Prosauropoda

プロサウロポーダ

古竜脚類

 

 プラテオサウルスの頭骨レプリカスケッチ。プラテオサウルスは代表的な古竜脚類です。比較的大形の種類で体長は6〜8メートルくらい。この頭骨自体は大体36センチの長さで、体長は7メートル強でしょうか。この頭骨には、この動物が

 古竜脚類であること

 比較的派生的な系統、プラテオサウリア:Plateosauriaであること

 プラテオサウリアデー(Plateosauridae)であること

 プラテオサウルスであることを示すさまざまな特徴が見られます。

 

リオハサウルスとムスサウルス

Riojasaurs & Mussaurs

 こちらは復元というかイメージイラスト。どちらも南米産のプロサウロポーダ(古竜脚類)。産出はアルゼンチンの2億2000万年あまり前の地層で三畳紀の後期。ムスサウルスはなんらかの古竜脚類の子供で20センチ弱、この個体は生まれたばかりと考えられています。色や模様はもちろん空想。一部のトカゲの幼体やウズラのヒナ、ウリボウなどを参考。リオハサウルスは最大で7メートルにたっするかなり大型の種類。

 プロサウロポーダ(古竜脚類)とは?:

 プロサウロポーダ(古竜脚類)とはサウロポードモルファ(竜脚形類)のなかでも早くに出現し、比較的原始的な特徴をもっていた動物たちのことです。グループ全体として三畳紀の後期に現れ、サウロポーダ(竜脚類)が出現したジュラ紀の前期に滅びました。2本足で歩き回れるきゃしゃな種類から、かなり大型で4本足で歩き回る種類までがいます(身体のサイズの幅は2〜3メートルから10メートルぐらい)。長い首を持った動物で、地球の歴史上、はじめて樹木の高いところにある葉を食べることができた草食獣であるともいわれます。

 プロサウロポーダは原始的な特徴を持っている一方で彼らに独自の特異な形質も持っていたと考えられています。ですがサウロポーダと共通する特徴を持つ種類が一部にいます。そのためにプロサウロポーダの系統に関しては昔から議論があります。もしかしたらプロサウロポーダは側系統群かもしれません(Benton 1992 Origin and Interrelationships of Dinosaurs , [[The Dinosauria] University of California Press] を参考のこと)。

 

 プロサウロポーダの特徴:

 1:鼻孔が大きい

 2:歯の数が多い

 3:マキシラが長い/上にのびる突起の発達

 4:手の親指が強大

 5:ヒューメラスのデルトペクトラルクレストが巨大

 6:イリウムのプレアセタムブラムプロセスが三角形

などなのですが・・・・。でもこれって系統を束ねる特徴として使えそうなものなんですかねえ・・・・?(個人的な疑問)。

 

 プロサウロポーダはひとつの系統か?それとも・・・:

 古竜脚類、すなわちプロサウロポーダがひとつのまとまったグループ(あるいは系統)であるのか、あるいはじつは原始的な特徴で束ねられただけの、系統を反映していないグループなのか?。それに関しては昔から議論や意見があります。

 さて、例えばガルトンはクルックシャンクの意見、つまり古竜脚類の足の小指の中足骨が小さくなっていること、それに対して竜脚類のそれが小さくなっていないこと、そこから古竜脚類は竜脚類の祖先になりえないこと、を引用して古竜脚類と竜脚類はそれぞれ別のグループ(あるいは系統)であると考えました(Galton 1992 Basal Sauropod omorpha-Prosauropoda , [The Dinosauria] University of California Press pp334 ) 。

 しかし、プロサウロポーダがひとつのグループか否か、それの是非はともかくとしても、以上のこの論法自体にはちょっと慎重にならなければなりません。なぜなら小さな中足骨が大きな中足骨に変化することも当然ありうるからです。そしてそうなるとこの論法の前提は崩れます。

 たしかにこの特徴に関して古竜脚類→竜脚類と進化が起きた場合、変化のステップがおそらくは余計に1回多くなります(少なくともガルトンなどの意見に従うとそうなりそうだ)。たしかにこの変化は最節約な解ではないのですから、このことを根拠に古竜脚類と竜脚類は別の系統であろうと考えることもできるでしょう。しかしこれはあくまで小指の中足骨に話を限った場合です。

 私達は過去の生物がどう進化したのか直接は知りません。また生物の特徴がどのように進化の過程でふるまうのかまったく知りません。世の中には進化に関してあるんだかないんだか分からない法則を持ち出して(ドローの法則とか)、進化を語ろうとする人が時々いますが、それは根拠が多分にない行為ではないでしょうか?。指がなくなったら指は再進化しないと素朴にいう人もいますが実際のところは分かりません(むしろ系統解析からはそうでない例が幾つか知られています)。

 過去の進化は推定するものです。その推定に、”失われた/退化した特徴が再び進化することはありえない”という、確認できていない怪し気な仮定をまぎれこませる必要はありません。

 古竜脚類や竜脚類の中足骨の進化については、身体の他の特徴の変化も合わせて、全体として最節約になるかどうか検討することが望ましいはずです。そうした時にはじめて、ある程度の確からしさで足の小指の中足骨がクルックシャンクが考えたように一方方向にしか変化しないものなのか、それとも実際には可逆的に変化が起きてしまうのかを判断することができます。

 もちろん、プロサウロポーダ(古竜脚類)がひとつの系統であることを示唆する特徴はこれだけではありません(↑以上のプロサウロポーダの特徴を参考のこと)。ですから以上の論法がなりたたない=プロサウロポーダが分解する、ではありません。

 しかし以上の論法自体には危うさが多少ともつきまとっているようです。

 プロサウロポーダは単系統でしょうか?、それとも側系統でしょうか?。

 

 プロサウロポーダが側系統になった場合:

__________テコドントサウルス

  |_______アンキサウルス

    |_____リオハサウルス

      |___サウロポーダ(竜脚類)

 プロサウロポーダが側系統だとしたら、例えば以上のようになります。ピンクの部分がプロサウロポーダの部分。反対に幾人かの研究者がいうようにプロサウロポーダがひとつのグループなら以下のようになります。

__________テコドントサウルス

  |  |____アンキサウルス

  |    |__リオハサウルス

  |

  |_______サウロポーダ(竜脚類)

 

 代表的なプロサウロポーダ:

 テコドントサウルス

 アンキサウルス

 マッソスポンディルス

 ユンナノサウルス

 プラテオサウルス

 メラノロサウルス

 ブリカノサウルス

 

 

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