din ROMANIA 〜ルーマニアからコンニチハ

18.Sep

鍵をロックしてしまい、夜はクマさんに出会った。ハプニング続出の一日。

起きてからずっとPCの前に張り付いて昼過ぎ、お腹がすいた。パンとヨーグルトを買いに小銭と部屋の鍵だけ握ってアパートの下の店へ。戻ってドアを開けようとすると内鍵が下りて開かない。

やってしもーた・・・。

テレビもPCもつけっぱなし。携帯電話も持たずに出てきてしまったしテレフォンカード買うほどお金がない。部屋を管理しているアウレルに助けてもらおうと、パンとヨーグルトをポケットに入れて近くのサンドゥ家まで走った。

「おやまあ、いらっしゃい、ご飯食べる?」

陽気なオッサンのアウレルは会うなりそう訊く。「それよりドアが開かなくて困ってるの助けて」というと「じゃあ、まず食べなさい」とキッチンのテーブルに案内された。ここに来るといつも何はさておき食事をすすめられるのだった。もともとお腹がすいていたので遠慮なくいっぱい食べる。 内鍵のことは大したことではなく簡単に解除できるらしかった。なーんだ、おご馳走様でした。

夜、アウレルの長女シモナとフルート奏者ジオのアパートに寄った。
「このまえアパートの前で熊を見たんだよ」と言うと「あ、その熊なら毎晩11時に出てくるのよ。今夜行ってみない?」というので10時半に出かけた。

私のアパートから歩いて5分くらいトゥンパ山のふもと。 ジオが「ほら、あそこに1頭」と暗闇を指す。なんにも見えないけど?と目を凝らすと車が通り過ぎたわずかな明かりで一瞬だけ見えた。ジオが言うには病気なのか具合が悪そうだったって、私にはわからない。

ゴミ捨て場まで行くと信じられないことに野生の熊さんが人間とわずか3メートルの距離にいる。ゴミのカートは高さ150pくらいあるのだけど立ち上がって中からゴミ袋を拾い上げて生ゴミを食べている。まわりに集る人間にはまるで無関心。危険はないけれど動物なので食べているところを邪魔されれば何をするかわからない。飼い犬だって食事中に手を出すと噛まれることがある。ブラショフの熊は3年前から出没するようになり現在では10頭が確認されているらしい。人間の居住区で共生する珍しい例としてヨーロッパのテレビで紹介されたこともあるそうで特別のんびりした熊さんたちのようだ。

子供の頃歌った『森のクマさん』を思い出した。本当に♪お嬢さんお逃げなさい♪と喋り出しそうで、私がカメラでも落としていこうものなら♪お嬢さんお待ちなさい♪と拾って持ってきてくれそうな気がした。

ジオに『森のクマさん』の歌詞を教えてあげたら大いにウケた。ルーマニアにも『ドレミの歌』があるそうだけど当然ながらミは「みんな」のミではなかった。そういえば以前ルーマニア人に日本の歌を教えてくれと頼まれてルーマニア国立チプリアン・ポルンベスク音楽大学を出た彼らに「ゲロゲロゲロゲロ・グワッ、グワッ、グワ〜ッ」と輪唱させたことがあったっけ。