Sipuncula

星口動物

ホシムシ

サメハダホシムシ

Phascolosoma scolops

 世界的に広く分布するホシムシで、日本でも北海道から沖縄の海岸までごく普通、だそうです(「新日本動物図鑑(上) 昭和40年 北隆館 参考)。とはいえ、北村自身はサメハダホシムシも含めて彼らを野外で見たことはありません。岩の隙間や海藻の根元など狭い物陰にいるちいさな動物なので、それを意識して探さないと見つかりそうもないですね。この画像自身は山田さん(サイトはこちら→Maniac Invertebrate Animal's World)が持っている標本をスケッチしたもので、許可を得てここに掲載。ホシムシの特徴である陥入吻は縮まっています。この状態の長さでおよそ10ミリ。

 

 :ホシムシとは?

 全種が海産で、種類は300種類程度。普通にいる種族ではあるものの、量はどうもあまり多くはないらしく、マルグリスたちによるとホシムシの量は、海産無脊椎動物量の0.5パーセント以下であろう、とのこと(「五つの王国」日経サイエンス社 1987参考)。

 数十センチ以上になる大型の種類もいるが、概して小型。見た目はいわゆるワーム状で、体節はありません。身体の前に細長い陥入吻があり、その先端に口と、それを囲むようにはえた触手があります(そういうところはヒモムシとはぜんぜん違いますね)。物陰に隠れていて、この吻をのばしてごく小さな生物や有機物のかけらを食べるそうな。吻は体内にある筋肉で収縮させることが可能で、引き込まれるように収納されるらしい。消化管は身体の後端で曲がって前に向かい、身体の前方に肛門が開きます。卵から産まれた幼生はトロコフォラ型で、その点では環形動物などと共通します。ただし、直接成体になるものもいるそうです。

 

スジホシムシ

Sipunculus nudus

 これまた山田さんの標本をスケッチしたもの。まるまった状態で高さが40ミリ。色は半透明の赤紫だったと思いましたが、生きている時は赤みをおびた乳白色、資料によると最大で200ミリ。陸奥湾以南に分布して、もっとも普通な種類、だそうな。くびれがあるのは標本に固定されたからかもしれません。

 

タテホシムシ

Aspidosiphon misakiensis

 こちらはタテホシムシ。同じく山田さんの標本をスケッチしたもの。コイル状に丸まったもので、この状態で長さは6.5ミリ。資料によると大きなものでは身体だけでも20ミリにたっするらしい。画面右上の頭にある黒いぼつぼつしたものは楯状部で、防御の役割があるそうな。この手のホシムシは巻貝の殻や岩の穴などにすんでいて、穴の入り口をこれでふさぐのだとか。

 

 :ホシムシとその系統

 幼生が環形動物と同じトロコフォア幼生で、また分子系統解析からも環形動物などに近いことが示唆されている模様。詳しいことはいずれ補完。

 

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