Update:2010.12/13
ネジコン(neGcon)というのは、レースゲーム向けに特化された特殊なコントローラーの事です。PlayStation用として昔ナムコが販売していましたが、今でも一部のマニアに強い指示を受け続けています。そのあまりの操作性の良さと手軽さから、ハンドルコントローラーが売れなくなるのを恐れてPS2版のグランツーリスモ等のレースゲームで対応されなかったというコントローラーです(被害妄想)。
こんなページをわざわざ用意している私も当然ネジコン大好きの一人で、家で遊ぶあらゆるレースゲームはネジコンでプレイできる事が購入の最低条件となっています。
ネジコンは↓のようなちょっと特殊な形状をしています。
コントローラー中央の円形の部分からコントローラー自体が左右に回転し、動作角の大きなアナログの入力を行なう事ができるようになっていて、レースゲームを行なう場合はこの”ねじり”がハンドルの操作になります。
コントローラー右側のふたつの赤いボタン(I , IIボタン)がストロークの深い物になっていて、ボタンを押し込んだ量に応じてアナログ入力を行なう事ができます。デュアルショック2のような感圧式のボタンよりは遙かに使い勝手が良く、レースゲームではこれがアクセルとブレーキになります。
この”ねじり”とふたつのアナログボタンによって、レースゲームで重要となるハンドルとアクセル/ブレーキをアナログで操作できるようになるので、レースゲームには非常に便利なコントローラーです。
ネジコンには世代別に3つのモデルがあり、↑の写真の物が初代(白前期型)のネジコンで、
↑これがL/Rボタンの形状と動作を変更した白後期型です。白前期型のL/Rボタンはボタンの内側を軸として円運動を行なうボタンでしたが、この動作を行なっている内部のナイロンギアが強度的に問題があって経年でギア欠け等が起きるので、白後期型でボタンが真下へ垂直に動くように変更されています。
最終のモデルが↑のブラックネジコンと呼ばれる物で、見てのとおり色が黒色に変更されています。握りやすいようにコントローラー自体の厚みを少し増す等の微妙な形状変更がなされていて、大きさも一回り小さくなっています。定価も5,000円から3,000円に値下げされました。
既に製造終了から年数が経過しているので入手は中古屋やオークション等を使用する事になりますが、値段もいい加減叩かれて高くても1,000円以下で入手できるようです。
で、これをPlayStationだけでなく、PCでも扱えるようにしたいというのがこのページの本題。当然プレイステーションのコントローラーがそのままPCに繋がるわけはないので、間に何かしらのアダプターを挟む必要があります。幸いプレイステーションのコントローラーをUSB経由等でPCに接続できるアダプターが多く出ているので、これを使用すれば簡単ではないかという気もしますが、実際はそう単純な話ではありません。
多くの製品は標準のコントローラー(デュアルショックもしくはディアルショック相当の物)の使用を前提としたもので、ネジコンの対応は唱っていない物が多いのです。それによって、以下のような問題が起きることがあります。
プレイステーションのコントローラーは規格上3.6Vで動作するように設計されているのですが、一般のPCには3.6Vという電圧は存在しません。そのためUSB接続のアダプターの多くはUSB端子から出ている5Vから内部で3.6Vを作り出しているハズなのですが、一部の粗悪なアダプターは5Vそのままを使用している場合があります。
デュアルショック等は5Vでも正常に動作してしまうのでそういった用途では問題はないのですが、ネジコンはそうはいきません。押してないボタンが勝手に押された状態になるとか、ハンドルが一定以上切っても入力を受け付けなくなるといった症状が出る場合は私の経験上、動作電圧が合っていない可能性が高いです。
また、ネジコンの動作可能電圧は新しいモデルほどシビアになっているようで(経験による勝手な推測)、白初期型のネジコンなら5Vでも問題なく使用できる場合もありますが、白後期型やブラックネジコンだとダメだったりするようです。
開発当時Lボタンをクラッチにでも使わせたかったのか、ネジコンはLがアナログ入力、Rがデジタル入力となっています。とはいえ実際にはネジコンでレースゲームをする場合、LとRをシフトチェンジに割り当てる人も多いと思います。それが、Lがボタンではなくアナログの軸として扱われてしまうと、たいていのゲームではLにシフトチェンジを割り当てる事ができません。ゲームによってはできるかも知れませんが、たいてい無理です。
正式にネジコンに対応しているアダプターの場合は自動的にLをアナログ軸ではなくデジタルボタンに変換してくれる場合もあります。この仕様と良しとするかどうかは使う人によりますが。
これも正式にネジコンに対応していないアダプターで良くある問題で、本来ボタンを離した状態で0、最大まで押し込んだ状態で127という入力になれば良い物が、物によってはそうではない場合があります。
離した状態が127で押すと0になるとか、0から押し込むと-127になるとか、アダプターによってもうめちゃめちゃな場合が多いです。プレイするレースゲームの設定で軸を反転させたり細かい設定ができるならそれでも問題ないですが、そうではないレースゲームを行なう場合はI, IIボタンがマトモに使えなくなります。
内部の動作電圧を公開しているような変換アダプターはないし、ネジコンにどう対応しているのかを公表している変換アダプターもおそらくありません。この辺は実際に買って試してみるしかない部分だと思います。メーカーに問い合わせても良いでしょうがネジコン正式対応製品でなければマトモな回答は望めません。正式に対応しているといっても、それが実際に自分の遊びたいゲームで割り当てられるかどうかは、また別の話でもあります。
当然私がすべての組み合わせをテストできるわけではないので、どの変換アダプターを買えと指定することはできません。私が勧めるのは適当に変換アダプターをひとつ買ってみて、それが納得行くものであればそのまま使い、そうでなかったらそのアダプターを分解してDirect Pad Pro(DPP)に改造してしまうという手です。
自分でDPPを作ってしまえば、電圧の問題など起きるはずもなく、昔はWindows9xのドライバーしか無かったのですが最近は有志の方が作ってくださったWindows2000/XP用のドライバーがあるので問題なく使えます。
このドライバーが非常に高機能でネジコン対応も万全で、Lボタンのアナログ/デジタルの切り替えはもちろん、I, IIボタンを独立した2つの軸からIがプラス、IIがマイナス方向の1軸に合成してしまうといった事も可能で、各アナログのセンター/マックスの遊びの設定や特性カーブの変更、デジタルボタンの割り当て番号の変更等、非常に多くの事がドライバ側で設定できます。これらを駆使すればすべてのレースゲームでネジコンを使用できるハズです(そもそもキーボードでしか操作できないレースゲームとかは別)。
DPPは基本的に自分でハードウェアを作成する必要があるので敷居は高いといわざるをえませんが、一度作成してしまえば本当に便利に利用できます。
PCでネジコンを使いまくりたければぜひDPPを作成しましょう。