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このカメラは米国コダック社の歴史的傑作商品であると思っております。
第一回で紹介したレチナシリーズは西独の老舗カメラメーカー、を買収して発売した商品でしたが、これは米国でデザインした商品で1936年に発売されたカメラです。
ウォルター・トウィン・テーグのデザインで、カメラとしては大変珍しいアールデコ調のものです。1936年といえば昭和11年頃、モダニズム全盛の時期らしい極めて斬新なものであります。
下の写真は1930年から40年代の映画を検索して見つけた写真でありますが、この時代のモードにドンピシャとフィットします。モードを様式と捉えるならばまさに同一様式と言える、良き時代のアメリカン、レトロモダンのお洒落なカメラであります。
カメラの世界でアメリカ製の評価は性能的にもデザイン的にも高くはないのですが、このカメラは別格でしょう。この時代以降のアメリカは生産合理化の世界的旗手となって、端的に言うと「雑」になっていってしまったのです。カメラしかり自動車などなど。
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