Hexapoda or Insecta

ヘクサポーダあるいはインセクタ

六脚類あるいは昆虫

  

 

 昆虫とは?:

 1対の触角と3対(=合計6本)の脚を持つ節足動物で、陸上と地中、河や湖、沼のような淡水に主にすんでいます。ただし海中にすむものはごくわずかです。海水中を主なすみかとする甲殻類とは正反対だと言えるでしょう。昆虫は陸上/落葉層、淡水のあらゆるところにいて、生態系にとてつもない影響を与えています。

 昆虫は顎を持ち、食べ物を噛むことができ、触角を持ちます。この特徴は甲殻類や多足類と共通しますから、彼らと共にひとつの系統、マンディブラータ(大顎類/有顎類)をつくると考えられています。ただし種類によっては植物の汁、花の蜜、動物の体液を吸うことなどに適応して顎がかなり変形しています。

 また原始的な一部の昆虫を抜かすとその大部分が羽を持ちます。

 

 昆虫の共有派生形質:

 3対の脚を持つこと(寄生生活に適応した種類では脚が退化したものがまれにいます)

 腹部に脚がない

 

 昆虫の系統:

___________Collembola:コレンボラ(トビムシ目)

   |________Protura:プロツラ(カマアシムシ目)

   |

   |________Campodeia:カンポデイア(ナガコムシ) 

   |  |_ ?__Japygina:ヤピギナ(ハサミコムシ)   

   |        ↑Diplura:ディプルラ(コムシ目=ナガコムシ+ハサミコムシ)

   | 

   |________Archaeognatha:アルカエオグナーサ(イシノミ目)

     |______Zygentoma:ジゲントマ(シミ目)

       |____Pterygota:プテリゴタ(有翅昆虫) 

          (カゲロウ、トンボ、ゴキブリ、バッタ、セミ、チョウ、カブトムシなど)

 

 以上の系統のなかで羽を持つのは有翅昆虫だけです。他の昆虫(あるいは昆虫とされる動物)たちはもともと羽を持っていませんでした。トビムシは土の上や土壌のなかに大量にすんでいる小さな動物です。カマアシムシ、ナガコムシ、ハサミコムシもまた土のなかにいる動物で、いずれも大きくありません。彼らはかなり特異な姿や特徴を持っていて、昆虫ではないのではないか?ともいわれます。

 シミとイシノミは文句なく昆虫であると考えられています。シミは1センチくらいの小さな身体で家のなかをうろつく銀色の昆虫です。イシノミは野外の湿った森のなかや薄暗い壁などをうろついています。

 有翅昆虫は翅を退化させた種類以外、すべてが翅を持ちます。私達が昆虫という時、普通は有翅昆虫のことをさします。

 

 参考:

 昆虫の誕生 石川良輔 中公新書

 系統分類学入門:追補版

 

 節足動物に戻る→