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最近読んだ本

2001年・
その2


QED六歌仙の暗号」   (高田崇史) 
ダビデの星の暗号」   (井沢元彦)
つきまとわれて」     (今邑彩)     
動物達の緊急救命室(タフツ大学ERチーム)
模倣犯」       (宮部みゆき)
皇女の霊柩」   (内田康夫)
銀河がこのようにあるために」(清水義範)

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QED六歌仙の暗号(高田崇史)講談社ノベルズ

六歌仙と七福神の本来の意味は何か?という謎解き。
ミステリーとしてはありふれたトリックなので、ミステリー好きというより、怨霊や呪が好きな方にお薦めです。六歌仙と七福神の謎解きは、かなり強引なところもありますが、小説としてなら面白い。


ダビデの星の暗号(井沢元彦)講談社ノベルズ

「伊達騒動の悪役原田甲斐は実は忠臣だった」という、通説を覆す歴史ミステリー。
暗号解読の謎もあります。探偵役が芥川龍之介。3代仙台藩主・伊達綱宗の出生に隠された謎解きが面白かったです。


つきまとわれて(今邑彩)中央公論社

連作短編集です。
前の1篇の登場人物の1人が、次ぎの1篇の主人公になる、という連鎖で話がつながっていきます。

全体を通してのテーマは人間のつながり・・・
親子や夫婦、友人、恋人の間の様々な関係の謎で、情念的な話が多いです。
書き方によってはドロドロした内容になりそうな話なのですが、すっきりまとまっていて読みやすい。
イラストのイメージと合わせて独特の雰囲気のある短編集でした。


動物達の緊急救命室(タフツ大学ERチーム)草思社

アメリカで3校しかないという獣医学分野のICU専門教育をしているタフツ大学。そこに付属する動物病院のドキュメントです。365日24時間態勢で最高レベルの治療が受けられる緊急救命病院だそうです。

ここに運び込まれて来る動物達は、他の病院では手に負えない重大で緊急な事態に陥った動物達なので、辛い話が多いです。
でも動物達の生きる力、獣医さん達の助けようという戦いは感動します。
ホント、犬の性格の明るさって奇跡的ですね!
それにしても、最高の治療を受けられるかわりに医療費も最高レベルになってしまうというのは、何とかならないんでしょうか・・・。

この中に書いてあった事で面白かったのは、「誰と居る時にもっともストレスに対する抵抗力が強くなるか」と言う実験。
120人の男女にストレスをかけ、ペット、友人、配偶者、それぞれといっしょにいる時の心拍数を測定するという実験ですが、ペットと居る時がもっともストレスが少なくなったそうです。

ちなみに配偶者と居ると、逆にストレスが増したそう(笑)
犬の場合は、犬の方も飼い主と居るとストレスが少なくなるというのが嬉しいですね。
(ハムスターはどうなのだろう???)


摸倣犯(宮部みゆき) 小学館

この小説のあらすじを書くのは難しいです。
「事件があって謎があって解決がある」という単純なストーリーでは無いので。

主になる事件は異常者による連続殺人です。「自分は特別な人間だと思っているのに社会は認めてくれない。そのことに不満を持つ人間が犯罪によって有名になろうとする」という、最近目立つ犯罪のパターンです。

ミステリーというより犯罪小説。犯人はすぐ明かされるので、犯人探しというより
犯人の精神状態、犯人の家族、被害者の家族の置かれた立場や苦しみ、その回りで躍らされる人々を、主にして描いてます。

私がこの作品で強く感じたのは、被害者とその家族の苦しみと言う事でした。
これからの世の中で生きていく上で、「被害者にならない」という事は、とても大切な事ではないかと思ったのです。もちろん、被害者になりたくてなる人間はいません。
犯罪は、犯す人間の方が100%悪いのです。でも、少しの注意力や判断力、洞察力、想像力などを使う事で犯罪から逃れられるなら、逃れた方が良いに決まってます。

今の世を生きていくには、犯人に出会いながらも被害者にならなかった女性や
有馬義男の強さを学ばなければならないでしょうね。

ミステリー的感想としては、2部と3部の前半を入れ換えて欲しかった。
2部までを読んでる時は、もしかして意外な犯人が出てくるんじゃないかと期待してしまったんですよね。真犯人探しの楽しみも欲しかったです。

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皇女の霊柩(内田康夫) 新潮社

東京で殺された妻籠出身の女性、その3日後には馬籠で東京出身の女性が殺された。
2つの殺人をつなぐ和宮の祟りとは何か?

昭和33年に行われた和宮の遺体の発掘調査と、中仙道を通って江戸へ下向する和宮の為に馬籠に残されていたという棺の謎とは?・・・となるはずなんですが、
あまり和宮に関する謎は出て来ません。有吉佐和子さんの「和宮様御留」で語り尽くされていますからね。


銀河がこのようにあるために(清水義範) 早川書房

SFマガジンに連載されていた作品。
私達が見ているすべての物質、現象は人間の脳が作り出した錯覚・・・かも?
と言うお話ですが、ちょっとダイジェストされた感じがあります。
その割りに余計な描写もあったりして残念。
ラストはSF・宇宙ファンの夢かもしれません。「見たい!」「死んだ後でもいい、衝突する銀河をこの目で見てみたい」と思った事はありませんか?(^^)

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