平野を疾駆するジャイロとジョニィ。
4th.STAGE 第20日目
ゴール『カンザス・シティ』まで丸一日の地点
(本日夕暮れまであと2時間) |
データ
STAGE走行距離 約1250q
レース参加者総数 1918人
現時点ステージリタイア者数 825人
総合第1位 ディエゴ・ブランドー(190ポイント) |
ブシュゥウウウウ
クリーム・スターターがジョニィの額に噴霧される。すると傷口を埋めつつ弾丸がせりだして完治する。ところで骨はどうなの?骨も治しているのかな?便利ィ〜〜!
破壊された小屋を見渡すジョニィにジャイロが話し掛ける。
「おい、頭 大丈夫そうか?今よォ…オレ、ギャグ考えたぜ。オリジナルギャグだ。考えたんだ」
「でもいいか…たった一度しかやらねーからな。よく見てろ」
「一度っきりだ…指見てろよ。今、指何本に見える?」
そういって右手の指を4本立てるジャイロ。
「……4本」
………。
「そこちょっと失礼(し・トゥ・れい)ィィィィィ〜〜〜」
指を4本から2本、円の形に次々と変える。円は「0(零−レイ)」である。
「つーギャグ…どよ?」
「ん〜〜!!…なかなかオモシロかった。かなり大爆笑!」
「だろ?あとでもっとジワッと来んだよ。気に入ったからってパクんなよ」
おまえのギャグより3時のオヤツの方が気にかかるという表情のジョニィと、それに気付いているのか気付いていないのかのジャイロ。
「お馬ちゃん、そこちょっと失礼(4・2・0)ィィィィ」
ジョニィに受けていないのは気付いていないようですね、ジャイロ(笑)。ヴァルキリーに無邪気に話し掛けています。
「ジョニィ…それですぐ出発だ!ホットパンツの傷もスプレーしといた。ヤツが気付く前にな………!!」
「でも恐ろしい敵だった。これから先も出会うのはこんなヤツばかりなのかな……」
純潔なる決闘で額を撃たれたジョニィ。知らずに脂汗が流れる。
「おそらく…凍りつくほどな。…かといって、レースを降りるワケにもいかなくなったな…そんな気はサラサラないだろうが…」
「仮にレースを投げたしたとしてもおまえは一生涯この国の政府からどこまでも追われるだろう」
「言うとおり…レースを降りる気なんてサラサラないよ。むしろ勇気がわいて来てる」
と言うのはジョニィ。額を撃たれたばかりだというのに剛毅である。
「ああ…どういうわけだかな…オレもだ…。カンザス・シティに入ろう、それも一番乗りでな」
「それと『遺体』の正体だ…『聖人』は何者なのか?ヴァチカンから情報をもらわなくてはならない」
「おっ」「こいつ!!荷物の中にいっぱいあるじゃねーの!ロースト・ビーフ・サンドイッチは残らずもらって行こう」
「全部食っちまえばよォー―、そいつに『縛り首』にされる証拠も消えちゃうって事だからよォー――」
「それともそいつがもっともムカつくよーに肉だけ食ってパンだけ残しといてやろーかッ!」
「ニョッホッホッホ!」
ホット・パンツの荷物を勝手に漁るジャイロ。こいつ泥棒でっせ(笑)。
そしてジャイロとは逆にホット・パンツ本人に近づくジョニィ。
「本当に生きてるんだろうな。まるで…」
心臓の鼓動を確かめようとホット・パンツの左胸に手を伸ばすジョニィ。
「は!」
思わず手を引っ込めるジョニィ。想像しなかった柔らかい感触にショックを受ける。
『なんだこれは…!?ホット・パンツ……まさか!』
「急げ!ジョニィ」「レースのポイント数はそのクリーム野郎の方が上位だ!」
『驚いた…でもどうでもいい事か……『彼』…いや、ホット・パンツが何者だろうと…ぼくらには何の関係もない…』
河の側にたどりつくジャイロ&ジョニィ。遠くには浮いている気球が複数個見える。
「見つかるのはまだいい…だが気球に追跡されんのはゴメンだ…。なるべく木陰を行こう。それとよオー、しゃべる時は『手』で『口』をこうやるんだぞ」右手で口の周りを覆うジャイロ。「手でこうだ」
なにそれ?と訊ねるジョニィ。
「『読唇術』だよ。上空から『会話』を読まれるな!」
「軍隊で訓練されるもんなんだ。ぜんぜん特殊な技術じゃあない…その係員が機乗している…まちがいなく『スティール』も政府の手先だろうからな!」
そこに駆けて来るポコロコとサンドマン。両者とも河に侵入する。
「おいサンドマン!!サンドマン!ちょっと聞きたい事がある。今、先頭は誰だ?Dioをみかけたか!?」
すでに腰の上まで水に浸かっているサンドマン。
「君らのライバルはDioだけなのか?ま、いいだろう…早朝にDioの足跡を見た。我々より一時間ほど先行している。予想通りトップは彼だが河の少ないルートを通っていった」
丁寧に教えてくれるサンドマン。
「一時間!」
「残りあと一日。まだ追いつけない距離ではないぞ」
色めきたつジャイロとジョニィ。
「それともうひとつ」「明日は『嵐』が来る。ゴール前の進行は困難になるだろう」
「1st.STAGEの時、オレは君のかわりに勝利をゆずり受けた。だからそれを教える…これで貸し借りはなしだ」
嵐が来る…と言い残して再び河を泳ぎだすサンドマン。
「こんな青空だがサンドマンは信用できるぜ。Dioは先行一時間か!そしてただの雨じゃあなくて『嵐』が来るだと?だとすると明日は馬での走行は限りなく不可能になる」
「ジョニィ、予定が変わってくるぞ」
「もうすぐ夕暮れだが今日のうちに馬を進めるだけ進めよう」
地図を開くジャイロ。計画を話す。
「明日『嵐』になるならその方が馬にとって有利だ。そして適当な場所で『嵐』が弱まるのを待ちゴールへ突入する」
「この『TURBO』の位置には」地図に描かれた×印を指差す。「ゴールを決めたあとでひそかに『遺体』を回収しに行く!それでいいな!?」
「いや…だめだ…ジャイロ……それじゃあだめだ…」
「サンドマンはDioが河の少ないルートを通って行ったと言った…『北ルート』だ…」
「北にはミシシッピー川の支流がない。つまりDioはカンザスの北の位置に向かっているッ!」
「向かっているんだッ!」
「Dioはヤツの『左眼』からTURBOの位置をつかんでいるッ!あいつはゴールより先に『遺体』を回収する気だッ!」
天候同様、風雲急をつげてくる。
「そしてなんて事だ!」「今、思い出した……」
「あのリンゴォの小屋の中には鳥籠があった!何かおかしいと思ったんだ!あの小屋には中が空っぽの鳥籠があったんだッ!」
あった!確かに…。
「中に『鳥』がいればいいのさッ!でも気づかなかった!『空っぽ』だったんだぞッ!鳥籠の中には一羽も鳥がいなかったッ!」
「つまり政府にバレたって事か?リンゴォはオレが小屋に突入する前にTURBOの情報を『鳩』につけて飛ばし終わっていた。ヤツならありうるな」
リンゴォがジャイロの鉄球を側頭部に受ける直前まで鳥籠の中に二羽の鳩が存在していた(その後、消えていた)。
「鳩はどれくらいで飛ぶ?」
「どこへ飛ばしたかは知らないが、馬よりはずっと早いさ!ずっと!」
「ジャイロ、ぼくは『嵐の中』を行く…!すでにもう遅いかもしれない。でも…『ゴール』より先に行かなくては…」
重要な分岐である…。はたして吉とでるか凶でるのか…?
「この気球どもについて…2〜3質問があるんだが」気球と蒸気機関車が写っている写真をみながら話しだす。「風上へ進めたりできるのか?」
「いいえ…気流に乗って方向を多少変えるのみです」
「風上へ進めたりできるのか?」
「いいえ…気流に乗って方向を多少変えるのみです」
窓の外では雨が降り出している。
「滞空時間はどれくらいだ?」
「基本的にバルーンからガスが抜けなければずっとです…しかし現実には上下移動にガスを噴射し、夕暮れまでには降りて来ます」
「現在レース上で何基飛ばしている?」
「約36基。晴天日のみですが」
ここで答えているのが大統領側近である。そして質問しているのはもちろん…
「じゃあ最後に聞くが」
質問しているのはもちろんファニー・ヴァレンタイン大統領である。
「そんな数飛ばしているのに『気球からの『報告』がジャイロ・ツェペリとジョニィ・ジョースターを見失いました』…といつもなのはなぜだと思う?」
「しかも果樹園でリンゴォが放ったらしい鳩もまだ見つけていないのもなぜだ?」
「リンゴォが飛ばした鳩はともかく、上空から常に2人だけ追跡するのは不可能かと思われます」
「かもしれない。わたしはとるにたらない話をしている。だが多少、敏感な方でもある」
豪奢な椅子に浅く掛け、アゴを両拳の上に乗せる大統領。
「個人的な推測だが『スティール』のやつがこれに関して非協力的だからだと思う」
「やつが我々の邪魔をしてるからでは?レースの気球はヤツの所有だからな……」
「あのプロモーターが裏切っていると?考えられません。仮にそうだとしたらスティールは全てを失います。動機がありません」
訝しがる側近。確かに動機は大切である。
「そう。普通、プロモーターどもは金と権力を欲しがる。だがヤツは何か妙だ…。情熱というか…少年じみているというか…くだらない理想主義というか…とくにモニュメント・バレー以来な」
鋭い…!他人の動向や態度をよく見ている、侮れない性格である。
「いまはそうでなくてもいずれ我々を『裏切り』そうな気がする」「どっちかな…どうするかな……」
「このレースにあいつは別にいなくてもいいような気もするし…でももう少し利用できそうな価値もあるし…」
スティールを始末するかどうか迷う大統領に側近が進言する。
「スティーブン・スティールにはカリスマ性があります。マスコミや労働者、ボランティア…彼について来ている者は多い…。彼が消えたらレースは混乱するでしょう…」
「うむ…そうだな…とりあえず今はやめておこう。ただし利用価値がいずれなくなったらご退場願おう」
「我々はこのカンザスのどこかにある次に『遺体』を必ず見つけなばならない!」そして決意を述べる大統領。「次の『遺体』は『脊椎』だッ!」
「アリマタヤのヨセフの地図によるとあの方の『背骨の部分』がここにあるッ!!分裂した遺体の部位で人体の中心!最も重要な部分!それさえ手に入れば他の部位はあとでどうにでもなるッ!」
「必ず手に入れるよう『スタンド使い』どもを……この町に呼び寄せておけッ!」
人がいる…大統領と側近のいるビルを見つめている。
「奥さま…スティール夫人……奥様」
「わたしの話を聞いてらっしゃるのですかッ!スティール夫人!」
「2〜3日後にはレース参加者たちが一斉にこの町のゴールに入って来ます!わたしはその仕事が山のようにあるというのにッ!奥さまがぜひ教えてほしいとおっしゃるから家庭教師をおひき受けしたのにッ!」
卵男みたいな例の大会実行委員が机を叩く。
「わたしも忙しいのですッ!それをどういう事ですかッ!わたしの話など全然聞いておらず、窓の外ばかり見てッ!」
バッと立って黒板の文字を消すスティール夫人。でも黒板に書かれているのは「A=(ei)」とかアルファベットと発音が書かれている。え〜ッ!…そこから!?
「あたしがあなたから『読唇術』を習ってるって誰かにしゃべった?」「口外してないわね?しゃべってないわね?誰にもッ!?」
「……はい。もちろん…お約束ですから…」
「そう…」「この習い事はもうやめるわ」
「超理解不能!!」
「あたしにはさっぱりわからないから!」「眠っちゃいそう。才能ゼロ」
「あきっぽい性格って彼に怒られそう!はい、お給料」
「もう帰ってくれない…」
乙女の気まぐれに振り回されたハンプティ…だが、特に感情を表していない。何かに気づいているのだろうか?
そしてあの黒板!読唇術の授業であり、それを隠すために幼な妻はすべての文字を消したのだ。
「う…ううう…」
自分を抱き締めるのは不安と緊張の顕れ。大統領の居たビルを見て、泣き崩れ落ちるスティール奥方。
ルーシー………
わたしはおまえがそばにいてくれて
そしてほんのささやかな暮らしが出来れば満足なんだ
他には何も必要ない…
ただ、新聞に名前が載るのはちょっとうれしいがな……。.
新聞なんて明日には捨てられてしまうんだが……
下のスミの方でいいんだ…すっごく小さな文字で…
Produced
by
STEPHEN STEEL |
それだけでいいんだ…
……………たったそれだけで………
そのためにこのレースに全力を尽くそう……… |
「殺される……」
スティールとの思い出を浮かべながら震えるルーシー。
「夫はやはりただ利用されているだけ…必要なくなったら…あいつらに口封じされてしまう」
この一件でルーシーが得た情報は多い。
『ジョニィ・ジョースター』『ジャイロ・ツェペリ』『左腕』『次の遺体』『脊椎』
『スタンド使い』『スティール・ボール・ラン・レース』『アリマタヤのヨセフの地図』
その時、ルーシーは屋上に羽ばたき降りる鳩を見る。
双眼鏡覗くルーシー、脚にメッセージを入れるカプセルを確認する。
そして先ほど大統領が話していた「リンゴォが放ったらしい鳩がまだ見つかっていないのはなぜだ?」というセリフを思い出す。
「ええ…勿論存じてますわ。この建物が政府所有だって事は…ですから中にいる彼にこのお弁当を渡してもらえるだけでいいの。彼…今朝、忘れて行ったから」
大統領がいるビルの玄関に立つルーシー。
「ご存知でしょ?夫はスティーブン・スティール。今すぐにお願い。お昼過ぎてからじゃあ意味ないし……」
警備員が受付と話している間にビルに侵入、そのまま屋上へ行き鳩小屋の鍵を壊す。ぬかりなくマイナスドライバーを持ってきているのが素晴らしい。
屋上でメッセージを持った鳩をゲットするルーシーだが、階下から人が登って来る気配を感じる。
「なんだ…!?…おかしいぞ。このドアが開いている……。今朝、鳩小屋を調べた時は閉めた筈だ…その後、誰かここに来たか?」
壊した鳩小屋の鍵を直し(南京錠ごと土台のネジを外していた)鳩小屋の下にシートを覆って隠れる。
「どうだ?鳩は来てるか?」
屋上に登って来たのは大統領と…初めて見る部下である。
「すいませェん」「メッセージを持った鳩は見当たりませェん。到着はまだのようです」
前頭部から一房の髪をたらしている。またもや変わった外観である。
「君はどう思う?一日に2000q飛行する鳩もいるという…その鳩でなくても今朝あたり到着する筈なのだ、この小屋に」
「…そして情報はリンゴォがワザワザ死ぬ前に飛ばす程のものだ。一体それ程のものとは…どんな情報だと思う?」
もちろん…神ではない者の身としては知る由もないだろう……が。
「まさかだよ…な…。まさかあれの位置という事はな…」
ルーシーが開けたメッセージには……まさしくジャイロが解明した遺体の位置がハッキリと書かれている。
「大統領……しばしお待ちを……」「この鳩小屋、何かおかしい。変な雰囲気です」
小屋を覗き込む部下。
「すいませェん。わたくし、さっき鳩はまだだと言いましたが訂正させて下さい」
「『一羽』…」「到着しています。朝より『一羽』多い。リンゴォは『二羽』鳩を飛ばしたようです。メッセージを足につけた鳩と緊急状況下のせいでつけられなかった鳩…二羽を…」
気付いたッ!
「だんだんおかしくなって来ました。この『錠前』……一度壊されてこの木ネジ部分が打ち直された形跡がある…」
気付いたッ!(Part.2)
「つまり何が言いたい?ブラックモア……こういう事か?」
「何者かがこの屋上に来てこの鳩小屋をこじ開けたと?今そこのドアも開いていた…」
「だが考えられない…『誰が』!!『何のため』に?そんな事をする者がいるのか?このカンザス・シティに…」
さらに気付いたッ!(Part.3)をくりだすブラックモア部下。
「すみません大統領」「確実に二羽とも到着しているようですッ!鳩の入口部分にその跡があるッ!雨に濡れた二羽の形跡がッ!」
「しかもこの鳩の翼も雨がまだ乾いていないッ!」
「鳩が到着したのはついたったの今ですッ!」
「間違いないのか?だが理解不能だ……。この建物の中に…『何者』かがいるという事か?たった今!『メッセージ』のついた鳩を盗んだという事かッ!?そんな事をする者が………!?」
その時ッ!!ルーシーの手をすり抜けて小さな鳩の羽根が大統領の足元に舞い降りる。
それに気付いた大統領は、羽根が舞い出た小屋の下に近づく。そして…ルーシーの隠れているシートを剥がそうと手を掛けた……
バサバサバサバサ
鳩が小屋の側面から飛び立つッ!!
「メッセージのついた鳩だッ!!何しているッ、早くつかまえろッ!ブラックモアッ!!」
「…」「はいィ…すみませェん。大統領、今追います」
宙に浮く…いや雨だれの上に乗っているのだ。
そして浮くどころではないッ!空を走るッ!!鳩のスピードより速く、鳩の上に位置する。
ギャン
仮面が発現する。これがスタンドのヴィジョンか!
ガバァ
鳩に気をとられていた大統領が改めてシートを剥がし小屋の下を覗き込む。
だが誰の姿もない。
鳩の上空5m程の所に達したブラックモア。
すると、ブラックモアの顔が雨により次々と穴が開き蜂の巣のようになる。
ブラックモアの右半分の顔面と仮面が鳩の上に降り注ぎ……
ガブゥゥウ
鳩にかぶりついた。
ショックでばたつく鳩に、スキップするように近づき捕獲する。
「『空』です…」「大統領…メッセージは入っておりません…カプセルの中は…」
「スイませェん……『空』です」
ギギィ…ギギィ…
風のせいか、それとも…?揺れるドアを見つめる大統領。
「『キャップ』だ!鳩の足についてるカプセルのフタだ!」
「今、誰かここにいたッ!この場所でメッセージを抜き盗られているッ!たった今だッ!何者だッ!?」
「こいつはすでにリンゴォの鳩とメッセージの存在を知っていたッ!!」
膝上20cm程のスカートが翻るのも気にせず階段を落ちるように降りる!!
「この階だ!この階を調べろ!下には誰も来ていないッ!」
警備兵がドヤドヤと駆けて来る。
{非常事態だ!何者かがこの建物に侵入しているぞ!!このビルを封鎖しろ…!!}
{いいか完全に封鎖だッ!!そして『射殺』も許可するッ!!}
内戦の受話器に叫ぶ大統領。傍らでブラックモアがルーシーが滴らせたであろう、点々と続く水滴をチェックしている。
{くり返すッ!侵入者の射殺を許可するッ!警備レベルは最大だッ!!決して誰もこの建物から外へ出すなッ!!}
大統領の命を受け、かなりの数の警備員が捜索している。
ルーシーの手には遺体の場所のメモが握られている。
「廊下がやけに騒がしいな。何事だ?何の騒ぎだ?」
スティールが騒動に気付く。
『リンゴォ・ロードアゲインが送ってよこしたメッセージの内容は!…間違いない…次の『遺体』のある場所だ…。だが…どういう事だ……!?』
『ツェペリとジョースターの他に『見えない敵』がいる…』
『このわたしの!このビルの中に!!』
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