Isopoda イソポーダ 等脚類/等脚目 フナムシ Ligia exotica クリックでフナムシ(Ligia 属)のページへ Isopoda/等脚類とは?:
イソポーダには等しい脚、という意味があります。なんにしても、少なくとも胸部の脚はどれもこれも同じような構造をしています。カニやエビなど、食用にされる甲殻類たちを抜かすとイソポーダは人間にもっとも身近な甲殻類と言えるでしょう。ワラジムシやダンゴムシ、海岸にいるフナムシなどがイソポーダだからです。誰もが必ず生きて動く姿を見たことがある野生の甲殻類、それがイソポーダ。イソポーダにはかなり大形になる種類もいて深海にいる獰猛な死肉あさりのグソクムシの仲間には35センチに達するものもいます。深海の種類ほど巨大化する傾向があるようです。
イソポーダの棲息する環境はさまざまです。水深7000メートルの大水深にすむストルティングラもいれば、ダンゴムシのように陸上の落ち葉や土の中でくらすもの、あるいは魚の口の中や体内に寄生するタイノエのようなものまでいます。
主要なイソポーダ:
系統については寡聞にして知らないので主要な分類群を上げておきます。
Gnathiidea(グナチア類)
Anthuridea(ウミナナフシ類)
Asellota(ミズムシ類)
Phreatoicidea(フレアトイクス類)
Valvifera(ヘラムシ類)
Epicaridea(ヤドリムシ類)
Oniscoidea(ワラジムシ類)
|__フナムシ
|__ヒメフナムシ
|__ハマダンゴムシ
|__ダンゴムシ
|__ワラジムシ
Flabellifera(有扇類)
|__タイノエ
|__スナホリムシ
|__グソクムシ
|__メナガグソクムシ
参考:「動物系統分類学7(上) 節足動物(I)総説・甲殻類」
イソポーダの特徴:
頭と胸が一体化してひとつの塊をつくったり、あるいは全体を覆うような甲羅がありません。脚は少なくとも胸のものはどれも似たりよったり。また外肢というものを持ちません。
甲殻類は脚が枝分かれするという特徴があります。具体的には脚の付け根から外側に付属的な脚がのびてます。これが外肢。しかしすべての甲殻類の脚に外肢があるわけではありません。
甲殻類の中でも軟甲類(Malacostraca:亜鋼)というグループではしばしば外肢が退化しています。イソポーダも軟甲類の1グループ。イソポーダには外肢がありません。
またイソポーダは産んだ卵を保育します。卵はノープリウス幼生期を経ないで孵化し、例えばワラジムシの場合、小さな、しかし大人と同じような形に成長してから母親から自立します。