコスよりも左にあるクレーター、W・ハーシェル(W.Herscher)の近辺でも見ることができます。
クレーター、ヒッパルコスとW・ハーシェルの近隣にある引っ掻き傷を示しました。その南にあるクレーター、アルバテグニウス(Albategnius)のさらに南には、雨の海から飛んできた放出物が激突して作ったと見られる、二次クレーターが列になっています([ The Geology of Multi-Ring Impact Basins ] Spudis 1993 pp141)
2017年12月10日 0:00〜5:00の月
正午月齢は21・6、スケッチ時は21・1〜21・3
雨の海周辺と、南極にあるニュートンを描いたもの。このスケッチは望遠鏡で見たのと同じ状態なので方位が逆さま、南極が上になっています。ニュートンは南極にあるクレーターで、非常に見にくい位置にあります。手前には中央峰が長い影を落とすモレトス、その後ろに黒い楕円になったショートがあります。そのさらに後ろにあるのがニュートン。
雨の海周辺のスケッチは雨の海の放出物と、その様子を200倍の視野で描いたもの。しかしこれが非常に複雑怪奇で描ききれません。これを足がかりに、もっと狭い領域を詳しく描くべきなのでしょう。ヒッパルコスの周辺に、放出物によってうがたれた谷が見えます。またスケッチの視野中央やや左下ではユリウス・カエサルが日没を迎えています。