‘06 07月号
 #15 緑色の小さな墓標 B


『くそ……ジャイロが離れない。ピタリくっついてどうしても離れない…』
『どうすれば…。このままでは我が愛馬『シルバー・バレット』が』
 シルバー・バレットだけではない。ヴァルキリーもスロー・ダンサーも…
『共倒れだ!こっちの呼吸も乱れてッ!来てるッ!!』
 焦るDio。相変わらずジャイロは背後にピッタリついている。
『こいつ…ラインを読んでいるというよりも…本能的に、偶然にもラインを選択してオレの行くラインと一致しているという事か…!!』
『くそッ!!抜かれないまでも……!!このままではヤツの馬とともに共倒れになってつぶれるッ!』
『そこを…あの現在スピードをおさえているジョニィ・ジョースターが後方からまたかっさらっていく』
 追う者よりも追われる者の方が精神の消耗は激しい。上り調子の時はまだいいが、一度下り始めればその兆候は加速される。
『だがゆずる事だけは…このラインをゆずる事だけは……』

『おかしい…ディエゴ・ブランドー』
 膠着(こうちゃく)状態に疑問を持つジョニィ。
『『何か』おかしい!このままでは!あの丘を越えるまでには!ぼくら3頭のうちどれか必ずボロボロになってつぶれる!もしかしたら『3頭』共倒れかもしれないのに!』
『そこがおかしい!それなのになぜDioは何もしない…!?』
『何かヤバイ…!!』
『逆に』!何もしないって部分!!あいつの『性格』!』
『ヤツが『何もしないって』ワケがないのにッ!』

 Dioが足元に手をやる。その仕草は足首に仕込んでいるデリンジャーを抜くことを思い出させる。
Dioは触ったのは愛馬の身体に触る。
くああああああああああ
 Dioの指先から次々と異形の生命が次々と溢れてくる。その小ささから推察するに…蚤(のみ)を恐竜化させたのだろうか。
その鮫のような姿(目がツブラなのが逆に腹立つ)をした恐竜が、文字通りテイル・トゥ・ノーズでヴァルキリーに次々と跳び移る。
そしてヴァルキリーの右目に潜り込む行為にでる。

「Dioのヤツッ!『何か』おかしいッ!なぜ!?『何も』してこない!!!?」
『いや……いや違う!!』
「すでにあいつ、もう『何か』しているのかもしれないッ!たった今ッ!!この時もッ!『何か』はわからないがあいつ間違いなく『何か』しているッ!」
「それがあいつの『本質』ッ!もうすでに終わっているのかも知れないッ!!(※1)」
 ヴァルキリーが目に入った恐竜を嫌がり首を降り始める。
「この状況に耐えろというのかッ!!くそっ!!だめだッ!耐えられないッ!くらえッ!Dioッ!」
 ジョニィがDioの横につき、弓を引く様な姿勢をとる。その姿はまるでケンタウルス、まさしく人馬一体!

ドンドンドンドンドン

 弾爪を乱射するジョニィだが…

パアァン

 Dioにかわされたうえに逆に左腕を尾により斬られる!!
傷口からは『遺体の左腕』がのぞく。
「無駄だ無駄だァァァッ。言ったはずだジョニィ・ジョースター。俺の2m以内に近づいたら喰い殺すと…」
 そのまま尾をジョニィの首に絡めて恫喝するDio。
「地球上の生物で恐竜(スケアリー・モンスター)の動体視力に勝てる動きはない!」
「それの投球にどれほどの意味があるッ!!無駄だぞ!!無駄ァァァァッジャイロ・ツェペリッ!」
 右のスフィア・ホルダーのホックを外したジャイロを牽制する。
そしてヴァルキリーの体勢も崩れる。
「し…しまったッ!!くそッ!ジャイロの『ヴァルキリー』の様子が何かおかしいッ!!」
「勝ったッ!!レースもッ!次の『遺体』もッ!おまえらのもッ!これで全てはこのDioのものだッ!」
 勝利を確信するDio。
「たしかに『今の』『この』右の『2投目』はな、無駄かもしれねえ…」
「だがすでに投げてる左の『1投目』はかなり有効だと思うぜッ!馬は走ってるんだ。オレらの馬もオメーの馬も走ってる」
「見ろよ……この『空のベルト』、馬と同じ速度で投げた『1投目』。このオレんとこから見るとものスゲェ有効間違いなしに見えてんだがな」
 シルシルシル…という音ともに確かに鉄球が宙に浮いている。
「まだ見えねえか?ゆっくりすぎてな。おまえさんの無敵の『動体視力』!!走行と一致しているスピードだからな…」
「でも音はそろそろ聞こえてんじゃあねーの?ゆっくりに見えるが地面との相対的には結構なスピードだぜ…」
「ヤツはハッタリだッ!!もらったッ!ジョニィ・ジョースター」
 まだ命中していないのに状況を説明するジャイロには疑問だが、それを信じないDioもDioです。

グシャァアア

 ヒットヒットヒットッ!!ついにジャイロの鉄球がDioを捕らえる。身体が回転して吹っ飛ばされるが、シルバーバレットの鞍を掴み落馬を免れる。そしてヴァルキリーから蚤の恐竜も離れる。
「止まってるぞッ!Dioの馬が止まっている!!遅れたッ!Dioが遅れたッ!」
 そしてDioの愛馬が膝をつく。
「Dioの馬がしゃがみ込んだッ!!走るのをやめたッ!立ってもいられないッ!Dioの馬が走るのをやめたぞッ!!」
 敗北…その屈辱…Dioが吠える。
うおおおおおおおおおおおおおおおおお
 そのうめく様な叫びは豪雨の中に消えていく………。

ドグシャアア
 ジャイロがジョニィを殴りつける。
「な…何だ!?何をするんだ!?ジャイロ。おいッ!!口が切れたぞッ!」
「てめえ!よけいな事をしやがって!ジョニィ!なんであそこでDioに向かって『爪弾』を撃ったッ!!くそ野郎ッ!てめえぶッ殺すぞッ!ジョニィー――ッ」
 ジャイロ激怒。
「クソったれッ!弁解なんかしたくはないがDioは間違いなく何かをたくらんでいた!今はもう違うが君のヴァルキリーの様子もおかしかった!ぼくにはわかるッ!あいつはあの時絶対に『何か』をやっていたんだ」
「黙りやがれッ!そんな証拠どこにあるっつーんだ!!『完膚なきまでに勝つ』ってのはこういう事じゃあねえッ!これはオレの目的と違うッ!!」
「いやジャイロ、君は勝っていた。あいつの『走り』に間違いなく勝ってたッ!そしてヤツの馬はもうつぶれたんだ!!ルールは無用だった!」
「そう思うか?オレはそうは思わねえ。今は遅れたがヤツは必ず復活してくる!復讐というエネルギーでますますやっかいになってなッ!」
 2人の間に緊迫感がせまる。コマ割りも勉強になる。上の段よりも下の段ののコマ割りの方が、顔のアップとなりより対立が鮮明となる演出となっている。
 しかしどんなに熱くなってもこの雨ではすぐ頭も冷える。ジャイロが詫びをいれる。
「殴ったりして悪かったな、ジョニィ。オレはまだ『何か』に勝てねえのかもな。Dioと…その他の『何か』わからねーが…その『何か』に…」
「『男の世界』か……厳しいな……」

「ジャイロ見なよ。誰かいるぞ…こっち向かってくる。ひとりだ」
「『女』だ。あれは『女の子』だ。こんな嵐の中になぜ『女の子』が馬で?」
 それを見たジャイロ。
「逆にヤな感じだな……『女』ってのは『禍い』を運んでくるしな」
 その時、ジョニィは…ホット・パンツの顔を思い浮かべる。
「ずいぶん偏見的なものの考え方するね」
「…だといいがな……ちょっと待てよ!あの女、オレ知ってるぞ」「ありゃたしかスティーブン・スティールの嫁だ!」
「まちがいない!会話はないが…顔だけは知っている…」
 そういえば1st.STAGEゴール直後にスティール夫妻(他多数)をシャンパン地獄にした時もありましたね。
「プロモーターのスティール?ここから4th.STAGEゴールのカンザス・シティまでは40qはある。何のために?」
「ぬかるなよジョニィ…スティールは十中八九、政府とつながっている『敵』だ……」
 そしてルーシーと会合する。
「ハアハア」「挨拶ぬきで失礼します…」
「このルートにあなた方がおられると聞いてここまで来ました……!!」
「ミスター・ジョースター、ミスター・ツェペリ」
「やっと会えたッ!!あなた方に会いたくて!!」
 ………。
「ずいぶんとナレナレしいな……。オレらは別に会いたくもねえ!」少し意表をつかれたジャイロ。
「あんたの顔も年齢も知ってはいるがだからといって、そうやってウッカリオレらに近づくのはよォォォ……いいか……命の保障が限りなくゼロに向かってるって事だからな」
「助けてくださいッ!あなたたちしかいないッ!わたしの夫を助けてッ!」
「おいおい、なんだぁ…このお嬢ちゃんは〜〜〜〜。イカレてんのか?それとも自分が14歳だからってオレらが甘いツラするとでも思ってんのか!!」
「『遺体』を持ってきました……『脊椎部分』!!」
「そしてマウンテン・ティムはッ!おそらくもうこの世にいないッ!」

 懐疑的で不信気味な2人に対して次々と衝撃的事実を連発するルーシー。

「き…君は一体何なんだッ!?それはまさかッ!?」
「鳩の足に付けられたメッセージからこうなってしまいました!大統領はまだ知らない!!でもバレるのはもう時間の問題!もしこれが大統領に知れたら…夫はレースで利用されてただけッ!」
「夫も私も始末されるッ!助けてッ!あなたたちしかいないッ!だからこれをあなたたちの所へ持ってきましたッ!」
 予想外の展開に若干の動揺を隠せないジャイロ&ジョニィ。
「ちょっと待ちなおい!おまえさんカンザスで何をやって来たッ!!?まさかここまで誰かに尾けられて来てるって事はねーだろうなッ!?」
 ジャイロの言葉にジョニィも慌てて周囲を警戒する。
「そんなはずはない……。いえ…そんなハズは…あり…えない」
 その時ッ!ルーシーは自分の左腕に黒い物体が付いていることに気付く。
ああああ」「うううあああ」
「……ありえない……あああああああ
 自分の手であの男の咽喉に…急所に…撃ち込んだはず。
「ジャイロ。星は見えないが大熊座の方角だ……雨の音が変わった」
 何故に北極星の方角と言わないのか…というのはどうでも良いことか。とにかくあの男が追いついてしまった。

オラァアッ

ドンドンドンドンドンドン

 鉄球と弾爪の同時射撃。
しかしッ!まるでパチンコ台のように弾き返される。固定した雨が盾となる。
しかもッ!ジャイロ&ジョニィの腕がボロボロに引き裂かれている。固定した雨が刃となる。

「こ…これはッ!?」「雨粒がッ!?『空中』にッ!」
「完璧に『固定』されているッ!ビクともしないッ!しかも尖っていて鋭く切れる!!『動いた』ら!全ての肉がッ!」
 囲まれている。凶器と化した雨に包囲されている。
そしてルーシーに近づくブラックモア。
「ルーシ〜〜〜スティールゥ〜〜〜〜」
「おまえの行為は『蛇にそそのかれたイヴ』のごとき愚かなる過ち」
「さあ、それを『返して』もらおう。その『お方』はこの大国にいる事を選ばれた……この新大陸で『復活する』事を!!」
 無礼なッ!うら若き女性の胸を踏みつけるブラックモア。体勢が崩れていくルーシー。首の後ろの刃状の雨が減り込んでいく。
「そして償いを!おまえの行為は『邪悪』だ。この世にとって…おまえの存在は『禍い』だ。消えてもらう!!」
 身動きとれないまでも反撃の道をさがすジョニィ。
『完璧に固定された『雨粒』……。雨粒と雨粒のスキ間。必ずいい角度があるはず』
『ヤツまでのこの距離ッ!雨と雨のスキ間を探せ!!』
 しかし糸口をさぐるジョニィを、逆にブラックモアが腕を飛ばし首を締め上げる。
「おまえらの持つ『遺体』も我が大統領の所有ッ!返してもらうぞッ!!」
 そのままジョニィを押して、ルーシー同様に首の後ろにそそり立つ刃状の雨に突き立てようとする。
おらあ!ジョニィッ!うろたえんなッ!そのまま爪弾行くぞオオオ!!

ブゥゥ〜〜ン

 なんなく腕を振り戻すジャイロ。固定した雨はどうなったんだ??
「なんつこーたあねーぜ。空中に…動かねェーで完璧に『固定』されてるだろう?この水滴…ひと粒ひと粒は……」
 言いたいことは解った……理屈ではそうかもしれないが……
「キズ穴はスデにトンネルみてぇに開いちまってる…。同じ軌道なら動かせる…さっき投げたのと同じ軌道ならよォォォ」
 そして右手に装填される鉄球。
「いいか…もう一発いくぜ。これからおめーにできる事は『覚悟』それだけだぜ!」
「これをくらったあとの覚悟だけな」

「……………………」「全員で償うがいい…」
「自分の罪を!あの世でおまえら全員で……」
 自分の方が圧倒的に優位…つまり強者のはずなのに、ジャイロの余裕ある態度にカチンときているようだ。
「うおらぁあああああああ」
 そして発射ッ!

ガン ガン ガン ガン   ガギィィィン

 ……。弾かれたあげく結局は止められた。断末魔の叫びのように空しく回転する鉄球。
ブラックモアも一瞥してルーシーの方を向く。
「おまえの夫も処刑される!!まずおまえからだ、ルーシー・スティール…」
「呪われてこの世から消えろッ!」
 今度は直接、手に雨の刃を持ち喉元に突き立てようとする。
涙(と恐らく鼻水も出ているだろう)でグシャグシャの顔のルーシー。
「いいえ……『蒸発』してるわ…『水蒸気』になっている……」

グツグツグツグツ   シュウウウ〜〜    ガン

ガリガリグツグツグツ   シュウウウ〜〜〜   ドガン

 水滴に止められたと思われていた鉄球…その実は、着実にブラックモアにニジリヨッテいた。
「摩擦で…固定されてる『水滴』が……あれの回転の摩擦で……」
 そしてついに、牙をむいた鉄球がブラックモアをその顎(あぎと)の中に入れる。
残る障害は後1つ。
「人には『使命』がある……」
「肉体的な小さき『命』なぞ超越した大いなる『使命』が!!
「呪われろッ!おまえらは皆ッ!…未来なぞないッ!!」
 冥土への旅の伴にルーシーを連れて行くために、ルーシーの咽喉へ立てた雨の刃に力を込める……がッ!

グシャアア

 ブラックモアの願いは届かずジャイロの鉄球が一足速くブラックモアのコメカミに命中する。
身体ごと回転して吹っ飛ぶ、スタンドである仮面も砕かれる。

「起き上がってくるわッ!」「ああっ……そ…そいつはッ!」
「お願いッ!そのブラックモアは不死身ッ!立ち上がってくるッ!」
 おびえるルーシー。ほとんどジェイソン扱いである。
「いや」
「何があったのか知らねえが…」
「こいつ…既に死んでたのにここまで来たようだな。銃創で…何発かの致命傷が開いてる…」
 ジャイロの言葉に泣き崩れるルーシー。
「急に雨が上がって来た…」「嵐が…やむな……」

「おかしい…ジャイロ見ろ…どこだ」
「『脊椎』が!!ないぞ!どこ行った!?」
 呼ばれてジョニィの方を向くジャイロ。「見ろ」と言っているのに「ない」とは矛盾な。
しかしそんなことよりもジャイロが見たことの方が重要。
『脊椎』がジョニィの背中の服の中に滑り込むのを目撃する。
「う………何だ……ちょっと待ってくれ……急に目まいが……」
「うう…気分が悪いッ!」
 急に体調を崩したジョニィ。スローダンサーから落ちてしまう。
「お前の気分の悪いのはすぐ治まると思うぜ……」
「『地面』を見ろ……!!砂が…動いて集まっていく……」

Dexter Brachium  これが第五の『遺体』の在り処!探求者に休息はない!!

今月のめい言

「呪われろ」

○ジャイロ対Dioのどちらがブッ潰れるかのガチンコ勝負。Dioの策謀を感じ取ったジョニィが間に割って入ったが、結果的にシルバーバレットが潰れたためにジャイロの勝利と言って良いでしょう。
 しかしジャイロは不満である。これはDioの心を根元から叩き折っての勝ちとは言えない。今は頭を垂れているように見えるが、その実は弾性エネルギーを溜めているバネの如くであり、復讐を糧に大きく飛び出す準備段階にすぎない。ジャイロはそれを知っているのである。恐らく、かなり後のSTAGEになるであろうがDioは再びJ&Jの前に立ち塞がるであろう。

○Dioのスタンドについて新たな情報あり。何と「他の生物を恐竜化する」能力が残っていました。そしてその恐竜に命令を下す能力も健在のようです。Dioは自分がスタンド使いであるということを極力隠しているので、目立つ大きさの動物を恐竜にすることはないでしょう。尤も、最終手段として愛馬シルバー・バレットを恐竜化するかもしれません。

○「女は禍いを呼ぶ」でホット・パンツ(以後、HPと表記)を思い浮かべるジョニィ。関係ないとは言いつつ気になる存在になっているらしい。「偏見を持っているんだな」と故意なのか無意識なのかHPをかばうような言動をする。実は「女を禍いを呼ぶ」でジョニィが真っ先に思い出すはずなのは、下半身付随の原因になったあのボブヘアーの女であるはずなのだが…。「秘密のない女は氷のないオン・ザ・ロックだ」とは誰のセリフだったか忘れましたが、謎だらけのHPにジョニィがやや惹かれているのは確かのようです。

○ブラックモアとの死闘。せまる死へのカウントダウンの中でルーシーを猛追してついに追いついたブラックモア。すでにJ&Jと接触していたが、それは何の問題にもならない……はずだった。しかし遅かったのだ。窮地を何度も経験している2人が相手では、「雨が降れば無敵ッ!!のブラックモアもかなわなかった。盾である「固定した雨粒」を鉄球の回転の摩擦熱によって次々と気化させられ、消滅させられ、突破された。敗北を目前にしてブラックモアが放った言葉は呪われろ。あの行動力機動力あふれるブラックモアが、迫る鉄球に対して叫ぶことしか出来なかった画はなかなかグッとくるものがありました。

○ところで……黒幕が「大統領」ということをブラックモアは口を滑らせていないかい?

○そして「遺体の脊髄」がジョニィの身体に滑り込む。身体を支える心柱である脊髄なだけに、次回でジョニィが歩けるようになっていても不思議ではないような気がします。遺体が示した言葉は「Dexter Brachium」。Dexter=右の、Brachium=腕。次の遺体の部位は右腕でしょう。ダブル・ミーニングとして「Dexter Brachium=右の支流」、「Dexter Brachium=幸福の湾」かもしれません。それとも次回で砂上に地図が描かれるのかも。

○最近読んだ本で「ユダの福音書を追え」というものがあります。遥か昔に禁書扱いされ封印されたパピルスの本が発見されるが、数奇な運命を辿り崩壊寸前までいっていたが、修復され解読されてその中身を発表される。それを追ったドキュメンタリーである。この「ユダの福音書」はユダが実は裏切り者ではないという内容のものでした。新約聖書(マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの福音書)の中でもJCは裏切り者が居る事を知り、それが誰かも解っていながら捕まえることもせず、「汝の為すべき事を為せ」と言ってその場からユダが出て行くのを見送った。つまりJCとユダの間では単なる「裏切り」ではなく、それ以上の「何か」があったのでは…ということが書かれた本もありました。「ユダの福音書」はその「何か」を示した書であります。

○新大陸でのJCの「復活」。「ユダの福音書」ではJCの復活は記されていませんし、実は新約聖書の中の4つの福音書の中でもマルコの福音書ではJCの「復活」には触れていません。

○私の推測として、SBRではJCは自らの意志で磔刑となり死を受け入れた。イスカリオテのユダによって官憲に捕らえられたJCであるが、その遺体を回収し新大陸にバラまくというとてつもない辛苦の旅を行なったのもユダであろう。そして1900年の時を経てJCは「復活」をしようとしている。その目的は未だに全く見えていません。まだまだ謎は多いです。

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