**TOP**

最近読んだ本
2004年・
その4


「もうひとつの冬のソナタ」
「黒革の手帖」
キム・ウニ、ユン・ウンギョン
松本清張
   

BACK NEXT

(注)【 】内はネタバレ。すでに読んだ方は反転させて読んでくださいね。


◆ もうひとつの冬のソナタ (キム・ウニ ユン・ウンギョン )

冬のソナタを見て疑問に思ったことはありませんか?
なぜ2度も事故に遭うのか?
カン・ミヒはなぜチュンサンの記憶を消したのか?
そんな疑問がちょっと解ける1冊。
冬のソナタの作者であり脚本家である二人が、
最終回の後のストーリーと本編のエピソードを書き下ろした本です。

第1章「冬のソナタ」誕生まで
第2章「冬のソナタ」全20話の軌跡
第3章「冬のソナタ」の人々
第4章「もうひとつの冬のソナタ」

新人作家と著名な監督の出会いも面白いのですが、なんといってもストーリーと撮影の裏話が興味深々で面白い。ドラマを見ていると唐突に感じる場面やセリフにも計算された裏があったんですね。計算が狂ったところもあったらしいですが(笑)

サンヒョクとチェリンに関しても、却下されたエピソードがあったそうで、その内容を読むと、もっと二人のキャラクターがわかりやすくなります。なんとなく日本では嫌われキャラなので、カットされてしまったのは残念。でも作者が二人に特別な思い入れを持っていたことがわかったことは嬉しかったです。キム次長が日本で人気があるというのも納得。気配りの人というイメージですよね。

意外だったのは作者が掲示板の反響をよく見ていたこと。率直な感想を見てしまったら続きが書けなくなりそうだけど、それを踏まえてストーリーを作っていくところは、あらためて視聴者に密着したドラマ作りというのも感じました。

以前、「韓国の掲示板は日本人の感覚で見ると、すべてが荒れているように見える」と言った人がいましたけど、自分の意見をはっきり発言する国民性なんでしょうね。討論文化が根付いてるのはネット社会では羨ましい。日本の掲示板は「意見」を書き出すと必ず荒れるよね。「感想」なら淡々と進むんだけど。




◆ 黒革の手帖   (松本清張)  blog版

ドラマを先に見たので銀座のクラブの話かと思ったら、見事なクライムノベルでした。
後半の種明かしでやっと騙されていたことに気づくほど(^^ゞ。
ドラマを見ていて原作を読むつもりの方はお早めに!

--あらすじ--
原口元子は帳簿管理も任されるベテラン銀行員。
しかし、便利に使われるだけの女子行員の生活に嫌気が差し、その知識と経験を基に大金の横領を図る。その横領も支店長の藤岡と次長の村井にばれてしまうが、そのあとは銀行の架空名義預金者リストを元に二人を脅迫、横領の罪を問わないという念書を得る。
そして元子はその資金で銀座にクラブをオープンする。さらにクラブの顧客の脱税やの裏口入学斡旋の弱みを握って金を出させてのし上がっていこうとするが、元子の行き先には思わぬ落とし穴が待っていた。
------------

元子と彼女の店の顧客たちの、お金をめぐる騙し合い、
そこに銀行経営、脱税、裏口入学などの経済情報を盛り込んだ内容。
クラブの経営と不動産についても詳しく書かれていて面白い。

切り札になる法律は、まだ有効なのかな?
法律にしては面白いといえば面白いけど、変な記述があるものですね。

元子のやり方にはいろんな感想があるだろうけど、
商売というのは博打的要素が大きいよね。
地道にやるなら冒険はいらないかもしれないけど、
大きくしようとしたら、どこかで賭けに出ないと駄目なんだろうな。


BACK   NEXT

**TOP**