今日は中心地の公園で日本文化の紹介をするというのでダニエラと出かける。 会場近くになると鼓や尺八、お囃子の音が聞こえてきて日本の夏祭りの雰囲気だ。ドイツ風の街並みのなかに提灯がぶら下り妙だが、日本を離れてたったの一ヶ月足らずなのに懐かしい。
ルーマニアの街路樹にあ柳の木がある。それを笹の代わりにして七夕飾りを作ったり、絵手紙、折り紙、書道を教え、着物の着付けのデモンストレーションではルーマニア女性数人が振袖や留袖、婚礼衣装をまとって観客の人気を集めていた。その一人が慣れない帯のせいで気分が悪くなるというハプニングが発生。 |
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剣道、空手の基本動作を披露していたのは全員ルーマニア人。ほかにも浴衣姿でかいがいしく働く日本語の達者な女の子が数名。日本に留学したことがある人やブラショフの日本語教室で学んだ人たちなど、日本語を上手に話す人がたくさんいるのに驚いた。これが武蔵野ブラショフの交流10周年の成果なのだなと眼で実感する。 |
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そんな中に一人ぬぼっとした青年がいて、「こんにちは」と声を掛けられた。大学を休学して旅行中の佐藤淳くん。初めての海外旅行、英語もルーマニア語もわからず4週間かけてルーマニア国内を回ったそうだ。駅で野宿して警察に連行され(ルーマニアの駅は寝泊禁止)撮影禁止のブカレスト・ノルド駅で写真を撮ってしょっ引かれたり、なかなかのツワモノ。
「イナカの子供たちが写真撮ってって寄ってきて可愛いんです。これで撮りました」と首からGR1−Sをぶらさげている。私もGR1とGR1−Vで撮ってるんだよと意気投合してテラスでビールを飲みながらいろいろ話した。 |
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今は休学中だけど卒業後は映像関係の仕事につきたいという。「何でルーマニアなの?」と訊いてみた。実は私この質問を受けるのは嫌いなのだけど人には必ず訊く。彼の場合、恩師がブカレストで教鞭をとっているらしく一度来てみたら?と誘われたのだそう。「言葉がわからなかったのが残念。もっと多くのことを吸収できただろうと思います。またいつか来たい」と、この国をとても気に入ったようで、この旅の経験をもとにレポートを書くそうだ。
外人パブのオネエちゃんを追いかけてルーマニアに来る日本人男性が多い中、珍しく爽やかな青年に出会って嬉しかった。いや、外パブのホステスに一途に恋する男性も、それは純粋でカワイイのだけど。
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夕方、中心街の広場近くにある通称『黒の教会』でパイプオルガンの演奏会があった。ここはドイツの影響が色濃いゴシック様式の教会でパイプオルガンの規模はルーマニア国内最大級。とはいうものの私の地元である長崎の浦上天主堂のパイプオルガンと大きさはそれほど変わらないような気がするが、この際デカさ自慢ではなく音が重要なのだ。さて、その音は、石造りの建物に反響して深みのある素晴らしいものだった。撮影、録画は禁止。皆さんにも現場で体感してもらいたいな。
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