蓮台寺温泉・河内温泉


吉田松陰
寄寓処

吉田松陰の
入ったお風呂

 冬の3連休の週末、下田の蓮台寺温泉を初めて訪れました。蓮台寺は、今はお寺はありませんが、千数百年前に行基が建立したと言われる古い お寺が由来になっていると言われています。温泉も長い歴史があり、1854年ペリーが下田に来航した際、吉田松陰が密航を企てる前に、この蓮台寺温泉で療養したと言われています。吉田松陰が滞在した茅葺の建物とお風呂が往時そのままに保存されており(吉田松陰寄寓処)、立ち寄ってみました。また、その近辺は「湯の華小路」と呼ばれ、昔ながらの石畳と自然が残る散歩道になっています。以下紹介する石橋旅館、金谷旅館の他、蓮台寺荘、清流荘等、長い歴史をもち、味わいのある旅館が多いのも特徴です。湯量も豊富で、(源泉の無い)下田温泉の源泉になっているとのことです。また、日帰り入浴のできる旅館も多く、気軽に立ち寄ることも可能です。


【クアハウス石橋旅館】

クアハウス石橋旅館

 宿泊したクアハウス石橋旅館は、明治時代創業の由緒ある旅館です。往時そのままの唐破風の重厚な門構えの建物に入り、クラシカルなシャンデリアと美しい天井が印象的なロビーに上がると、この旅館の長い歴史が肌で感じられます。かと言って敷居が高いわけでもなく、飾らないながらも暖かい接客にほっと落ち着ける気分になります。ロビーから長いトンネルのような廊下を歩き、客室に着くと、中庭が丸ごと池になっており、池を取り囲むように建物があることがわかります。滞在した部屋は1階の松風の間で、昔ながらのレトロなタイルのお風呂とトイレが付いています。
 お風呂は、クアハウスの名のとおり、かけ湯、打たせ湯、寝湯、箱むし、ジャクジー・内湯、岩の露天風呂と、様々な種類があります。お湯は透明マイルドで適温、ほのかな香りが大変心地良い、源泉かけ流しのものです。何よりも湯の質が素晴らしいので、普通のクアハウスに入っているのとは全く違う次元の気持ちよさがあります。床に木を敷いた内湯や、ログハウス風の湯屋等、全体が素朴で体に優しい感じがする造りになっています。
 食事は夕食・朝食とも部屋食です。夕食は、海老、かに、かに味噌汁、ホタテ鍋、カレイフライ、大トロ・いか・サザエの刺身等、海の幸づくしの極上メニューでとても美味しいヘルシーなものでした。
 また、この旅館は日帰り入浴も受け付けており、日帰りで立ち寄るお客様も多数見かけました。レトロで重厚な和風旅館を満喫しながら、源泉かけ流しで泉質抜群のクアハウスでリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。


【蓮台寺河内温泉・千人風呂金谷旅館】

千人風呂金谷旅館

 翌日、すぐ近くにある河内温泉の千人風呂金谷旅館に日帰り入浴で立ち寄りました。日本一の檜風呂で有名なこの旅館は、やはり古い木造の和風建築の建物であり、旅館全体に昔ながらの温泉旅館の風情が満ち溢れています。玄関から真っ直ぐ廊下を歩いてすぐの場所に全て木造りの更衣室があります。ここから入る千人風呂は、その広さに圧倒されるとともに、天井・壁・湯舟・床全てが木造りであり、何とも言えない味わいと温もりが感じられます。湯舟は内湯と、これにつながった木の露天風呂があります。内湯は深い場所と浅い場所がありますが、深い場所は水深が1メートルあり、木造のプールのようです。お湯はやはり透明マイルドでほのかな香りのする素晴らしいものでした。また、このお風呂は混浴(女性用の風呂は別にあるが)で女子更衣室からも入れるようになっており、カップル・夫婦で入っている方も複数見かけました。
 さらに、この旅館の庭にはプラネタリウムのような形の小さな天文台が設置されており、旅館内に天体写真が掲示されているのが印象的でした。

水仙まつりの爪木崎

 温泉に立ち寄った後、車で5分の下田市内に立ち寄りました。1854年に黒船で来航したペリーが、日米和親条約を締結した了仙寺を訪れました。往時の面影をそのまま残す本堂の他、宝物館があります。その後、水仙まつり開催中の爪木崎(写真)を訪れました。太平洋を見渡す岬一体には美しい水仙が咲いており、多くの旅行客で賑わっていました。この他下田市内には、幕末の黒船来航に関わる名所旧跡が多数あります。

 

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