さて、オッカムの剃刀や最節約の話を聞いて 素朴な疑問を持つ人もいるでしょう。 自然は実際に最短に、あるいはシンプルにふるまってくれるのか?。 さらに一部の人は例えばこう言います。 分岐学は最もシンプルな仮説を選ぶが、 それは進化が収斂や逆転をあまり起こさないと仮定している。 だが実際にそうではないのだから、 分岐学は間違っている この例え話でいう逆転とか収斂とは いわゆる”仮定”ですね。 これはオッカムが考えた”天使”と同じで、 説明するのにどうしても必要というわけではない 存在です。 だからこの考えは ようするにこういうことを言っています。 科学では、最節約に現象が起きると考えているが、 実際はそうではないのだから、 科学の考え方は間違っている・・・・ まあ、この主張↑は誰でも分かる間違いをはらんでいます。 だって、 オッカムの剃刀にしても最節約にしても こんなことを言っているわけではないからです。 オッカムの剃刀とか最節約という考え方は、 無限にある仮説の中から あるひとつの仮説を答えとして選ぶ時、 必要最小限の説明で成り立っている仮説を選ぶ という基準で答えになる仮説を見つけましょう というだけのことを言っているだけです。 要するに、 世界はシンプルに挙動するに違いないのだから、 シンプルに考えるべきである、 などとハードなことを言っているわけではないのです。 科学のコンテンツに戻る