din ROMANIA 〜ルーマニアからコンニチハ

21.Aug

寝坊した。晴天。写真日よりじゃないのぉ〜出かけなきゃ。あせった。 数日前ダニエラと山に登る途中にあったあの場所に行ってみよう。おっとその前に洗濯をしないと。洗濯機は時間がかかるので手洗いでササッと済ませる。 トゥンパ山の麓はイズボル(湧き水)があちこちにあり、その周りを馬、牛、アヒルがノンビリ散歩している。森の木の幹に刻まれた落書きも撮りたいな、三脚も持っていかなきゃ。 ついでに水を汲んでこよう。


グビグビ。  
アパートから徒歩で15分くらいのところに、こんなのどかな場所があります。
牛を撮ろうと近づくと牛のほうからズンズン寄ってくる。舐められそうで恐ぁ〜いと一人でヒャーヒャ−言っていると丘の上にいた牛飼い(?)のオバちゃんから「何もしないから恐がらなくていいんだよ」と声を掛けられた。
とは言っても私の背とそう変わらないし鼻をピクピクさせながらレンズに寄るもんだからオッカナイ。

丘を登りオバちゃんの横に座って休憩。「ルーマニア語分かる?」「う〜んチョットだけ」オバちゃんは喋り出した。「この辺は熊が出るんだよ。夜暗くなったら山から降りてきて朝5時ごろまた山へ登っていく」。熊出没情報は知っていた。ゴミをあさるだけで人間に危害は与えないらしく夜に見物客が写真を撮っていると聞いていたので「危なくないんでしょ?」と尋ねると「危ないさ。とても恐いよ」そういって家の付近のことから色々と喋りはじめた。眼下にある掘っ立て小屋風のところが家らしい。言っていることの半分くらいしか理解できなかったけど喋っているうちにオバちゃんの様子が変になってきた。目が潤んでいる。

「場所がない・・女たちは・・寂しい・・みんな・・とても難しい」。判る言葉だけを繋ぐとオバちゃんは人間関係で悩んでいるようだった。自分の居場所がない。そんな意味合いに受け取れた。「ヌー・プルンジェ(泣かないで)」と言うと目を擦った。知っている単語だけの会話では上手く慰めることが出来ないけど何か気分回復になるものないかなとウエストバッグを探るとポストカードがあった。自分が撮ったものではないけど日本庭園のやつ。

「カドゥー・ペントル・ティーネ(あなたへの贈り物)」と渡すと、さらにドワッと涙を流しながら私の頬に何度もキスしてくれた。とても喜んでくれたようだ。「今度いつ来る?」と訊くので「またいつか」と答えてサヨナラを言った。丘を降りる途中振り返るとオバちゃんはポストカードをジッと見つめていた。二度目に振り返ったときも、まだ見つめていた。三度目に振り返ったときはオバちゃんは豆粒のように小さくて様子はわからなかった。


みんな雌牛。お乳が張ってミルクがいっぱい出そう。

天気が良くて犬もウハウハです。

ダムというか貯水池でカーペットを洗っていた。

イズボルの水をペットボトル2本分持ち帰って米を炊き、食後のコーヒーを飲んだ。うーん苦労して汲んできた水は旨い、よーな気がする。お持ち帰りで加熱しちゃうと実感なくなるなぁ。現場で飲んだときは冷たくて最高に美味しかった。

この違いは・・・鮮度かぁ。

食材もそうだけど旅も鮮度が大事だよね。現地のライブ感はそこでしか味わえない。旅はいいよねぇ。