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このカメラは世界最古のカメラメーカーと言われるフォクトレンダー社のコンパクトレンジファインダーカメラです。蛇腹で収納されるスプリングカメラのひとつです。
ビテッサシリーズのカメラは、形態の単純化と高度な機構で携帯性と速写性、確実性をコンセプトに開発された歴史的名機であります。
このカメラの特徴はニョッキリ立ち上がったプランジャーです。カメラ好きの間では”煙突”と呼ばれてます。このプランジャーは押し込むことで、フィルムの巻上げとシャッターチャージを行います。このカメラの初期型が発売されたのが1950年。他の多くのカメラではまだノブでフィルムを巻き上げる方式でした。この時代にワンプッシュで撮影スタンバイが出来るこの機構は画期的なものでありました。この後一般的になって行くレチナ式レバー巻上セルフコッキング以前に各社が考案した迅速巻上げ機構の一つでありましたが、シャッターチャージが同時に行われるセルフコッキングの原点となったものであります。レンズ部とプランジャーを収納すると下の写真のようになります。このカメラは1954年ごろのVitessa
Lで露出計やらアクセサリシューやら、吊環やら付いてますが、初期型にはこれらはなく、レンズ部、プランジャーを収納すると突起部のないシンプルな箱型になり携帯しやすい形でした。
この状態でシャッターボタンを押すと、バシャといってレンズ部とプランジャーが飛び出して左図のようになります。 |