ナースNちゃんに私はボヤいた。
そろそろ帰国の飛行機の予約のこと考えないとね・・・ルーマニアを離れるのが寂しいの。
「私もねルーマニアが楽なの・・・」 おおっ!!Nちゃん変わったよ!
夏ごろはルーマニアが嫌だとボヤいていたのに!
そもそもNちゃんはアフリカを赴任地に希望していたのだ。ところがなぜかルーマニアになっちゃったわけ。でも、真面目に任務について考え頑張り屋さんで今やルーマニア語もかなりのもの。どういう心境の変化なの?ルーマニアの良さに開眼したなら嬉しいゾ。
「だいたい日本が嫌で出てきたこと思い出してさ。日本にいるときはストレスが多かったよ。今は仕事ではいろいろあるけど生活面のストレスがないね」
まったく同感なのだ。
ルーマニア人は総じてワガママなのに、どうしてなのだろう、そんな人に囲まれて気持ちが楽なのは?ルーマニア人は自分がワガママなものだから人のワガママも気にならないのかもしれない。他人のワガママを許してくれるのだ。
もしかすると間違いかもしれないけれど日本人はこうあるべきという姿を演じ他人にも暗に、それを要求するところがあるように思う。それに外れると猛攻撃を食らう。ところがルーマニアは割と勝手がきく。
「なんと言ってもさあ酷い事件なんか、ほとんど無いよね。ときどき日本のニュース見て恐くなる。私あんなところに帰らなきゃいけないの?って」
ルーマニアの問題点で経済的貧困はあるけれど人間に危険性はほとんど無い。それどころか皆、優しい。
美しさ、豊かさとは何?整備された街の景観や高層ビルディング、身なりを良くすることや贅沢品に囲まれることではない。『安らげるもの』だと思うのだ。
何かしら安らぎをルーマニアで感じている私。離れたくない。