月
Moon
月齢12
2014年、4月12日の10時から13日の1時にかけてスケッチした月
左下はシッカード(Schickard)とワルゲンチン(Wargentin)、フォキリデス(Phocylides)からシラー(Schiller)を拡大して描いたもの
北ではジョン・ハーシェル(J. Harshel)に続き、近隣のクレーター、バベッジ(Babbage)が朝を迎えました
その南では盾状火山であるリュンカー(Mons Rumker)が海に低く影を落としています
アリスタルコス(Aristarchus)とヘロドトス(Herodotus)がその全容を見せ、シュレーターの谷(Vallis Schroteri )がうねうねした姿を走らせるのが見えています
南では奇妙に細長いクレーター、シラー(Schiller)に続き、シッカード(Schickard)とフォキリデス(Phocylides)が姿を見せました
その二つのクレーターの間から、朝焼けの光を浴びてワルゲンチン(Wargentin)が姿を見せようとしています
*リュンカー(Mons Rumker)は地球で言う,いわゆる盾状火山(Shield Volcano)であるとされています。地球から見える広さを持ちますが、高さは300メートル程度だそうです([The Moon and How ti Observe It] Grego 2005 pp111。
*シュレーターの谷(Vallis Schroteri)は溶岩が刻んだ谷です。そのような成因の谷は地球にもありますが、シュレーターの谷は規模がはるかに大きいものです。長さは160キロ、幅11キロ、深さ1キロに達すると言います([Worlds on Fire] Frankel 2005 pp120。
*ワルゲンチンは内部が溶岩で満たされたクレーターです。これ自体は珍しいことではありませんが、ワルゲンチンの場合、内部に噴出した溶岩が周囲よりも高くなっている点で特異です。ワルゲンチンの見た目はくぼみというよりも、切り株状、あるいはコインかオセロのように見えます
以下は2018年4月29日、クレーター、ニュートン付近のスケッチ
2018年4月29日3:00 正午月齢は13 観測時は月齢12・5 南極とその周辺 上が南
2018年4月29日、月齢12・5の月と、その南極周辺。お目当はニュートンです。ほぼ満月ですが、ニュートンには南から太陽が当たり、かすかに影ができて陰影と地形がわかります。ニュートンは大きさがだんだん小さくなる複数のクレーターが同心円をずらすようにできているクレーターで、それがなんとなくわかりますね。ニュートン本体の手前の周壁には比較的小さなクレーター、ニュートンCがあります。奥には歯医者などで見かける膿盆のような形のニュートンAが見えています。その左隣のくぼみがニュートンBかと思っていたのですが、資料によると違うらしい。
さらに奥に二つの大きなクレーター、カベウスとマラパートが見えています。どちらも横から眺めており、右のカベウスは比較的わかりやすいですが、左のマラパートは形が崩れて良くわかりません。見る限り、手前の周壁が崩れているようです。