din ROMANIA 〜ルーマニアからコンニチハ

20.Aug

今日もいい天気。中央の広場にあるDPEで写真を引き取り、ついでに撮影もここで。

久しぶりの天気とあって平日なのに人出が多い。視線を感じて、ふと見ると以前バスの乗り方から道案内まで教えてくれたマリウスだ。「何してるの?」「銀行にいくところ、ところで俺のヴィザの件どうなった?」おいおい。ノー・アイディアだとハッキリ言っとく。
レース編みをしているオバちゃんがいた。

販売する人はいても路上でシコシコ編んでいる人はなかなか見ない。「いくらですか?」と尋ねると大きいのから小さいのまで3サイズをセットで400,000レイ(約1600円)という。製作日数を考えれば妥当だし土産物屋で買えば、もっと高い。

欲しいけど銀行でお金が引き出せなかっだんだよねぇ。

アパートの前のBancaRomanaは金曜日に行ったら「20日までウンキス(閉店)」と手書きの張り紙が。いっぱしの銀行が正月でも復活祭でもないのに4連休ってどーゆーこと?中央街のATMでも試したけどダメ。他にも困っている人を見かけた。
オバちゃんに大きいのだけ200,000レイで交渉したけどダメだと言う。小さいのは基本的におまけって考え方かな。

「銀行でお金引き出せなくてね。オバちゃんにいつ会えるか分からないし」
「そこの両替所で替えておいでよ」
「ドルもユーロも持ってない」
「じゃあダメ」
「オバちゃん今度いつ来るの?」
「また風の無い日にね」。

写真を撮らせてもらった。

「あらあら、いっぱい撮るんだねぇ〜。アッハッハ」だって。

「ちょっといい ですか?ルーマニアの恵まれない子供のために寄付をお願いします」そう言って声を掛けてきた学生ボランティア。

違う子からも数回声をかけられており、その度に払ってしまう。10,000レイ(約40円)程度でいい。

寄付という名目なら、みんな協力的かというとそうでもない。プイッといってしまう人もいる。使い道が実際どうなのかはわからないが彼らは身分証明を携帯しているし領収書も発行する。正しく然るべきルートで生かされることを願う。
黙して立ちつづける黒ずくめの人影に目が止まった。修道女だ。

「何をしているのですか?」と声を掛けると「寄付を募っています」という。 バカウ地方のビセリカ(オルトドックスの教会)Maicii Domnuluiのマイカ(マザー)・フィロフテイア。

若い女の子が来て家族の分まで寄付していった。寄付者の名はノートに書き記される。写真を撮らせてというとマイカ・フィロフテイアは嫌だと言うので無理にお願いしなかった。
そのあと、お気に入りの教会へ行き中庭で休憩。半日過ぎて、また同じ場所を通りかかるとマイカ・フィロフテイアは顔を真っ赤に日焼けさせて立ち続けていた。「顔が真っ赤ですよ」「黒い服を着ているから余計に暑いんですよ」「お大事に」「私の写真撮りたいですか?」「いいんですか?」パチリ。出逢いに時間をかけて写真を撮るって気持ちがいいものだな。
トコトコ歩いていると「ヒロミ!」と私を呼ぶ声がした。こんなところに知り合いはいないんだけど誰かと探すとオーストリアからの寝台列車で同じコンパートメントだったラウラがテラスから手を振っている。「いつ会えるかと思ってたのよ。一緒にコーヒーでもどう?」とテーブルに誘ってくれた。臨月のお姉さんと学生の従姉妹。このお姉さんの赤ちゃんが生まれたら産院の場面から撮影させてもらう約束だ。といっても病院の了解が必要なんだけど。日本と違って赤ちゃんはガラス張りの育児室から出られず母親が授乳のときだけ赤ちゃんのところへ行く。家族は退院するまで会えないそうだ。しかしカネ次第で特例がない訳でもないらしい。 ここでも金かぁ。

今日は知り合いにバッタリ会ったり知らない人と話したりハプニングが多い日だったな。ちょっとだけ本当にこの街の住人になった気分だった。