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オッカムの剃刀
この言葉は物事を判断する時に使う
ひとつの考え方を
あらわした格言です。
乱暴な例えですが、
友達が待ち合わせに遅刻した場合、
幾つかの原因、あるいは仮説が考えられますね。
では、友達が遅刻した原因は、
寝坊でしょうか?
それとも、
宇宙人にさらわれたからでしょうか?
オッカムの剃刀(かみそり)に従うと、
シンプルな仮説の方が選ばれます。
要するに、寝坊した説を
選ぶというわけです。
さて、
オッカムの剃刀という言葉は
ウィリアム・オブ・オッカム
(William of Ockham)
という人物に由来しています。
オッカムは
イギリスのオックスフォードにいた神学者で、
神学に関する議論と論争にかかわった人物です。
科学の世界においては
科学における物の考え方について
大きな影響を与えた哲学者であると
見なされています。
オッカムの考え方は
例えば次ぎのようなもののようです。
当時のヨーロッパでは、
惑星や太陽、月、星は地球の周囲をめぐるとされていて、
惑星はそれぞれ天使によって動かされる、
そう考えられていました。
こうした考えに対してオッカムは
物体は最初に与えられた勢い(今の言い方なら慣性:かんせい:ですね)
で動き続けることができると考え、
天体の運行は
神が最初に与えた勢いで
今でも運動し続けていると考えました。
このように、オッカムは
天体の運行を説明することから
天使という余計な存在を排除したのです。
これを彼は、
”少しで済むのにたくさん用いるのは無駄である”
と表現しました。
こうした考えは後に、
”オッカムの剃刀”
と呼ばれるようになります。
オッカム自身がそういう呼び名を使ったわけではないですが、
このような考え方は
さまざまな人や場面で主張されてきました。
現代でも科学はこれに近い考え方で仮説を探します。
それは暗黙のうちに
自然と行われていることもあるでしょうし、
あるいは
原理として意識的に強調されることもあります。
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