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2003年 6月16日(日)
●コウモリと超音波
都心に近い東京都多摩川では夕方から河原にコウモリがいっぱい飛んでおります。ナマズ釣りではたまにラインにも接触するくらいです。
パタパタと急旋回、上昇、下降と鳥では考えられない飛び方をしますが、実はコウモリが暗闇の夜空を自由に飛びまわれるには理由があります。
それは人間の耳では聞こえない超音波を発し、これのエコーにより、障害物を認識し、また獲物を探知しております。
そこでこのコウモリが出す超音波を人間の耳で聞くことは出来ないか?とのテーマで製作したのがBAT DETECTORです。
人間の可聴域は周波数500Hz〜20KHzに対しコウモリは30K〜100KHzの音を発し又、聞く事ができるようです。
でも聞こえないものを聞こえるように出きるのか? はたして・・・
●デジタルかアナログか
今の時代デジタルが主流ですが、基本はアナログから・・・ちょっと古いかと思われますがデジタル回路も最小単位はアナログですし、
高速デジタル回路ではノイズ問題やEMI関係とアナログ技術は重要です。でもまずはデジタル的に簡単に思いついたのは周波数を分周する方法。
増幅、検波、コンパレーターを経た信号を適当なデジタルカウンターで分周し、その出力をトランジスターを経由して圧電素子で確認する方法。
メリットは簡単なこと。デメリットはデジタル(1,0)なので音の振幅が一定になってしまう事が予想されます。
やはり、音の強弱や波長の変化を極力再現する為、考え方をアナログ&物理的にし再検討。
●超指向性スピーカー
そして出てきたのが最近ある雑誌で見た超指向性スピーカーの原理。超指向性スピーカーとはあるスポットにのみ音を送るという音響銃のようなもの。
スポットからちょっと外れると聞こえなくなります。これには指向性が強い超音波を使用しますがこれだけでは聞こえません。
ところが2つの異なった周波数の超音波をそのスポットに同時に照射すると周波数差の波が発生します。
もちろん周波数差は人間の可聴音にしますが、こうするとスポットなエリアだけに音を送ることが出来ます。
実際に博物館などの展示用に使われているようですが気づいた方いらっしゃいますか?
●動作原理
話は戻して、これをヒント(基本的には違います)に入力信号と基準発振を混合し電気的にその周波数差で可聴音を取り出す事にしました。
回路をシュミレーターで観察すると30K〜70KHzの範囲を可聴音に変換できそうです。「シュミレーションの様子」
まずは主要部品である超音波センサーは入手し易い40KHz中心 ±7KHzのものにしました。
センサー部拡大「こちら」超音波センサーからの入力信号は
高帯域低ノイズアンプで1000倍に増幅。これをショットキーバリアダイオードで検波し基準発振(40KHz)とミキシングします。これを更にスピーカーで聞こえるようにアンプで増幅します。
回路ブロック図は「こちら」
高帯域低ノイズアンプはNEC uPC4570C、基準となる40KHz発振はお馴染みタイマIC
LMC555 スピーカーアンプはLM386を使用しております。
●今後の予定
使用結果等 詳細は後日報告します。今週末にはまともな装置として、フィールドで使用できそうです。
尚、今後はステレオ化、低ノイズ化、基準発振やゲインなどのマイコン制御、回路の低電圧化が目標です。
つづく
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