シャルル-フランソワ・ドービニー(1816-1879) 農夫と牛のいる風景

 暗緑色の野面(のずら)の中に確かに二頭の牛と農夫が読みとれる。エッチングの版画家でもあったためかバルビゾン派の中でも明瞭で硬質なコントラストのある画風である。▼彼は池や川に「ボタン」というお気に入りのアトリエ舟を浮かべ、そこで生活しながら、光の微妙な変化を醸す水辺の田園風景を描写した。この絵も川面の小舟からの視点で対岸の川辺を描いているように見える。

コロー  ミレー