月
M00N
月齢13
2017年12月1日 22:00の月
12月1日の正午月齢は12.6 スケッチの時点で月齢13
ワルゲンチン、シッカードからさらに南、月の縁にそって進むと三つ並んだクレーターが見えます。これはズッキウス、ベッティヌス、キルヒャー。この向こう側に巨大クレーター、バイイがありますが、秤動きの加減でここでは見えていません。
2014年4月12日にスケッチした月齢12の月と見えている地形はほぼ同じです。ただこちらの方がやや夜明けは進み、セレウコスが朝を迎えています。上の方ではリュンカー山がぺちゃっとした平べったい姿を見せています。
スケッチの下で拡大して描いているのは200倍で見たクレーター、ワルゲンチンとシッカルド。クレーター内部があふれた溶岩で縁まで満たされたワルゲンチンの姿。
以下はクレーター、バイイのスケッチ
2018年3月30日 22:00の月 バイイ
30日の正午月齢は12・6 スケッチの時点で月齢13
手前の三つのクレーターはズッキウス、ベッティヌス、キルヒャー 2017年12月1日のスケッチと比べると、上下をひっくり返した状態です
月の向かって南東の縁にある巨大クレーター、バイイ(Bailly)のスケッチ。18世紀フランスの天文学者に由来する名前で、文献によってはバイとも表記されます。直径は280キロ。月の表側にあるクレーターでは最大で、一番小さな海であるともされます(海自体が巨大クレーターなのですが、一般にはクレーターとは呼ばれません)。ただし、海とは違って、内部は溶岩に満たされていません。内部はかなり平坦ですが、横線のような影があるので、かなり起伏があることがわかります。色も明るく、明らかに海ではありません。荒れた平野です。巨大であるにも関わらず、バイイでは大規模な火山活動や溶岩の流出がなかったことがうかがえます。バイイは月の縁にあるので見頃は満月の直前。しかし秤動の加減で見えたり、見えなくなったりします。実は自分も、これがバイイだと意識してスケッチするのは初めて。
画面下に見えるのはクレーター、チコ。画面左が月の南極で、右へ少しいったところにワルゲンチンやシッカードがあります。クレーターは荒れていて周りを囲む周壁はなだらか。できてから大分時間が経っているらしいことがわかります。バイイの周壁内左にある大小二つのクレーターは、小さいのがバイイA、大きいのがバイイB。バイイBはハレ(Hare)と呼ばれることもあります(どうも正式名ではないらしい)。手前にある三つのクレーターがキルヒャー、ベッティヌス、ズッキウス。
以下は2018年4月30日、月の南極とシャックルトン
2018年4月30日1:00 正午月齢は14 観測時の月齢は13・5 月の南極 ニュートンとシャックルトン
2018年4月30日1:00 月齢13・5の月、その南極とクレーター、ニュートンとシャックルトン を描いたもの。満月で、向かって右のへりがわずかに影が残る月です。南から照らされたクレーター、ニュートンは構造がかなり把握できて、奥にあるニュートンBも分かる状態。さらに南極の地形が見えていたので、スケッチしながら確認したところ、シャックルトンが見えることに気がつきました。月のスケッチの真ん中にあるなだらかな山の、その上に入った小さな、下にカーブした細い線がそれです。ちょうどアマゾンの段ボールにつけられた笑って見える線のような感じ。シャックルトンの手前がマラパート。
シャックルトン(Shackleton:あるいはシャクルトン)は直径21キロ。月の南極にあるため、高い場所から太陽に照らされることがなく、内部は光がさすことがない永久影になっています。極低温状態が保たれているので氷が揮発することなく保存されている可能性も指摘されており、日本の月探査機かぐやによる調査の対象にもなりました。直径21キロは望遠鏡で200倍に拡大しても、腕を伸ばした時に見える爪先程度の角度にしかなりません。しかも縁が見えているだけですから、気流が良くないと見えません。それに太陽の位置によっても見えかたが当然変わるようです。以上のスケッチ中でも時間が経過するに従って姿がよくわからなくなりました。シャックルトンは南極を漂流しながらも生還した探検家の名前に由来します。
シャックルトンの向かって左に見えるのはクレーターアムンゼン。手前は明るくて影がはっきりしませんが、スコット。そのさらに左がデモナックスです。